2021/04/22
はじめに

ある中学校に異動し、中1生の担任になったもへちゃん。
その学校では、入学し1ヶ月も経たないうちに、中1生は宿泊研修に行きます。
生徒会担当になったもへちゃんは、校長先生から呼ばれ

3週間ほどで体育会(運動会のこと)があります。
「規律」や「集団訓練」、「校歌を歌えるようになる」ために、この時期に中1生を宿泊研修につれていってます。
大まかな計画は昨年度、作ってますので、細案を作って学年に提案してください。
と言われました。
元々、この学校の生徒会はすごく活発で有名で、もへちゃんは「憧れ」に近い感情を持っていました。
しかし、もへちゃんが異動する数年前から、「◯◯◯中の生徒会活動が形骸化している」という情報がもへちゃんに届いていました。
異動してみると…
もへちゃんが憧れていた当時の生徒会活動は、ほとんど伝承されてませんでした。
校長先生の言葉の中に見え隠れする「管理」…
もへちゃんは、いわゆる「荒れ」た学校を、生徒会活動(自治的活動)で建て直した経験を持ってましたので、早速、中1生の宿泊研修から改革をスタートさせました。
規律・集団訓練・校歌暗記のための宿泊研修を、どう改革したのでしょうか?
そのことが垣間見られる学級通信「1年1組学級記録 No.3」(2008年4月25日発行)を紹介します。
ドラマティック・ふれあい教室~長縄飛び編~
記録2
宿泊研で、いろんな思いでをつくることができました。
とっても楽しかったです。
明日もがんばろう。
Kyさんの生活ノート(連絡帳みたいなノート)より引用
4月20日(日)~4月21日(月)、夜須高原青少年自然の家でのふれあい教室は、ふりかえってみると、とてもドラマティックな2日間だった。
記録3
4/20(日)、記念の森で、クラス対抗長縄跳び大会がありました。
練習は失敗だらけで、あまり良くなかったけど、本番になり、みんなが少しずつまとまっていって、1回、2回と跳べるようになりました。
ほかのクラスが「5回」を出したけど、1組が協力し、集中してやったおかげで「7回」も跳ぶことができました。
その時、僕は「優勝できる」と思いました。
その後、結果発表がありました。
ドキドキしました。
優勝できました。
協力して、楽しかった
Kuさんの班ノートより引用
「協」という字は、「力」「力」「力」を「+」って意味がある
あの瞬間、君たちは心を重ねることができた。
そして、それを

楽しいっ!
と感じることができた。

そうなんだ!
力を合わせて難関をクリアーした時の「喜び」って、すご~くでかいんだ!!!


みんなの

せ~のが
さんはいっ!
ってかけ声、よかったぞ
記録4
昨日と今日、宿泊研修に行きました。
そこで☆1番☆心に残っていることを書きます。
1つは、大縄跳びで☆優勝☆したことです。
最初はバラバラで1回も跳べなかったのに、みんなで工夫したりして協力することで、最高の7回という数字が出ました。
その時はとてもうれしかったです。
2つ目は、みんなの距離が縮まったことです。
出発する時は、あまりまとまっていなかったけど、宿泊研修の終わりには、みんな誰とでも話せるようになっていました。
宿泊研修には、きついこともあったけど、 “ 協力して仲良くなる ” ということにすべてつながっているんだなぁと思いました。
Knさんのふれあい教室のしおりの日記より引用
ドラマティックなことは「長縄跳び」だけではなかった。
次号、「ドラマティック ふれあい教室~絶叫・校歌編~」をお楽しみに!
おわりに

規律・集団訓練・校歌暗記を求められた宿泊研修。
ちゃんと規律と集団訓練の時間も設けましたよ。
学校の授業の1コマ分の50分だけね(^^)
そりゃあ管理職から言われたことは、ちゃんと実行しなきゃ(笑)
そして残りの時間を「子どもたちの心を揺さぶるドラマティックな宿泊研修」という目標を達成するため、中身を工夫しました。
125万円かけて行う宿泊研修
だって1人5000円の予算で250人が宿泊研修に行くとしたら、
5000円✕250人=125万円

125万円かけて行く宿泊研修なんだから、125万円分、仲間と繋がれる宿泊研修じゃなきゃ!!
この言葉は、宿泊研修に行く前から子どもたちにも話しました。
ただ
- 行かされる
- 連れて行かれる
そんな宿泊研修ではなく、
子どもたち1人ひとりが
- 「仲間と繋がる大きな機会」という意識を持って
- 自ら考え、行動する
そんな宿泊研修に、少しでも近づけたかったからです。
では次回、「『校歌を暗記させろ』という注文を、もへちゃんはどう料理したのか?」について報告したいと思いますm(_ _)m
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