2020/10/20
はじめに
もへちゃん流性教育「思春期へのメッセージ」
- 0時間目(準備)…性について知りたいことアンケート
- 1時間目…私のいのちのはじまりは?
- 2時間目…おなかの中の10ヶ月間の奇跡
の次は
お母さんのからだ、すなわち女子のからだについての勉強です。
しかし、3時間目以降の授業について、学級通信として残していませんでした。
けれど、これで授業「思春期へのメッセージ」の報告を終わるのはあまりにも中途半端な気がします。
そこで、どんな授業をしたかについて報告しようと思います。
思春期へのメッセージ(3時間目)
前の時間では、自分自身がお母さんのおなかの中でどんなだったかを勉強したね。
思春期へのメッセージ3時間目の最初の問いは、「女と男を区別するものは何だろう?」です。
ニヤニヤ
言いにくそうなので、医学で使う言葉を使おうね。
それは「女性器」「男性器」です。
これね。
女性器と男性器でよく似たところがあるけど、気がつく?
タマタマが2つある
そのとおり!
女性器では「卵巣」と言い、男性器では「睾丸」と言うんだ。
前の時間は、赤ちゃんが生まれるまでを勉強したね。
赤ちゃんが生まれるのは、男の人ではなく、女の人だから、今日は女の人の体についてまず知って欲しいと思ってます。
この「タマタマ」が男子にとって大事ってことは、次の時間、勉強します。
男性器は外に出ていて、見ることができるからわかるけど、女性器はからだの中に入っていてよくわからない。
からだの外と体の中の女性器をつなぐとこうなる。
ここが尿道口、おしっこの出口。
こんなふうに膀胱につながっている。
ここが膣、体の中で子宮とつながっていて、さらに卵巣にもつながっている。
ここが肛門で、大腸や小腸とつながっていてウンコが出てくるんやね。
子宮は前の時間に出てきたけど、漢字の意味は「赤ちゃんの宮殿」。
ここで赤ちゃんは約10ヶ月育つんやったね。
大人の女の人の卵巣はウズラの卵くらいの大きさです。
この卵巣は、女性ホルモンを作るって役割がある。
思春期になって顔がふっくらしたり、腰幅が大きくなったり、おっぱいが大きくなったりするのは女性ホルモンの影響です。
でも卵巣にはもっと大切な役割があるよ。
女の人は生まれた時から卵巣を持ってるんだけど、オギャーと生まれた時にはもう700万個くらいの小さな小さな卵子の元、卵母細胞が左右の卵巣に入っているんです。
おお~
卵巣の中はスポンジみたいになっていて、その中に卵母細胞が入っているんだって。
でも、この卵母細胞は一人前じゃない。
思春期になり、卵巣で女性ホルモンが出されると、その女性ホルモンが卵母細胞に働きかけて成長させる。
するとその中の1個が成長して「卵子」となり、1ヶ月に1個の割合で卵巣から飛び出して、子宮への旅を始める。
成長した卵子はこんなのです。
女性で、卵母細胞が一番多いのは何歳くらいのとき?
ある学者は、初めて卵子を顕微鏡で見た時、
すばらしいなぁ、太陽みたいだ
と思ったって。
みんな太陽みたいなものから生まれてくるっていいね。
ちなみに、卵子は0.5mmくらいの大きさ。
小っちゃいやろ。
でも、からだの細胞の中では一番大きな細胞です。
では問題。
女の人の一生のうち、卵母細胞が最も多いのは何歳くらいの時でしょう?
18歳くらい?
20歳くらい?
15歳?
みんな間違い!
正解は、その女の人がお母さんのおなかの中にいる時です。
女性って、お母さんのおなかの中にいる時に、もう次のいのちのための準備をしてるんだよ。
すごいね。
不思議やね。
月経、生理とは
卵子は1ヶ月に1個だけ、右か左かの卵巣から飛び出してきて、卵管の先の手みたいなところに吸い寄せられて、卵管に入っていく。
細い卵管をくぐって子宮に到着します。
子宮の方も、卵子が来る準備をします。
子宮の内側の膜を厚くやわらかくするんです。
これは卵子が赤ちゃんになるとき、栄養やベッドになるものです。
けれど、このままでは卵子は赤ちゃんにならない。
なんでと思う?
精子がおらんから
はいありがとう。
そのとおり、精子と出会わなければ赤ちゃんにはなれません。
それについては、後の授業でやりますね。
精子と出会わなかった卵子に、このベッドは必要ないから少しずつはがれて落ちていくんです。
この赤ちゃんの栄養やベッドは血のような色をしていて、膣から少しずつ1週間くらいかかって出てくる。
これを「月経」や「生理」と言ったりします。
そして、初めて月経を迎えることを「初潮」と言います。
初潮を迎えるのは12歳~18歳くらいでとても個人差があります。
18歳を過ぎても初潮がない場合はお医者さんに相談しましょう。
女の人は、大人になると1ヶ月に1回くらい、こういうことがあります。
中には頭痛がしたり、腹痛がしたり、イライラしたりすることもあるそうです。
赤ちゃんを生むために女性のからだはとても微妙にできているんです。
子宮に送り込まれる卵子は何個?
女性は一生で何個くらいの「成長した卵子」を子宮に送り込むでしょう?
40万個
100個くらい?
ヒント
今度は計算できるよ
???
13歳から53歳まで40年間、月に1個ずつ右か左の卵巣から卵子は出てくると考えると…
40年✕12個=480個!
正解!
3人兄弟・姉妹だったら、477個の卵子は、赤ちゃんになれなかったってことです。
あなたは「選ばれた人」ってことです(^^)
ちなみに、お母さんのおなかの中にいた頃の女子には700万個の卵母細胞があったって言いました。
その中から480個だけが成長して「卵子」となれましたが、それ以外の卵母細胞は480個の卵子のための栄養になっていくんだそうです。
そう考えると、あなたは1/7000000(700万分の1)の選ばれた人とも言えますね(^^)
おわりに
この授業は「現代教育実践文庫『性』と『生』の授業」(太郎次郎社刊)」の中の望月正弘さんの実践にすごく影響を受けました。
今回、このブログで授業の進め方を書く際に、授業の指導案を探してみましたが見つかりません。
たぶん指導案なんて書いてません(^^;)
走り書きの授業メモがあることはあったのですが…
思い出して書いてみましたが、思い出せないところは望月さんの実践を参考にしました。
「現代教育実践文庫『性』と『生』の授業(太郎次郎社)」を紹介したいのですが、残念ながらもう入手できないみたいです。
この「現代教育実践文庫」は、月刊誌「ひと」の実践を集約したものだと思います。
太郎次郎社のホームページを見るとバックナンバー(PDF版)を購入できるみたいです ↓
このバックナンバーリストの中の
- 「性と生・親と教師への提言 1983年2月号」
- 「ふたたび性と生 1983年6月号」
のどちらかかなと思います。
また、もへちゃんは持ってないのですが、望月正弘さん著の「12歳の性 スケベでエッチなホンネを育てる」(太郎次郎社刊)は、「現代教育実践文庫『性』と『生』の授業」に載っている望月さんの実践を収録しているのではないかと思います。
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