「新たな日常」でもとりくめる4行日記

2020/06/01

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 新型コロナウイルスと共存する日々がスタートしました。

 一方で北九州市では、小学校がクラスターとなり臨時休校になりました。

 これって日本中の学校でもあり得ることですよね(>_<)

 秋冬の第2波も予想されているらしいし、やはりオンライン授業の整備を急いだ方がいいと思います。

 何はともあれ、今やれることを、着々とすすめていくのみかな。

 2020年5月26日のこのブログで書いた「新たな日常でもとりくめる班ノート」

 けれど、学年で「連絡帳の充実」を決められてるから、班ノートのとりくみはなかなかできないって方もいらっしゃるでしょう。

 また子ども↔担任のやりとりの中で「寝た」「きつかった」だけの記録にがっかりすることもあるのではないですか?

 そんなあなたに、連絡帳の4行日記を充実させるような通信「〇〇〇中学校3学年だよりミニ No.55」(2018年7月4日発行)を紹介します。

4行に心を込めて

 あなたたちが毎日書く自学ノートには、4行ほどの日記欄があります。
 私は学級担任をしているとき、この4行を大事にしていました。
と言っても「野球をした。きつかった。」「◯◯さんと遊んだ。楽しかった。」それだけの人もいましたが…(^^;)

ネット世代だからこそ

 あなたたちはネット世代です。将来ほとんどの人が、仕事や私用でメールやSNS(ソーシャルネットワークサービス・「人同士のつながり」を電子化するサービス)を利用することでしょう。 
 ならば人と話す際に、目の前で話すのではなく、パソコンやスマホを通して話す機会が増えるに違いありません。
 だからこそ、文字数は少なめで、しかも心を伝えられるような文章を書けるようになる必要があるのです。
 生活ノートの4行日記はそのトレーニングにぴったりですね(^^)

短い言葉で想いを伝える俳句や短歌は、ネット世代にピッタリ

 さて、国語の授業で勉強する俳句や短歌は、5+7+5=17文字だけで相手に心を届けようとします。
 だから俳句や短歌を学ぶときには、真剣に勉強して欲しいと私は思います。

蝉しぐれ 子は担送車(たんそうしゃ)に 追ひつけず

蝉しぐれ 子は担送車(たんそうしゃ)に 追ひつけず

 「蝉しぐれ」の「しぐれ」は「時雨」と書きます。降ったりやんだりする小雨のことです。「蝉しぐれ」とは、多くのせみが雨のように鳴いている事を表現しています。
 「担送車」とは動けない怪我人や病人を運ぶ道具のことです。ストレッチャーとも言います。

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これがストレッチャー(写真ACより)

 この句は、結核という病気がひどくなり、京都の国立療養所へ緊急入院し、ストレッチャーで隔離病棟へ運ばれてゆくお母さんが、我が子の様子を詠んだ句です。
 この時、お母さん38歳、娘は5歳。

 運ばれていくストレッチャー。
 もう会えないと感じた幼い娘は「お母さん」と叫びながら追いかけようとしました。
 ストレッチャーを押す看護婦さんたちは、子どもを振り切るように急ぎ足となりました。
 子どもの足では追いつけるはずもありません。それにきっと、誰かがその子を止めようともしたでしょう。
 苦しい息でストレッチャーの上に乗せられ天井を見たままのお母さんにはどうしようもなかったのです。

 1947年に詠まれた句だから、この当時、エアコンなんかはありません。
 だから少しでも涼しくしようと、廊下の窓は開けていて、風と光とともに蝉たちの声がたっぷりと入ってきていたのでしょう。
 その風と光と蝉の声の氾濫の中で、娘の声もだんだん聞こえなくなりました(もしかしたら泣き声だったかもしれません)。

 足音も、娘の泣き声も、そして悲しみも遠ざかってしまった…

 お母さんは目をつぶったままで涙を流し、耳はただ、蝉しぐれだけを聴くしかなかった。

 お母さんは、この句を詠んだ直後から病気が悪化したため、医者から俳句を作ることを禁止されました。だから、この句がこのお母さん(俳人・石橋秀野(ひでの))の人生最後の句になりました。

石橋秀野 Wikipediaより引用

 そして、入院の2ヶ月後に亡くなりました。

たった17文字に想いは込められる

 たった17文字の中にこのお母さんの胸の張り裂けそうな悲しみが、詰め込まれています。
 僕たちは、こんなすごい文章は書けないかもしれません。
 けれど、生活ノート4行の中に、その日思ったことの中で、一番心が揺れたことを、読み手に伝わるように意識しながら書いてみませんか。

 先週末は中体連区大会がありました。
 喜びの涙、悲しみの涙を流した人もいたのではないでしょうか?
 昨日早朝、ワールドカップの、日本 対 ベルギーを見て、いろいろ感じた人もいるのではないでしょうか?
 今週末、また中体連区大会がある人もいるでしょう。

 私のクラスの卒業生の中には、中学時代の自学ノートを大切に持っている人がいます。そして、同窓会の時なんかに自学ノートの日記について、話に花が咲きます。
 私もすっかり忘れていることなんかが自学ノートの日記に書かれています。
 その子もすっかり忘れているのですが、話しているうちに記憶が鮮明になってくるんです。
「そうそう、そうやった。あの時、おまえは泣いたよなぁ。それを◯◯ちゃんがなぐさめて…」

 残念ながら僕たちの記憶は少しずつ少しずつ薄れていきます。けれど文字に残すことで、思い出すきっかけにもなるのです。
 自学ノートの日記はタイムカプセルの役も果たすわけです!

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

この話のネタ元は

 2016年2月29日、たまたま見ていた「関ジャム完全燃SHOW」という関ジャニ∞が司会をする音楽バラエティ番組で、ゲストのさだまさしさんが「蝉しぐれ 子は担送車(たんそうしゃ)に 追ひつけず」の句を話していたのにググッときたのが、この通信を書くきっかけになりました。

メールやラインの時代だからこそ

 さて、今の時代、メールやラインで傷つけ合うのは、子どもに限らず、大人たちでもあります。自分では傷つけるつもりではないのに、相手を傷つけてしまったり…。

 昔の手紙と違って、メールはその場で思ったことを瞬時に相手に伝えることができます。でも、相手の表情や言葉の抑揚を知ることができないので、変に誤解されたりします。

 だからこそ、これからの時代を生きる子どもたちも、そして私たちも、「表現力」がすごく大事なんだろうなぁって思います。

 芸能人が短歌を詠んで、先生がズバズバ修正する番組がうけるのも頷けます(^^)

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