2021/11/10
はじめに
この画像は、もへちゃんの職場の駐車場に散っていた落ち葉です。
もへちゃんが住む福岡にも、紅葉の時期がやってきました。
秋と言えば、
- 食欲の秋?
- 読書の秋?
- スポーツの秋?
今回紹介するのは、芸術の秋について書いた通信「2年3組学級記録 No.58」(1991年12月7日発行)です。
絵を読むYS
記録57(YS)
TMが読書の秋と書いたが、僕の場合は芸術(絵)の秋だ。
この前、誕生日に値が張る画集を買ってもらった。
天野喜孝という画家の画集だ。
その人は元アニメーターで、タイムボカンのキャラクターデザインなどを手がけたが、アニメに嫌気がさし、イラストレーターになった。
小説の挿絵などを描き、多分知ってる人も多いと思うけど “ ファイナルファンタジー ” のキャラクターデザインもしてる。
その人は、とっても空想的な絵ばかり描く。
まずびっくりしたのは色調。
ありえないようなきれいな青を “ はだの色 ” にしている。
それぐらいがこの画家のいいところだろうと思っていた。
しかし、2ヶ月たった今、前から迫力があるのはわかっていたが、なぜこんな迫力のある絵を描けるのだろうかと思った。
最初に迫力あるのは「顔だな」と思った。
しかし、その人の描く顔すべてが病弱的でたよりない顔をしていて、ちっとも迫力なんてない。
「顔」は違った。
じっくり見てわかったけど、それは「動き」だった。
この人の絵は、絵の中の人物の次の動きがわかる絵だった。
それは視線だったり、髪の流れやかすかな筋肉の張り具合によってわかるのだと感じた。
これを感じたとき、うれしかった。
今迄わからなかった問題が、解けたような感じがした。
そして思った。
絵は、瞬間的にパッと見るんじゃなくて、じっくり見続け、素晴らしいとわかったら、なぜ素晴らしいかを考える。
これが、本当の絵を見ることだと思った。
これは、本でも映画でも音楽でも言えると思う。
とにかく、この件以来、絵というものに対して考え方が変わってきた。
YSのような見方をする人が、僕の先輩にもいる。
その人は「絵を読む」という表現をする。
今日はみんなに、絵や写真を読んでもらおうと思う。
- 絵の裏にあること
君は、読み取ることができるだろうか?
- 写真から
君は、何を読み取ることができるだろうか?
直感だけでなく、思いを巡らしてみてほしい。
今日は、物事を読むトレーニングです!
おわりに
もへちゃんがこの通信の裏に載せた絵は、次の3作です。
①「5月9日 母親と死んだ子の習作 鉛筆」
②「1937年5月10日 馬の習作 鉛筆」
③ゲルニカ
これらの絵の下に
この絵を君はどう読むだろうか。
③の絵は、縦351cm ✕ 横782cm の大きいものだ。
(①と②の絵は、下書きです。何度も何度も下書きをやり直して、③という作品はできたのです)
と書き添えました。
残念なことに、この後の1991年度の通信には、3枚の絵のことを書いたものはありませんでした。
1991年度のもへちゃん組だったみなさん、ごめんなさいm(_ _)m
代わりと言ってはなんですが、1991年から28年後の2019年の学年通信に書いた「ゲルニカ」を、次回のブログで紹介いたしますm(_ _)m
乞うご期待
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