2021/04/23
はじめに

前回に引き続き、「集団訓練・団体行動がめあての宿泊研修」を「子どもたちの心を揺さぶるドラマティックな宿泊研修」に、どうやって変革したかについて報告します。
校長先生から言われたのは「集団訓練」、「団体行動」、「校歌の暗記」の3点でした。
「集団訓練」と「団体行動」については、前回のブログの「おわりに」で書きました。
そこで今回は、命じられた「校歌の暗記」について、どうとりくんだかがわかる学級通信「1年1組学級記録 No.4」(2008年4月30日発行)を紹介します。
ドラマティック ふれあい教室 ~絶叫校歌編~
記録5
宿泊研修が楽しかったです。
校歌をおぼえるのは、大変でした。
ASさんの生活ノート(連絡帳みたいなノート)より引用
今まで2回(入学式、対面式)しか聞いたことがない◯中の校歌を

たった20分間でおぼえろ!
と、僕は1年生全員に要求した。
その20分間の、なんとエネルギッシュだったこと!!
先生達は誰1人

こら~
まじめに歌え~
とか

大声、出さんか~
と、言ってはいない。
にもかかわらず、君たちは声が枯れるほど練習をした。
その結果、1の1は、
1回目95.1db
2回目99.7db
惜しくもNo.1の座は逃したが、君たちは腹の底から声を出した。
記録6
今日はふれあい教室でした。
そこで、大縄「No.1」!
1の1の目標というか…獲りました。
大声では、負けてしまったけど、うれしかったです(^^)
RNさんのふれあい教室のしおりの日記より引用
生まれて初めて、腹の底から大声を出した
とってもおとなしいHちゃんって子がいた。
彼女は、進学した高校の野球部が甲子園に行くことになって、全校生徒で応援に行った。
- 同級生が闘う姿
- 応援団の盛り上がり
- 勝ち進む喜び
- …
そんな状況の中で、Hちゃんは生まれて初めて、腹の底から大声を出して応援をした。

甲子園から帰ってきて、Hちゃんは

楽しかった~。
大声出して、とても気持ちよかった~(^^)
と話してくれた。
引っ込み思案で、どこか自信無さそうだった彼女は、それから少しずつ変わっていった。
自分の夢をかなえるため、バリバリ勉強しはじめた。
今は念願の大学で、夢をかなえる寸前だ。
どんどん失敗しよう
強い心と積極性を身に付けたいのなら、限界ギリギリまで声を出す機会を持つといい。
ホークスやオリックスを応援するのもいい。
カラオケで、腹から声を出すのもいい。
部活で、先輩を大声で応援するのもいい。
失敗を恐れたり、恥をかかないようにと思っていると、身体や心が縮こまっていく。
どんどん、失敗しよう。
どんどん、苦しいことや、嫌なことに立ち向かおう。
どんなときも、大きな声で、胸を張ろう。
苦しいことを乗り越えていく度に、人間として成長し、強くなっていけるんだ。
そうすれば、自分を強く信じる心(自信)が生まれる。
強い心と積極性は、君の人生にとって武器になり得る。
あの日、腹の底から声を出せた自分
僕も声はでかい。
君も、あの日の「腹の底から声を出せた自分」を、もっともっと成長させろ!
おわりに

校歌大声コンクール
もうおわかりだと思いますが、「校歌を暗記させろ」って命令を、もへちゃんは「校歌大声コンクール」にしちゃいました(^^)
市役所の環境課に行き、騒音測定器を借り、宿泊研修に持ち込んだわけです。
借りたのは、こんなの ↓ です。
さらに、ポータブルのCDラジカセ(今時の若い人は「ラジカセ」なんてわからないかな?ラジオ+カセットテープ=ラジカセです。こんなの ↓ です)
を7台持って行きました。
宿泊研修に行く前に、宿泊場所を下見に行った際、「7台のCDラジカセを使うには、どうしたらいいか」という視点でチェックしてたのは、言うまでもありません。
歌詞は、「ふれあい教室のしおり」に載せてました。
プレイホール(小ぶりの体育館)の中で7箇所に分かれ、それぞれのクラスが校歌の練習を20分間。
そりゃあもう大騒音です(笑)
学校あるある
「学校あるある」の1つに、
- 全校集会等で校歌を歌う際、「声、出せ~」って先生が怒鳴る
ってのがありそうです。
少なくとも、もへちゃんが勤めた学校の多くはそうでした。
もへちゃんは、そのことにずっと違和感を感じていました。
だって、もへちゃん自身の中学時代、「第2校歌」ってのがあって、素敵な歌詞で、大好きだったからです。

♩イチョウ並木を通るとき
いつもあの日を思い出す♫
解放させてあげられなかったHちゃん
さて、卒業生のHちゃんとの話は、もへちゃんにとっても驚きでした。
話ながら

「解放される」って、こんなことなんだろうなぁ
と感じました。
と同時に、

中学時代のHちゃんに、「解放される」体験をさせてあげられなかったなぁ…(>_<)
と反省しました。
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