母や父以外で、忘れてはならない人&もへちゃんの生徒会指導論

2021/06/23

はじめに

もへちゃん
もへちゃん
  • 先週木曜(2021/06/17)と今週月曜(2021/06/21)は「母への思い」
  • 今週火曜(2021/06/22)は「父の思い」

 それぞれを書いた通信を紹介しました。

 今回は、母や父以外で、あなたのことを思ってくれてる人について書いた通信

2010年11月5日発行の「3年7組学級記録 No.79」を紹介します。

友達

記録99

 今日は、理科と数学が返ってきた。

 そんで理科が◯◯点、数学が◯◯点

 まだまだやな~。

 んで、なんかちょいと自慢なんやけど、作文が選ばれてしまいました。

 自分では何を書いたか…わかりません。

YSさんの班ノートより引用

 YSさんの作文の題は「気づこう、築こう、語り合おう」だった。

 本人も忘れたという、気になる内容を紹介しよう。

作文「気づこう、築こう、語り合おう」

気づこう、築こう、語り合おう

 僕は「友達」ということについて語ろうと思います。

 なぜこのことについて語ろうと思ったか。

 それは今、学校が超絶楽しいからです。

 ある日、僕は学校にいました。

 そして、何かについて話し合っていました。

 僕が提案していました。

 僕は、その提案を1人でガンガンと決めていました。

 これはいけません。

 けれど、その時は気づいてませんでした。

 後日、再びその話をすることになり、そこでやっと気づきました。

「あっ、みんなの意見を聞いてない。オレはうっかり者だ」

 そのことに気づいた僕は、早速実行に移しました。

「みんなー、このことについて知恵を貸してー」

 すると、みんなはしっかり者で、僕の考えもしなかったことを言ってくれました。

 その時に「みんなの力はすごい」と思いました。

 1人ひとり個性があり、その個性を活かして生きてます。

 その大切な、とても楽しい学校の友達。

 僕は大事にしていこうと思いました。

 僕は今のクラスが大好きです。

 ここで話は変わります。

 もし、こんな質問をされたらどうしますか。

「今、学校で一番楽しいものは?」

 僕は迷わずこう言います。

「学校で楽しいもの、それはもちろん友達」

 友達がいると、いつまでも明るく楽しくいられると思うからです。

 そして、僕が一番嫌いなもの、

 それは「いじめ・仲間はずし」です。

 僕はそういうことが見てられません。

 それをする人は、どういう気持ちでやっているのか、気になります。

 仲間はずれになっている人には、なるべく僕は絡むようにしています。

 そうやって僕は友達関係を築いています。

 そして3つめは「コミュニケーションが大事」というとです。

 生きていく中で、話す力はとても大事だと思います。

 だから僕は、学校を「話す力を鍛える所」だと思っています。

 だから僕は、男でも女の子でも積極的に話しかけています。

 僕は、学校が大好きです。

 君の人生に1度っきりの中3時代。

 君はどう過ごしているだろうか?

 充実した日々を送っているだろうか?

 君の隣に座ってる級友はどうだろうか?

 暗い表情をしていないだろうか?

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

 作文の題名の「気づこう、築こう、語り合おう」は、この年の生徒会スローガンです。

もへちゃんの生徒会指導

 ありがたいことに、もへちゃんは、長く生徒会指導を担当させてもらいました。

 もへちゃんは、生徒会指導する際、「生徒会役員改選改選(11月頃)~生徒会スローガン作成(12月末)」までの約2ヶ月弱に、1年間に注ぐ力の半分くらいを注いで、子どもたちとともに新生徒会スローガンを作ってきました。

 「気づこう、築こう、語り合おう」も、そんなスローガンの1つです。

生徒会スローガンの作り方

 生徒会役員に当選する子たちは、かしこい子が多いので、さらっときれいな言葉・素敵な言葉を作ったスローガンを作り出せます。

 けれど、もへちゃんはそんな「きれいごと」を決して認めませんでした。

①現状を出し合う

 まずすべきは、現状を出し合うことです。

 先生たちが知らない子どもたちの間のドロドロした感情。

 生徒会役員には、それらをすべて出すことを求めました。

 「荒れ」た学校に勤めた時の生徒会合宿で、ある生徒会役員の子は

 ◯◯ちゃんが、男子にゴミ箱をかぶせられたのに、私は、私は、何もできんかったです…

と泣きながら、他の役員たちに話しました。

 この作業はとてもとても辛いです。

 2時間~4時間ほどかかります。

②理想の学校像

 役員全員で出し合った「①学校の現状」を元に、どんな学校を目指すのかを考えさせます。

もへちゃん
もへちゃん

 実現可能か不可能かなんか考えなくていい。

 とにかく「こんな学校になったらいい」ってのを、数多く出そう!

 現状を出し合うのは辛い作業でしたが、今度は一転してとても楽しくて前向きな時間です。

 1~2時間ほどかかります。

③生徒会スローガンを作る

もへちゃん
もへちゃん

 「現状」から「理想」になっていくための手立てをスローガンにするか

もへちゃん
もへちゃん

 理想そのものをスローガンにするか

もへちゃん
もへちゃん

 どっちでもいいけど、おぼえやすくて、ちゃんと意味が伝わる言葉で、20年経っても30年経ってもおぼえてるようなスローガンを作ろう!

 これで2~4時間かかります。

のべ8時間でも足りない

 冬休みに行っていた生徒会役員合宿(少年の家的なところ)で、もへちゃんが勤める中学校は、1泊2日の間の「活動」の時間の全てが話し合いでした。

 たまたま同じ時期に生徒会合宿が重なったお隣の町の中学校は、2時間話し合いをした後、次の2時間は「関係を深めるためのレク」をされていました。

 一方、もへちゃんの勤める学校は、のべ8時間話し合っても足りず、学校に戻ってもさらに話し合ったりしてました。

 その年、ずーっと籠もりっきりのうちの中学校が気になったのか、お隣の中学校の先生が

 どんなこと、話し合ってるんですか?

 

と聞いてこられました。

もへちゃん
もへちゃん

 えっ?

 学校の現状を話して、理想の学校像を考えて、スローガンを決めてるんですが…

 ちゃんと答えたつもりでしたが、納得はしてもらえませんでした。

素敵な言葉・きれいな言葉

 8時間以上考えた結果、絞り出した生徒会スローガンは、いわゆる「素敵な言葉・きれい言葉」になります。

 けれど、これでいいのです。

 どうしてこの言葉になったのか、生徒会役員は熱を込めて話すことができるからです。

 次は、生徒全員にこの「生徒会スローガン」をわかってもらう作業が始まるわけです。

 そして1年かけて、生徒会スローガンを達成させるために、委員会活動・行事等の内容を立案し、実行していくのです。

母や父以外で忘れてはならない人

 通信で取り上げた作文「気づこう、築こう、語り合おう」をかいたYSさんは、生徒会役員ではありません。

 けれど彼は、この年の生徒会役員が大事にしたスローガン「気づこう、築こう、語り合おう」を実践している1人でした。

 彼が書いた作文に、すでにそのことが書かれているともへちゃんは思います。

 彼はとても優しい子でした。

 きつい思いをしてる友に積極的よりそう姿勢を持っているからこそ、まわりの子も彼といると安心できました。

もへちゃん
もへちゃん

 あなたのことを思ってくれている人、それは彼のような「友」ですね。

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