2021/06/03
はじめに
ニュースで「長崎県 雲仙 普賢岳の大火砕流から30年」と言ってました。
30年前の1991年、もへちゃんはすでに中学校の先生をしてたので、
普賢岳のことを書いた通信ってあったっけ?
と1991年度の通信のファイルをめくると…
ありました!
そこで今回は、30年前の雲仙普賢岳の噴火について書いた通信「2年3組学級記録 No.27」(1991年6月6日発行)を紹介します。
天災
昨年11月、198年ぶりに噴火し、激しい火山活動を続ける長崎県の雲仙・普賢岳は6月3日、ついに人命と人家に被害を出した。
九州大 島原地震火山観測所の太田一也所長は、災害に遭ったところをヘリコプターから見て
溶岩ドームが、かなりの部分吹き飛ばされ、地区一帯は火山灰で埋め尽くされた“死の町”と化していた。
と語ったそうだ。
火砕流
テレビであってた「火砕流発生の瞬間」、見た人も多いと思う。
山の上の方から黒っぽい雲がみるみるうちに降りてきた。
その雲の温度は数百度、時には900~1000℃にもなるそうだ。
また、雲の中には、火山灰や火山岩塊などの溶岩がかたまって小さく砕けたものなどが含まれている。
1902年、西インド諸島のマルチニク島・プレー火山で発生した火砕流は、町を50mの堆積物で埋め尽くし、瞬時に28000人が死亡したそうだ。
流れの速さは時速100~180km。
100mを10秒で走ったとしても時速36km。
とても逃げられない。
天災
今回の火砕流で多くの被害があった。
たくさんの人命を失った。
天災とは、突然にやってくることが多い。
何とか前もって予知しようと、人間は研究を進めている。
はるか昔から、何度も天災で悲しみにうちひしがれたことが、研究の情熱になっている。
そして、今までの研究の積み重ねと科学技術の発達で「予知」ができそうにまでなってきた。
文明
文明の発達が進めば進むほど、天災などから逃れられるようになる(かもしれない)。
でも、文明の発達が進めば進むほど、戦争で死ぬ人は増えるし、生きる環境を破壊し短命になっていく。
今の文明の進み方に疑問を抱く。
先の見通しがあるんだろうか?
今だけよければいい!
という感じが、君たちでなく、大人の中に満ちている気がする。
あの頃(1991年)の未来に僕らは立っている
次の時代を築くのは君たちです。
文明を発達させるのも、いずれ君たちの番になる。
その時に「みんなが幸せになれる」ような文明を築いて欲しい。
どうせ私だけやっても…(>_<)
とあきらめず、何かをしないと確実に苦しい時代になっていく。
天災を防ぐ科学力は必要で、人をたくさん殺せる科学力は必要じゃない!
そんな世界を求めたい。
おわりに
初めて知った火砕流
「火砕流」という言葉を初めて聞いたのが、1991年の雲仙 普賢岳の噴火でした。
それまで、火山による災害は、溶岩くらいと思ってました。
当時のニュースで、噴火の煙が後ろに迫ってくる様子が流れました。
- 煙のように見えるその中の温度が1000℃に近いこと
- あのニュース映像を撮ったカメラマンたちは、火砕流が止まったので助かったけれど、もっと山側(「定点」)で取材していたマスコミの人や消防士たち43人が火砕流に飲み込まれ命を亡くしたこと
火砕流のおそろしさをしみじみと感じました。
初めて知った「噴石」の恐ろしさ
その後、2014年に御嶽山の突然の噴火に登山客が巻き込まれた際は、噴石と火山灰により58人の方が犠牲になりました。
火口から約1キロ圏内では、直径数センチから50 – 60センチの大きさの噴石が、最大時速350 – 720キロで雨のように降り注いだと見られている。
これらの直撃を受ければ致命傷となり、近くに落ちて跳ね返ってきたり飛び散ったりしたものを受けても重傷となる可能性がある。
中には1立方メートルから軽トラック大のものも報告されており、被災者が挟まれた形で発見された例も多い。
頂上付近は森林限界のため身を隠すような樹木はなく、避難場所となる小屋や御嶽神社の社務所などに逃げ込む前に多くの人が死傷した。
金子助教授によれば、「火口から約500メートルの範囲では4メートル四方に10個以上の噴石が集中落下しており、これだけ激しいとヘルメットがあっても防ぎきれなかったかもしれない」としている。
さらに、負傷してその場から動けず衰弱したり、意識を失っている間に高温となった火山灰を吸い込み、呼吸困難による窒息を起こした可能性がある。
また一部の救助者は気道を熱傷していた。
「2014年の御嶽山噴火」Wikipediaより引用
知らない子たちに伝える「節目の日」
私たち大人は「火砕流」や「噴石」の恐ろしさを知っていますが、当時を知らない子どもたちはほぼ知りません。
だからこそ、今日6月3日は、火山の恐ろしさを伝える「節目の日」だと思います。
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