教科書無償運動を学ぶ…朗読劇シナリオ後編(紫雲丸事件〜奨学金制度改善)

2020/05/29

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 私の住む福岡では、新型コロナウイルス感染症の第2波っぽいです。

 予想されたことですが…

 9月くらいからかなぁなんて思ってたのに…

 今のところ北九州市が対応し始めました。

 うちはどうなっていくのかなぁ。

 やるべきことが目白押しなので、せめて学級通信で子どもたちの心に訴えるような記事を書きたいですね。

 では、前回のつづき…教科書無償運動の朗読劇「〇〇〇〇」シナリオ後編をお送りします。

朗読劇「〇〇〇〇」(教科書無償)シナリオ 後編

 前回からのつづきです。

 前回って何のこと?って方は、まずこちら ↓ へ。

1955年紫雲丸事件

生徒C

 先生、教えてください。

先生

 では次の資料を読んでください。

生徒D

 四国へは、今は瀬戸大橋で渡れますが、以前は連絡船しか渡る方法はありませんでした。
 教科書無償の闘いの5年前、1955年5月11日、高松を出港した紫雲丸が、濃い霧のため高松市女木島(めぎじま)付近で、別の連絡船と衝突しました。
わずか4分で沈没し、168人の乗客が亡くなるという大事故になりました。

紫雲丸の事故を報道する四国新聞 1955年

 沈没した紫雲丸には、京都や奈良方面へ向かう高知県の南海中学校の生徒117人が修学旅行のため乗っていました。
 28人の中学生が亡くなりました。そのうち16人が被差別部落の子どもたちでした。

沈没した紫雲丸 Wikipediaより引用

生徒E

 この悲しい事件は、手をあげ必死に救いを求める多くの子どもたちの生(なま)々(なま)しい写真とともに、人々に大きな衝撃を与えました。

(生々しい画像ですので、「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」に掲載します)

生徒F

 なぜ被差別部落の子どもたちに多くの犠牲者が出たのでしょうか。

 間(生徒Aは心の中で3秒数える)

生徒A

 おうちの人はわが子のために、借金して修学旅行に参加させてやりました。

生徒B

 カバンなども親戚や知りあいからの借り物が多く、「絶対なくしたらいかんぜよ」
と言われてました。

生徒C

 このような中で衝突事故が起こりました。

生徒D

「甲板(かんぱん)から船室へカバンなどを取りに戻ったため犠牲が多かったのではないか」と助かった人は証言しています。

生徒E

 義務教育最後の、友達との思い出を作らせてやりたいと修学旅行へ参加させたおうちの人の願いや思い。

生徒F

 借りた物を返さなければならないと思った子どもたちの心。

生徒A

 子を思う優しい心と、借りたものを返さなきゃと思った子どもの優しい心が、犠牲を大きくしたのです。

生徒B

 子を亡くした親たちは、夢ならばどれほどいいだろうと、何年も何年も悲しみました。

              (Lemon かかる)

米津玄師 MV「Lemon」

夢ならばどれほどよかったでしょう

未だにあなたのことを夢にみる

Lemon 作詞・作曲 米津玄師

      

生徒C

 けれど子ども達は帰ってません。悲しみは癒えることがありませんでした。

生徒

 5年後、この悲しみは、「差別による貧しさ」が原因だと気づいた長浜の母親たちが立ち上がりました。

1960年教科書無償運動

生徒E

 差別と貧しさからの抜け出すために、子どもたちに満足な教育を受けさせてやりたい。

生徒F

 これが教科書無償運動です。

生徒A

 だからこのムラから始まったのです。

生徒B

 そして「すべての子どもたちに学ぶ権利を」という運動として全国に広がったのです。

生徒C

 その結果が今の私たちの教科書がただの理由です。

先生

 ちょっと待ったぁ

生徒D

 ええっ、また

先生

 では、過去から現在にお話を戻しましょう。

        (タイムトラベルの音楽)

2020年は?

先生

 教科書無償の闘いから60年経った今、経済的な理由で勉強をあきらめなくてよくなっているでしょうか?

 数年前の中学生が書いた次の文を読んでみてください。

生徒E

 私、どうしてもA高校に行きたかったのです。そのために自分なりに頑張ってきました。

 でもA高校は、私の家から通学するためには、バスを利用しなければ行けませんでした。

 私の家庭は、決して豊かな方ではありませんでした。

 だから、そこまで親に負担はかけられない、自宅から通学できる範囲の高校を選ぶしかない…とあきらめていました。

写真ACからの写真

生徒F

 そんなある日、私の気持ちを察してくれた先生が「これ申し込んでみないか。」と言って、奨学金のパンフレットと申込書をそっと手渡してくれました。

 私は、さっそく申し込みをさせてもらいました。

 そして、受け取る奨学金は、高校への交通費にあてさせてもらいました。

 将来の夢をあきらめかけていた私に、奨学金制度のことを教えてくれた中学時代の先生に心から感謝しています。

生徒A

 以前の奨学金は、通知表の成績がよくないと受け取れませんでした。

生徒B

 借りていた奨学金を将来、返せなくなったときのための保証人を、たくさん見つけなければなりませんでした。

生徒C

 だから奨学金を借りられるのはごく一部の人でした。

生徒D

 経済的な理由で進学をあきらめたり、希望する学校に行けないことはとても
残念なことであり、おうちの人にとっても身を切られるほどにつらいことです。

生徒E

 人の能力は、学歴だけで測ることはできませんが、現実には学歴による賃金の格差は存在し、図のような悪循環が起こってしまいます。

差別の悪循環

奨学金制度を改善→福岡県教育文化奨学財団奨学金

生徒F

 でも心配しないでください。教科書無償運動をすすめた、かつて部落差別で苦しんだ親たちが、福岡県の奨学金制度を、だれもが利用しやすいものに改善していきました。

生徒A

 福岡県人権・「同和」教育研究協議会のホームページの奨学金ハンドブックのページには次のように書かれています。

福岡県人権・同和教育研究協議会        のホームページ
子どもたちの自己実現を支える「大人たちのまなび」のホームページです。「〜学ぶことでつながりつながることでさらに学ぶ〜」

生徒B

 憲法、教育基本法、子どもの権利条約の理念に照らして、経済的な理由で進学・就学できない状況をつくってはなりません。

 子どもや家庭の状況は一人ひとり異なります。

 子どもや保護者にさまざまな奨学金制度に関する正確な情報を伝え、その子どもに最も適する制度の活用を図(はか)ることが必要です。

生徒C

 「教科書無償」や「奨学金制度」は、差別をなくし全ての子どもが平等に学べることを願った被差別部落の人々をはじめとする多くの人々の運動の結果勝ち取られたものです。

生徒D

 だから私たちが進路実現に向けて努力していくことが、多くの人の思いを大切にすることにつながります。

生徒E

 私(俺、僕、うち)はがんばります。

私はがんばります

生徒F

 俺(私、僕、うち)もがんばります。

うちも、がんばります

生徒A

 みんな一緒にがんばろーね

みんな、ガンバローね

生徒B

 これで朗読劇「○○○○(まるまるまるまる)」を終わります。
 みなさん最後まで一生懸命見ていただいて、ありがとうございました。

        (「手のひらをに太陽を」かかる)

(生徒Bのセリフの後、出演者みんなで「手のひらに太陽を」を音楽に合わせて歌う)

 ぼくらはみんな 生きている

 生きているから 歌うんだ

 ぼくらはみんな 生きている

 生きているから かなしいんだ

 (後略)

やなせたかし作詞・いずみたく作曲

生徒C

 姿勢 礼

みんなで

 ありがとうございました

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

 教科書を無償で配布するって、こんなたくさんの人々の想いや願いが込められていたのです。

 子どもたちは当然知りません。

 でも子どもたちが大きくなるまでのどこかで、ぜひ知らせたいと思います。

 それは「学校の先生」かも知れないし、「保護者」かもしれません。

竹山さんの言葉 

 2020年5月11日(月)のニュース番組『ABEMA Prime』では、新型コロナウイルスへの恐怖心によって偏見や差別が社会に蔓延することをとりあげました。

 インターネット上の言われなき誹謗中傷や、実際に差別を受けた方々の話を基に、「教育で差別は無くせるのか?」をテーマに議論したそうです。

 番組のMCの竹山さんは 

「人間という動物はどうしても自分が1番大事だから、生きている限り“差別”を生み出すと思うんですよね」

僕は福岡の小学校に行っていて。後で気付いたんだけど、そこは小学校3・4年生ぐらいから様々な同和教育があって色んなことを学んだんです。

 でも、上京して色んな友達と話してみると、被差別部落の問題さえ知らない人がいっぱい居たのでびっくりしたんです。

 僕は、差別意識を無くすのに、同和教育は良かったんじゃないかと思っているけど、それに対して『余計な教育してんじゃねえ』っていう反対する意見も今はあるので。

 ただ僕は子供時代の同和教育によって、大人になっても差別する人に『それは違う』とちゃんと言えるようになったと感じている。

 だから、もしこの差別問題を大人になった後で、知っていたらねじ曲がった形で捉えたような気がするから、個人的にはこの教育は必要だと思う」

ABEMA Primeより

 もへちゃんに人権学習を習った人は知っていると思いますが、授業の最後にいつも2つのことを行ってきました。

  • 大人なのに、君たちの世代にまで差別を残しててごめんなさいm(_ _)m
  • 次の時代に差別をなくすため、僕は君たちとともに闘います!

 そう言い続けた未来の1つが、カンニング竹山さんの言葉だと思って、とても嬉しかったです(^o^)

お知らせ

 さて「もへちゃん先生の学級通信」は平日に更新しています。

 よろしくお願いしますm(_ _)m

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