2021/07/28
はじめに

学級一善
2008年度、もへちゃんは新たな学校に異動し、中1生を担任しました。
その学校の生徒会が、1学期に「学級一善」というとりくみを提案しました。

各クラスに3000円の予算をつけるから、学級単位で「いいこと」をしよう!
1学期のうちに計画を立て、2、3学期に実行していいとのこと。
学活(学級活動、学級会)の時間を数回使って、子どもたちと考えました(たぶん、今の学校では授業時間確保のため、学活を数回使うなんて許してもらえないかも)。
- 校内の清掃活動
- ゴミ拾い
- 駐輪場(自転車通学の子たちがかなり多い学校でした)での自転車整列
- 老人ホームに行って歌を歌う
- …
などの意見が出ました。
しかしどれも決め手に欠け、結論を保留しました。
もへちゃん組が決めかねていた1学期のうちに、2、3年生の数クラスがゴミ拾いをしてました。
しかし、その姿は「やらされている感」満々で、とても心を込めてやっているとは思えませんでした。

これじゃ、ただの行事消化じゃん(>_<)
もったいない!
せっかく、すてきなとりくみなのに…
なので、先輩達の真似をして「ゴミ拾い」という安易な考えに流れるのを、もへちゃんは良しとしませんでした
もへちゃん組の夏休みの宿題
夏休み前の学活の時間に、学級一善について話し合った際、先生からのアドバイスとして

どうせやるんなら、
- みんなのためにもなって
- しかもワクワクするような
- でっかいこと
をやろう!
と話しました。
しかし本当のことを言うと、この時点ではもへちゃん自身、具体的なアイデアを持ってませんでした。
結局

先生も考えてくるから、みんなも夏休み中に考えるように。
夏休みの宿題ね~
では問題です
その夏休み中、もへちゃんが閃き、結局実施したのは…

何だと思いますか?(^^)
ヒントになり得る通信、「1年1組学級記録 No.14」(2008年9月10日発行)を紹介します。
戦争は本当に残酷だ
記録23
道徳で、一万人署名の学習をしました。
原爆瓦は、とってもすごかったです。

TCさんの生活ノート(連絡帳みたいなノート)より引用
3500℃のアセチレンガスで、やっと原爆瓦を再現することができた。
「原爆の熱に焼かれる」とは、あのアセチレンガスの炎を全身に浴びるようなものだ。
- 腕にも
- 足にも
- 目にも
- …
身近な場所にある戦争の爪痕
太平洋戦争は、筑紫野市にも爪痕を残した。
筑紫駅銃撃事件
二日市駅を出発した満員電車が、筑紫駅手前で機銃掃射をうけ、100人をこえる死者を出し、一面血の海となった「筑紫駅銃撃事件」
山家 強制連行
山家の山の中に、総延長8kmを超える巨大な壕を掘り、西部軍司令部にしようとした工事では、朝鮮の人の強制連行があった。
二日市保養所での堕胎手術
済生会病院の前身である二日市保養所では、中国やソ連から引き揚げた女性の堕胎手術を、戦争が終わった直後とりくまれていた。
他にも…
- 2年生が修学旅行に行っている鹿児島では、多くの若者が特攻隊の隊員として、死を強制され
- 九州の南・沖縄では、悲惨な地上戦で多くの住民が犠牲になった
- そして広島と長崎では原爆が使用された
戦争は本当に残酷だ。
戦争を放棄する平和憲法
一方で、戦後、日本は戦争を放棄する平和憲法を作った。
世界には軍隊を持たない国が27カ国ある。
平和を守るものは、武器や核兵器ではなく、対話や信頼関係であるべきではないだろうか?
だから、僕らが行動する意味はあるんだ。
「私たちにできること」(長崎新聞社刊)






おわりに

もうおわかりですね(^^)

えっ、イマイチわからない?
確かにこの通信には、2008年度もへちゃん組の「学級一善」のとりくみを明記してないですもんねぇ(^^;)
このブログを読んでる方で
- 当時、もへちゃん組だった方
- 2008年度以降のもへちゃん組だった方
- 2008年度以降、もへちゃんとともに平和劇にとりくんだ人たち
ならわかるかと思いますが…
ということで、「学級一善」で何にとりくんだかについては、次回に続きますm(_ _)m
原爆瓦 再現実験
通信内の
原爆瓦はとてもすごかったです。
という記録は、道徳の時間に行った「原爆瓦 再現実験」のことを指しています。
もへちゃんが広島の元安川で拾ってきた原爆瓦は、表面がブツブツになってました。
原爆の熱で、瓦の上薬が一瞬にして液状化&沸騰したからだそうです。
そこで、新品の瓦で、このブツブツを再現する実験をしました。
①ガストーチ(約1000℃)
まずはキャンプ等で使うガストーチで瓦を焼いてみました。

「瓦そば」という料理があるくらいですから、キャンプ用のガストーチでは、瓦に一切変化は見られませんでした(あっ、すごく熱くはなりますよ(>_<))

②アセチレンガス(約3500℃)
そこで、工業高校で、鉄を溶接するアセチレンガスで瓦を焼いてもらいました。
(授業では、この部分は撮影してきた動画を見せました)
アセチレンガスvsアルミ缶
瓦を焼く前に3500℃をイメージしやすいように、空き缶にガスの先端を当ててみました。


なんと、1秒で缶に穴が開きました(^^;)
スチール缶だと5秒で穴が開きました。
アセチレンガスvs新品の瓦

もへちゃんの予想では、これでブツブツ状を再現できるはずだったのですが、瓦に変化は起こりませんでした。

瓦の面積が広いから、熱が逃げちゃったかな?
瓦を割って小さくして再トライです!
アセチレンガスvs小さく割った新品の瓦


瓦を30秒ほど焼くと、炎の向こうがブツブツ状になりました。
原爆瓦を再現できました!
知る・感じる・行動する
原子爆弾は、投下から43秒後、地上約600メートルの上空で目もくらむ閃光を放って炸裂し、小型の太陽ともいえる灼熱の火球を作りました。
火球の中心温度は摂氏100万度を超え、1秒後には最大直径280メートルの大きさとなり、爆心地周辺の地表面の温度は3,000~4,000度にも達しました。
広島市のホームページの「原爆被害の概要」より引用
と書いてました。

原爆の熱は3000~4000℃
と平和授業で話すのは「知らせる」行為です。
しかしもへちゃんは、それで終わりたくないと思ってました。
同じことを教えるなら、
- アルミ缶に1秒で穴を開けるアセチレンガスの炎
- そのアセチレンガスを30秒あびせ続けて、やっと原爆瓦が再現できた
という実験の後

「原爆の熱に焼かれる」とは、あのアセチレンガスの炎を全身に浴びるようなものだ。
- 腕にも
- 足にも
- 目にも
- …
と言いたいのです。
それが「感じる」ことだと思います。
そしてこの授業の先の「行動する」の部分が、もへちゃんが子どもたちに提案した「学級一善」のとりくみになるのですが…
それについては、次回を乞うご期待(^^)/
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