2021/07/02
はじめに

もへちゃんが子どもの頃、夏休み中の8月6日は出校日で、平和学習があってました。
もへちゃんが先生になったばかりの頃(1985年頃)も、8月6日は出校日で平和学習をしてました。
しかし、もへちゃんが勤務していた地域の学校は2000年頃から、8月6日の出校日がなくなってきました。
いわゆる「8.6つぶし」です。
その結果、2021年現在、8月6日を出校日にして、反戦平和学習を実施しているのは、この地域の中学校ではわずかに2校だけです。
さて、今回紹介する通信は、現在でも8月6日に平和学習をしている中学校に、もへちゃんが勤めていた1995年の通信です。
当然、当時も平和学習にとりくんでました。
それでは、8月6日だけ反戦平和のことを考えるのではなく、それ以前からとりくんでいたことがわかる通信「学級記録 No.13」(1995年7月19日発行)を紹介します。
手紙
HR君
日に日に夏の太陽が強くなっていると思いますが、お元気ですか?
空襲に関するアンケート送ります。
第2次世界大戦が終わって今年で満50年になります(1995年現在)。
戦争を体験した人は少なくなりつつあります。
自分が生まれ育っているところに空襲があって、多くの人が死んだり、けがをしたり、家を焼かれたりしたことを知らない人が増えています。
本当のことを言うと、私も「銚子に空襲があって被害が大きかった」ということは知っていましたが、具体的なことは知らなかったし、最近は空襲があったことも忘れていました。
私の両親も、終戦時24歳と20歳でそれぞれ空襲に遭ったことを話してくれましたが、最近は思い出すこともありませんでした。
今回、この調査のために調べていたときに、忘れていたことをいろいろ思い出しました。
今度、両親にもっと詳しい話を聞いてみようと思います。
戦争のことを思い出させてくれたHR君に感謝しています。
何しろ50年も前のことですから、資料も少なく正確かどうかわかりません。
今残っている資料の中で書いてみました。
少しでもHR君の役に立てばと思っています。
そして、世界中から戦争がなくなることを願っています。
もうすぐ夏休みですね。
HR君の夏休みが楽しく有意義なものになりますように。
千葉県 銚子市 総務部 総務課


記録28
手紙が来た。
うれしかった。
HRさんの生活ノート(連絡帳みたいなノート)より引用
2の1に配達された1通の手紙。
それは、僕たちが日本全国に出した手紙に対する返事。

戦後50年という節目の年を、今生きている僕たちはただの「通過点」にしてはならない!
銚子市からのアンケートの返信では、
特にひどかった空襲は7月20日
爆撃機91機、死者数278人、負傷者数808人

空を飛行機が埋め、たくさんの人が命を失い、苦痛に顔をゆがめ、泣きさけんだ日が50年前の明日なんだ。

手紙を書いてくれた人の父さん・母さんも50年前、逃げ惑った経験をもつのだろう。
戦後50年、戦争の記憶は失われつつある。
こんなとりくみをする学校なんて、ほとんどないだろう。
だからこそ僕たちは、まわりに伝えていかなければならないのだ。
- 戦争は悪であることを
- 弱いものがより苦しい立場に追い込まれることを
- 何よりも大切な生命が軽んじられることを
- そして、それに反対であることを
おわりに

現代では「日本本土空襲」で検索すると、Wikipediaで、日本各地の空襲の
- 日にち
- 被害の大きさ
が瞬時にわかります。
すごい時代になったものです。
以前、本ブログでも「日本全国の空襲の日 一覧」を書きました。
7月19日 銚子空襲
そのWikipediaによると銚子空襲は
銚子空襲(ちょうしくうしゅう)は、第二次世界大戦中アメリカ軍により行われた千葉県銚子市に対する空襲のうち、1945年(昭和20年)7月19日に行われた空襲である。
ボーイングB29・91機の編隊によって攻撃され、1,181名の死傷者が出た。
Wikipediaより引用
とありました。
1995年当時のアンケートの回答とともに入っていたお手紙には
特にひどかった空襲は7月20日
爆撃機91機、死者数278人、負傷者数808人
学級記録 No.13より引用
とありました。

どっちが正しいんだろう?
1995年
知る・感じる・行動する
今回紹介した通信を書いた1995年は、もちろんWikipediaなんてもの、ありませんでした。
けれど、各クラスで分担して、日本の各地の自治体へアンケートの手紙を書き、次々と返事が返ってくる…
そんな経験を積むというのは、ネットで瞬時にわかることよりも貴重だと思います。
これは、もへちゃんが人権教育をする際にこだわってきた「知る・感じる・行動する」とりくみの1つだったのです。
より「知る・感じる・行動する」にとりくんだ子たち
ちなみに、この年の8月6日の平和学習は、市の文化会館で
- 文化委員による「日本各地の空襲の調査報告」
- 平和集会実行委員会による平和劇・テーマは1945年8月に校区で起きた空襲「筑紫駅銃撃事件」
を全校生徒に見せました。
調査報告や平和劇を見た子はもちろんですが、調査報告や平和劇をする側になった子こそ、より「知る・感じる・行動する」ことになり、反戦平和の思いを深めてくれたと思います。
我が子を、我が孫を再び戦場に送らないために
保護者の方へ
さて、当時の中学生たちは、今は保護者の年代になっています。
学校での平和学習がどんどん無くなっているということは、保護者の力が重要ってことです。
このブログを読まれた、小中学生のお子さんをお持ちの保護者の方、
我が子を再び戦場に送らないために、意識して反戦平和の思いをお子様に伝えてください。
その際のキーワードは
知る・感じる・行動する
です。
おじいちゃん・おばあちゃんへ
小中学生のお孫さんをお持ちのおじいちゃん・おばあちゃん、
我が孫を再び戦場に送らないために、保護者(あなたのお子さん)をフォローしてあげてください。
ひいじいちゃん・ひいばあちゃんへ
このブログ読んでくださったひいじいちゃん・ひいばあちゃん、
かわいいかわいいひ孫を再び戦場に送らないために、
「戦争は決してしてはならない」ってことをひ孫さんに、あなたの体験を元にお話しください。
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