人権学習「Stop The 就職差別」2時間目「面接における差別質問」

2020/11/02

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 もへちゃんが勤務する地域の中学校の多くが、中3の10月31日前後にとりくむ節目の人権学習で、就職差別について勉強します。

  • 子どもの中には、進学せず社会に出る子もいます
  • 進学した子でも、高校によっては、人権学習にとりくまない学校もあります

 だからこそ、義務教育で就職差別について学ぶことが必要なのです。

 今回は学級通信・学年通信の紹介ではなく、授業「Stop The 就職差別」の2時間目の動画「Aさん、Bさんの面接」のシナリオを紹介します。

動画「『面接官の差別質問に気づかず面接を終えていくAさん』と『差別質問に気づき、戸惑いながらも面接を終えるBさん』」

Aさんの場合

イラストACからのイラスト

(ノックの音)

面接官

 どうぞ。

Aさん

 失礼します。

 よろしくお願いします。

面接官

 どうぞおすわりくたさい。

Aさん

 失礼します。

面接官

 受験番号と名前を教えてください。

Aさん

 はい、受験番号53番、鈴木一郎です。

面接官

 住所と電話番号を教えてください。

Aさん

 はい、住所は◯◯◯市◯◯◯◯3丁目11番1号です。

 電話番号は092 ◯◯◯の◯◯◯◯です

面接官

 そうですか。

 本籍地も同じ所ですか?

Aさん(途中から優越感が前面に出る)

 はい、家が代々この場所で自営業をしてまして、私もそこで生まれました。

 家族もみんなこの家に住んで…、

 あっ、すいません、聞かれてないことまで答えてしまいました。

 失礼しました。

面接官(ニヤニヤしながら、もみ手している

 そうですか、家族仲がいいんですね。

 ところでご両親は健在ですか。

Aさん

 はい、ともに元気です

面接官

 お父様の年収はおいくらぐらいですか?

Aさん

 はい、決まってないみたいなんですが、2000万くらいですかね。

面接官(身を乗り出す)

 おおっ、じゃあ家は当然持ち家ですよね?

Aさん

 はい、3代続いた持ち家です。

面接官

 では、我が社を希望された動機を教えてください。

Aさん

 はい、子どもの頃から◯中交通のバスに乗る機会が多く親近感が強いことや、おじの王貞治が御社のアプリケーション開発エンジニアとしてお世話になっていること、また持続的に努められる仕事だと思い、希望致しました。

面接官(目を輝かせながらメモを取る)

 王部長の甥御おいごさんなんですね。

Aさん

 おじがお世話になっております。

面接官(いっそうニヤニヤ&もみ手)

 いえいえ、そうですか、貞治部長の…。

 では、お持ちの資格を教えてください。 

Aさん

 はい、2級自動車整備士、自動車電気装置整備士、危険物取り扱い責任者をはじめ、履歴書に書いてあるとおり6つの資格を取得しております。

面接官(さらに媚びる様子で)

 たくさんお持ちですね、頼もしいです。

 では、最後に入社して頑張りたいことを教えてください。

Aさん

 はい、どのような仕事でも、与えていただいた仕事に誇りを持って頑張りたいと思っています。

 よろしくお願いします。

面接官

 あなたの希望されている整備課に、配属されないかもしれませんよ。

Aさん

 はい、大丈夫です。

面接官(さらに媚びる様子)

 頼もしい。

 将来を大いに期待しています。

 ではこれで終わります。

Aさん

 ありがとうございました。

Bさんの場合

(ノックの音)

面接官

 どうぞ。

Bさん

 失礼します。

 よろしくお願いします。

面接官

 どうぞおすわりくたさい。

Bさん

 失礼します。

面接官

 受験番号と名前を教えてください。

Bさん

 はい、受験番号78番、工藤公康です。

面接官

 住所と電話番号を教えてください。 

Bさん

 はい、住所は◯◯◯市◯◯◯◯3丁目11番1号です。

 電話番号は092 ◯◯◯の◯◯◯◯です。

面接官

 そうですか。

 本籍地も同じ所ですか?

Bさん(声が小さくなる)

 現住所は連絡に使われると思うのでわかるのですが、本籍地も必要ですか?

面接官

 まぁ全員に聞いていることですからねぇ

Bさん(声は小さいまま)

 そうですか…

 はい、本籍地も同じです。

面接官

 では、ご両親はご健在ですか。

Bさん(普通の声)

 え? ええ元気です。 

面接官

 お父様のお仕事と年収をお答えください。

Bさん(声が小さくなる)

 えっ、父の仕事と私の就職が関係あるのですか。 

面接官(いぶかしがる)

 これも全員に聞いていることですからねぇ。

イラストACからのイラスト

Bさん(ますます声が小さくなる)

 はぁ、父は自営業で平均年収は300万円程度です。

面接官(疑うような表情で)

 家は持ち家ですよね?

Bさん(あきらめ感)

 はい…そうです。 

面接官

 では、我が社を希望された動機を教えてください。

Bさん(元気よく答える)

 はい、わたくしは子どもの頃から◯中交通のバスに乗る機会が多く、親近感が強いことや、父の仕事の関係で自動車整備に興味を持っており御社を希望致しました。

面接官(意地悪そうに)

 おや、おうちの方も自動車整備をされているんですね。 

Bさん(声が小さくなる)

 はい

面接官(意地悪そうに)

 おうちを継がれればいいんじゃないですか。

Bさん(声、小さいまま)

 はぁ、父は自分の代で工場はやめると申しておりますので。 

面接官

 そうですか、ではお持ちの資格を教えてください。

Bさん(声、小さいまま)

 はい、2級自動車整備士、自動車電気装置整備士、危険物取り扱い責任者をはじめ、履歴書に書いてあるとおり6つの資格を取得しております。 

面接官

 そうですか。

 では最後に、入社して頑張りたいことを教えてください。

Bさん(声、小さいまま)

 はい、希望する整備科で仕事に誇りを持って頑張りたいと思っております。 

面接官

 あなたの希望する整備科には、配属されないかもしれませんよ。

Bさん(声、小さいまま)

 どの課でも頑張るつもりでおりますが、資格を活かし、希望した整備科で是非頑張りたいと思います。

面接官

 わかりました。

 これで終わります。 

Bさん(声、小さいまま)

 ありがとうございました。

学習プリント

本日のめあて

 会社の面接試験による問題点を見つけ、自分だったらどうするかを考えよう。

問 次の4つの質問のうち、どれか1つを深く話し合い、連名で板書しよう。

① 差別選別の場面はどの場面だろうか?
② そのときの受験者の様子はどうだっただろうか?
③ 受験者によって違いが生じるのはどうしてだろうか?
④ おかしいと思う質問に気づいたとき、あなたはどう対応する?

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

『学び合い』の考え方でおこなう人権学習

 どれか1つを深く話し合い、連名で板書しよう

とプリントにあるので、子どもたちは自由に席を立ち、①~④のどれか1つを友だちと話し合います。

 時々見かける、静かで、当てられた子だけが発表する道徳の授業とは対極の授業です。

 もへちゃんは、こんな道徳の授業を「血湧き肉躍る道徳」と呼んでいます。

 もへちゃんが『学び合い』の考え方で数学の授業をしてるクラスであれば、よりスムーズに話し合えます。

 Find!アクティブラーナーで、もへちゃんが中2生に対して行っている「血湧き肉躍る人権学習」の様子を垣間見ることができます ↓

ダイジェスト [42秒] | ウェブで授業研究 Find!アクティブラーナー
福岡県那珂川北中学校の1人も置いてけぼりが出ない数学授業福岡県の那珂川町立那珂川北中学校かわのとしお先生の数学授業は、一人も置いてけぼりをつくらない授業。生徒間の理解度の差が起きやすい数学を通じて、かわの先生が生徒たちに教えているのは「情けは人の為ならず」の精神!?どのような『学び合い』授業なのか、お話をお伺いしました...

 『学び合い』の考え方で授業を受けているクラスでは、ふだんから

もへちゃん
もへちゃん

 誰1人見捨てるなよ

と言いながら授業してるので、寡黙な子にも誰かが話しかけ、その子もウンウンと頷いて、話しがまとまった段階で、一緒に黒板のところに来て、板書するのをニコニコしてみています。

 と、ここまでは、子どもががんばる部分です。

明石家さんまさんのように

 これ以降は、授業者(先生)の腕の見せ所です!

 子どもたちが黒板に書いた意見を、先生が解説します。

 解説の時の進め方のイメージは、明石家さんまさんのテレビ番組!

 子どもたちの書いた意見を大げさに驚いたり、「深いなぁ~」とめちゃくちゃ褒めたり…

 しかも、ただほめるだけでなく、

もへちゃん
もへちゃん

 差別につながる質問をされた場合、自分にとって答えられる内容であっても、答えることで就職差別を残すことにつながる

ってことを解説の中に、ごく自然に入れたり、

もへちゃん
もへちゃん

 正しい対応の仕方が決まっているわけではないが、大切なのは疑問や不安を抱いたまま泣き寝入りすべきではない


ってことをおさえたり、

もへちゃん
もへちゃん

 「そのような質問は、就職差別につながる可能性があるので答えないように学校で指導されていますが、それでもお答えすべきでしょうか?」

と聞き直すとよい 

と具体的なアドバイスをしたり、

もへちゃん
もへちゃん

 上のように聞き直す自信がない人は、無理せずその場は答えて、直後に学校の先生や保護者、ハローワークに相談や報告をすることが、差別をなくすことにつながる

と安心させたりします。

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