2020/12/10
はじめに

今日(12/10)は、人権週間最終日です。
そこで下級生が、市の人権まつりで市民に対して反戦・反差別の訴えを見事にやってのけたことを、受験勉強真っ只中のため、人権まつりに参加できなかった中3生に伝えた「◯◯◯中学校3学年だよりミニ No.165」(2018年2月26日発行)を紹介します。
人権まつり◯◯◯◯2019
2月24日(土)に行われた人権まつり◯◯◯◯2019に行ってきました。
前日

行きたいなぁ
と言ってくれた人もいましたが

受験生はダメ!
勉強せな!!
とお断りしましたので、紙面にて報告します。
人KENまもるくん、人KENあゆみちゃん
まずびっくりしたのは、バザー会場で、人KEN(人権)まもるくん、人KEN(人権)あゆみちゃんを見つけたことです。

人KENまもるくんと人KENあゆみちゃんは、学年だよりミニ158号、162号で紹介した漫画家 やなせたかしさんデザインによるキャラクターです。
2人とも、前髪が「人」の文字で、胸に「KEN」の文字が入っています。

◯◯◯市の人権まつりに現れるとは!!!
あっ、でも中には◯◯◯市内の女子中学生が入っていると、知り合いの市役所の人から聞いてしまいました(^^)

◯中生だったのかなぁ(笑)
朗読劇「母と子の写真集2019」
午後12時45分、ステージで朗読劇「母と子の写真集2019」が始まりました。
◯中の人権学習「母と子の写真集」の授業参観に、たくさんのお客さんがやってきたという設定です。
担任は、金八先生によく似た◯八先生(◯中の八田、略して◯八先生)。
1年担任の◯◯先生が熱演されました(^^)

「THE LIFE」という写真情報誌から、「母と子」の写真を見せながら授業は進みます。
1枚目は、次の写真。

THE LIFEの解説は「あなたはだあれ・子どものためのお庭のパーティで、よちよち歩きの女の子がでくわしたのが、おばあさんのお人形。初めて見るお人形のせいか、不思議そうに見つめている。」
2枚目、3枚目と微笑ましい写真が続きます。


やがて次のような写真が出て来ました。

この写真には子どもも母も写っていません。
けれど子どもの写真です。
壁に貼られた紙にはこう書かれています。
「娘、身売りの場合は、当相談所へおいでください。」
昭和の初め、日本は大飢饉があり、農村の娘たちは売られていったのです。
そして世界各国が経済状態を立て直そうと戦争を始めました。
日本もその1つでした。
「母と子の写真集」シナリオより引用
次の写真は、前号の学年だよりミニ(164号)で紹介した谷口稜曄さんが、長崎で原爆を受けた後の写真です。

私たちは、つらい写真や絵があれば目をそむけることができます。
無かったことにすることができます。
けれど74年前、これは現実でした。
目をつぶっても、目をそむけても目の前の現実を変えることは、できませんでした。
今、私たちが見ている写真も、戦争が起これば逃げたくても逃げられない現実になるのです。
「母と子の写真集」シナリオより引用
劇の最後に、実行委員長の◯◯さん(2年生)が


僕は『戦争で犠牲になるのは弱い立場の人間である』ということを、この朗読劇にとりくんで、確かにそうだなぁと感じました。
今は戦争はあってませんが、いじめや差別でも弱い立場の人間が犠牲になります。
命を失う事件を見たり聞いたりします。
テレビで戦争で我が子を失ったお母さんが『悲しみは74年経っても癒えることはない』と話されていました。
イジメや差別で我が子を失った母の悲しみも同じだと思います。
だから僕たちは、戦争に反対し、差別、いじめにも反対します。
今後も僕たち◯◯◯中学校はがんばります。
応援よろしくお願いします。
と挨拶しました。
受験直前ということもあり、朗読劇に関わった3年生は、◯◯さん1人しかいなかったのが残念でしたが、後輩たちも見事に育っているようです(^^)
劇終了後は、バザー会場等で核兵器廃絶署名にもとりくみました。

まだ集計していませんが、かなりたくさんの方が協力してくれました。
校内での署名の結果は、196筆だったので目標の300筆にいってたらいいな~。
そうそう、ケーブルステーション福岡に取材されました。
卒業まであと11日。
見せてあげられるといいな~
おわりに

2015年12月
このブログの愛読者の方なら

あれ?
「母と子の写真集」という言葉を聞いたことがある。
と思われたかもしれません。
2015年の人権週間で、朗読劇「母と子の写真集」を、町の人権フェスタで上演しようと子どもたちとともに頑張っていました。
すると、人権フェスタ5日前、突然、上演中止を言い渡されました。

様々な年齢層の方々が見に来る人権フェスタで『赤い背中の少年』等の写真は、不適切なので、上演をやめてほしい。
というのが、上演中止を言い渡しに来た方々の言い分でした。
校長が

その写真を差し替えればいいんじゃないですか?
と反論してくれたのですが、言い渡しに来た方々は

上演中止です。
の一点張り。
たぶんその方々は、上の人から言われて来ただけで、判断する権限は持ってなかったのだと思います。
このことは、全国版の新聞で報道され、その日のYahoo!ニュースの1位になったので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
2016年12月
それから1年後の人権フェスタで、写真を差し替えた朗読劇「母と子の写真集」は上演できました。
「上演中止→1年後の上演」を知った女優の吉永小百合さんから色紙をいただいたことは、以前ブログで紹介しました。
2019年2月
数年後、職場を異動し、次の中学校でも、市の人権まつりに子どもたちと参加し、朗読劇を上演することにしました。
以前、差し替えさせられた写真を、元に戻したシナリオ「母と子の写真集 完全版」で!
受け入れてもらえるのかドキドキしましたが、何の問題も無く上演にこぎつけました。
- 一方の町では「上演 ✕ 」
- 一方の市では「上演 ◯ 」
自治体にも人権感覚の「深い・浅い」があるってことを学びました。

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