2022/06/15
はじめに
反戦平和についての節目の日
6.19福岡大空襲
77年前(1945年)の6月19日、もへちゃんが住む福岡はアメリカによる大空襲をうけました。
「福岡大空襲」です。
6.23沖縄慰霊の日
1945年6月の沖縄は、
…
たくさんの人がしんでいた
小さな赤ちゃんや、おかあさん
…
たくさんの人たちがしんでいて
ガイコツもあった
わたしとおなじ年の子どもが
かなしそうに見ている
…
2022年 沖縄慰霊の日 平和の詩(作:德元穂菜さん)より引用
日本で唯一の地上戦が繰り広げられ、県民が4~6人に1人の割合で亡くなりました。
1945年6月23日、第32軍司令官 牛島満をはじめとする司令部が自決し、組織的戦闘が終結しました。
日本全国の空襲被害
77年前のこの時期は、日本各地で空襲による被害がありました。
以前、その一覧を紹介したことがあります ↓
あなたが住んでいる地域もあるかもしれません。
朗読劇「島唄」
つい先日、もへちゃんが先生だった頃、ともに平和劇のとりくみをすすめてきた同僚の先生から
今年は「沖縄占領の時代」を取り扱いたいのですが、情報や人脈がなくて苦戦しています(>_<)
というメールをもらいました。
今年(2022年)の 5.15平和行進に参加した知人を紹介するとともに、以前書いた朗読劇「島唄」のシナリオのデータを送りました。
そこで今回は、その朗読劇「島唄」のシナリオの一部を紹介します。
子どもたちに反戦平和をどう伝える?朗読劇「島唄」
古来の沖縄
床の間を飾る三線、それは平和への願い
古来、沖縄には「殺す」という意味の方言はありませんでした。【島唄(伴奏のみ)】
本土では床の間に刀を飾りますが、沖縄では三線を飾ります。
戦前・戦中の沖縄
沖縄県民への差別
明治以降、日本が富国強兵に向かった時、沖縄県民はついていきかねました。
それで『日本人としてはおかしいよ』と差別が始まったのです。
昭和に入ると。一人前の日本人として認められたいがため、沖縄の先生、行政職員が方言をなくす運動を推し進めました。
一人前の日本人として、お国のために
太平洋戦争では学徒たちが文字通り死ぬまで働きました。
彼らの遺書には『一人前の日本人として、お国のために』という言葉がいっぱい出てきます。
戦後の沖縄
沖縄県民への大き過ぎる負担
自民党の菅 義偉官房長官は、こう言いました。
政府としては、国土面積の1%に満たない沖縄県に約74%の米軍基地が集中していることについて、
沖縄県民に大きなご負担をお願いしていることについて重く受け止めている。
2016年3月21日、米兵による女性暴行事件
2016年の3月21日、米兵による女性暴行事件に抗議する「緊急県民抗議集会」が開かれ、抗議のために2500人が集まりました。
戦後71年にわたって米軍が存在している結果、復帰後だけでも、米軍の犯罪事件が5862件発生し、そのうち殺人、強盗、強姦、放火などの凶悪事件は571件にのぼる異常事態です。
それが沖縄の日本復帰から毎年続いています。
沖縄・米兵による女性への性犯罪
1972年に、沖縄は日本に復帰されました。
それから2016年までの44年間で、アメリカ軍による殺人,強盗,強姦,放火といった凶悪犯罪だけでも571件です。
単純に割り算すると571÷44=12.97…
1年間で約13件。
月1以上でアメリカ軍による殺人,強盗,強姦,放火が起こっているのです。
そして、それが現在まで毎年続いているのです。
では、どんなことがあったか表の中からいくつかを見てみましょう。
1947年
28歳の女性
自宅にピストルを持った米兵が侵入したため逃げるが、生後6ヶ月の子どものことが気になり戻ってきたところを畑にひきずりこまれて強姦され、ピストルで殴打されて死亡。
犯人は逮捕されましたが、その後どうなったかわからなくなりました。
日米地位協定という法律により、犯人を日本の法律で裁けないからです。
そして、自宅の中でも安全ではなかったということです。
1985年
店番をしていた小学生、米兵に強姦される。
長年、家族だけの秘密にしていたが、1995年11月の「行動する女たちの会」の座り込みの場で父親が証言。
この時は、沖縄じゅうが怒りました。
8万5千人が参加する県民大会が開かれ、結果として米軍普天間飛行場を返還する日米合意につながりました。
ただ、返還は今も実現しないどころか、辺野古への基地移設に問題をすり替えられています。
沖縄の人々は、基地移設に反対していますが、それを同じ日本人である他県の機動隊員が取り締まっています。
2016年、機動隊員が沖縄の人に「この土人が」と差別発言したこともニュースになりました。
2016年3月の女性暴行事件から、たった2ヶ月後に
2016年の5月19日、沖縄県うるま市で女性が遺体で見つかりました。
容疑者の元アメリカ海兵隊員は4月28日夜ごろ、うるま市内をウォーキング中だった女性を強姦しようと、棒で殴って襲撃。
さらに女性を刃物で刺すなどして殺害しました。
その事件を受けて、6月19日に沖縄県民集会が開かれました。
犠牲者への追悼の深い悲しみと、事件への激しい怒りが入り交じり、炎天下に集まった約6万5千人の思い。
その集会で、被害者と同世代の玉城愛さんがスピーチした文章を配ります。
玉城愛さんのスピーチ全文
被害に遭われた女性へ。
絶対に忘れないでください。
あなたのことを思い、多くの県民が涙し、怒り、悲しみ、言葉にならない重くのしかかるものを抱いていることを絶対に忘れないでください。
あなたと面識のない私が発言することによって、あなたやあなたがこれまで大切にされてきた人々を傷つけていないかと日々葛藤しながら、しかし黙りたくない。
そういう思いを持っています。
どうぞお許しください。
あなたとあなたのご家族、あなたの大切な人々に平安と慰めが永遠にありますように、私も祈り続けます。
安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん。
今回の事件の「第二の加害者」は、あなたたちです。
しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか。
いつまで私たち沖縄県民は、ばかにされるのでしょうか。
パトカーを増やして護身術を学べば、私たちの命は安全になるのか。
ばかにしないでください。
軍隊の本質は人間の命を奪うことだと、大学で学びました。
再発防止や綱紀粛正などという使い古された幼稚で安易な提案は意味を持たず、軍隊の本質から目をそらす貧相なもので、何の意味もありません。
バラク・オバマさん。
アメリカから日本を解放してください。
そうでなければ、沖縄に自由とか民主主義が存在しないんです。
私たちは奴隷ではなくて、あなたや米国市民と同じ人間です。
オバマさん、米国に住む市民のみなさん、被害者とウチナーンチュ(沖縄の人)に真剣に向き合って、謝ってください。
「自分の国が一番」と誇るということは結構なんですが、「人間の命の価値が分からない国、人殺しの国だ」と言われていることを、ご存じですか。
軍隊や戦争に対する本質的な部分を、アメリカが自らアメリカに住む市民の一人として問い直すべきだと、私は思います。
会場にお集まりのウチナーンチュのみなさん
幸せに生きるって何なんでしょうか・・・
一人ひとりが大切にされる社会とは、どんな形をしているのでしょうか。
大切な人が隣にいる幸せ、人間の命こそ宝なのだという沖縄の精神、私はウチナーンチュであることに誇りを持っています。
私自身は、
どんな沖縄で生きていきたいのか、
私が守るべき、私が生きる意味を考えるということは何なのか、
日々重くのしかかるものを抱えながら現在生きています。
私の幸せな生活は、県民一人一人の幸せにつながる、県民みんなの幸せが私の幸せである沖縄の社会。
私は、家族や私のことを大切にしてくれる方たちと一緒に今、生きてはいるのですが、全く幸せではありません。
同じ世代の女性の命が奪われる。
もしかしたら、私だったかもしれない。
私の友人だったかもしれない。
信頼している社会に裏切られる。
何かわからないものが私をつぶそうとしている感覚は、絶対に忘れません。
生きる尊厳と生きる時間が、軍隊によって否定される。
命を奪うことが正当化される。
こんなばかばかしい社会を、誰が作ったんだって。
このような問いをもって日々を過ごし、深く考えれば考えるほど、私に責任がある、私が当事者だという思いが、日に日に増していきます。
彼女が奪われた生きる時間の分、私たちはウチナーンチュとして、一人の市民として、誇り高く責任を持って生きていきませんか。
もう絶対に繰り返さない。
沖縄から「人間の生きる時間、人間の生きる時間の価値、命には深くて誇るべき価値があるんだ」という沖縄の精神を、声高々と上げていきましょう。
あなたは沖縄の痛みを知っていましたか。
僕たちに向かって言われた「日本本土にお住まいのみなさん。今回の事件の『第二の加害者』は、あなたたちです。」の意味がわかりますか。
平和とは何だと思いますか。
これで朗読劇「島唄」を終わります。
キャストになってくれた人に拍手を!
おわりに
朗読劇「島唄」
朗読劇「島唄」は、2016年4月29日のメーデーで、組合の青年部の方たちに演じてもらった朗読劇「島唄・がんばろう」が元になっています。
その後、道徳の教材として作り直したのが朗読劇「島唄」です。
作り直す際に、2016.5.19の事件もシナリオに書き込みました。
メーデーで上演した後、たった半月の間に「沖縄 米兵による女性への性犯罪」がさらに増えたのです。
「沖縄の痛み」を感じざるを得ませんでした。
子どもたちに反戦平和をどう伝える?②朗読劇「島唄」シナリオ
ちなみに、今回紹介したのは朗読劇「島唄」の後半部分となります。
前半部分は、THE BOOMの「島唄」と沖縄戦について書きました。
シナリオ全体を読んでみたい方は、Kindle出版より電子書籍として購入することが出来ます。
平和の詩
「はじめに」で紹介した「平和の詩」は、毎年、沖縄県内の学校から応募があった中から選ばれ、6月23日の「慰霊の日」に糸満市の平和祈念公園で行われる沖縄全戦没者追悼式で朗読されています。
今年(2022年)は、沖縄市の小学2年生の作品、「こわいをしって、へいわがわかった」が選ばれました。
2000年~2022年の「平和の詩」については、こちら ↓ の記事でリンクを貼ってますので、調べたい方はどうぞご活用くださいm(_ _)m
CM…朗読劇「島唄」以外のもへちゃんの著書
朗読劇シリーズ
朗読劇シリーズは、どれも1冊250円に設定しています。
また、amazonプライム会員なら、kindle本を月1冊無料で読むことができるそうです!
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