2021/06/15
はじめに

前回紹介した「検便」ネタの通信に
今日、先生が学級記録にチェルノブイリのことを書いていた。
もう5年も経つなんて早いな~
2年3組学級記録 No.22」(1991年5月27日発行)より引用
という生徒の生活ノート(連絡帳みたいなノート)の記録を載せていました。
チェルノブイリ原子力発電所事故は、1986年4月26日に起こりました。
この年、もへちゃんは、先生2年目でした。

学級通信に書いてるかな~?
と1986年度の学級通信の原稿ファイルをパラパラとめくると…

やっぱり、ありました(^^)
そこで今回は、チェルノブイリ原子力発電所の事故について書いた通信「中央フリーウェイ No.2」(1986年5月2日発行)を紹介します。
原子力発電所事故
記録18
原発爆発 こわ~い!
すごいんですね、新聞見てこわくなっちゃった。
せっかくのゴールデンウィークの時に…。
3日間、外に出られん?
私って苦しみながら死ぬの、いやなんですよね、だから怖くって!
生徒の生活ノートより引用
誰もが同じ気持ちと思う。

もちろん、先生もそうです。
そして僕は、僕の教え子 すなわち君たちがそんなになるの、絶対いやです。
記録19
今日のニュースは、ソ連の原発事故のことばかりだった。
話によると、原発事故の中で、史上最悪だそうです。
もし日本であったら、どうなるんでしょうね~
生徒の生活ノートより引用
メルトダウン(炉心融解)
原子炉が、何かの拍子で空焚きの状態になると、炉心の温度は急激に上昇する。
数分~数十分後、燃料が溶け始め、溶けた燃料は原子炉の底に向かって崩れ落ちる。
メルトダウン(炉心融解)だ。
(1986.5.1朝日新聞より引用)

この「メルトダウン」は、原発事故の中で「最悪」と恐れられているそうです。
結果は、みんなも知っているように
- ソ連の公式発表では「死者2人」
- 一方では、「死者2000人、80人が即死」という未確認情報もある。
さらに、オーストリア、ポーランド、スウェーデンなどの周辺の国では、異常に高い放射線が検出されていて

赤ちゃんや妊婦は外に出るな!

水を飲むな!
などの警告が発せられている。
日本では、異常といえるほどの放射線は検出されてないそうだけれど…
原子力発電所、「◯」か「✕」か!?
記録20
う~ん…それにしても、先生ってば、ナウシカファン??!
私はナウシカ、好きだなぁ。
いつか本当に、地球は腐海のようになっちゃうんでしょうか…。
あぁ、もしかしたら腐海どころじゃなく、核の夏のせいで人類は滅亡かしらん。
なんで核兵器、作るの?!
今だって、ソビエトの原発の問題で、世界中が不安に包まれてる。
これが核兵器だったらどうなるか…わかってるはずなのに…。
生徒の生活ノートより引用

今、地球にある石油は、あと25年でなくなると言われてます。
替わりのエネルギーとして、原子力というものが登場し、日本でもすでに全体の4分の1が原子力で作られているそうです。

しかし、原子力発電所は、安全性(今回の事故など)にまだまだ問題があるのです。
事故を起こせば、地球規模の災害になり得るのです。

そして、今回のことをきっかけに、地球上に住んでいる人類は、原子力利用について考えなければならないのだろう…
- 初めから「反対!、何が何でも反対!」という意見は、エネルギー危機について見ないふりしてるような気がするし
- 逆に「賛成!私の家のそばでもいいから作って!!」という意見は、今回の事故で、気軽に言えないだろうし…
今は「◯」でも「✕」でもなく、「△」でじっくり考えるべきだ。
21世紀のリーダーは、僕もそうだし、君たちもそうなんだ。
それから
原発の事故でこれだけの災害が起こるのに、いろんな国は、わざとその災害を起こすことができる核兵器を持っています。
それも1発や2発ではなく、何千発もあるんです。
そして、ボタン1つで、どこでも核爆発が起こせるのです。

絶対、絶対、そんなことを起こしてはいけないんだよ。
2度とヒロシマやナガサキの悲しみを繰り返してはいけないんだ。

おわりに

せまい国土に原発が54基
今回紹介した通信を書いたのが1986年。
文面に
地球上にある石油は、あと25年でなくなると言われてます
とありましたが、なくなる予定の2011年はとっくに過ぎてます。
調べてみると、石油可採年数は
- 1985年は36年
- 2005年は49年
- 2016年は57年
と無くなるどころか年々長くなっていました。
技術の進歩らしいです。

あ~よかった(^^)
でも待てよ。
ならば、原子力発電所を作る必要ってあったのか?
と、もへちゃんは強く思います。
だって、1986年のもへちゃんは、東京電力 福島第1原子力発電所の事故のことを知りませんが、2021年のもへちゃんは知っているからです。
東京電力 福島第1原子力発電所の事故
1986年、日本には33基の原発がありました。
チェルノブイリ原子力発電所の事故があった後も「日本の原発は安全だ」と、原発は増え続け、東日本大震災の発生前、原発は54基になっていました。


- このせまい日本に
- 地震国である日本に
です。

ありえんやろ!
その結果が、東日本大震災による東電 福島第1原子力発電所の事故です。
東京電力ホールディングスのホームページの「1号機はなぜ過酷事故に至ったか」には
地震から約50分後の津波とこれに伴う浸水により、非常用ディーゼル発電機やバッテリー(直流電源)、電源盤等すべての電源を失いました。
全ての電源を失ったことにより、非常用復水器が機能を喪失し、高圧注水系も起動できなくなりました。
加えて、監視・計測機能も失ったため、原子炉や機器の状態を確認することができなくなりました。
この後、圧力容器内の水は蒸発し続け、約4時間後、燃料が水面から露出して、炉心損傷が始まります。
露出した燃料棒の表面温度が崩壊熱により上昇したため、燃料棒の表面が圧力容器内の水蒸気と反応して、大量の水素が発生しました。
格納容器の損傷部(温度上昇によって生じた蓋接合部等の隙間と考えています)から漏れ出た水素は、原子炉建屋上部に溜まり、何らかの原因により引火して、津波襲来から約24時間後の3月12日午後3時36分に爆発しました。
また、溶融した炉心が圧力容器の底を貫通し、格納容器の床面のコンクリートを侵食しました。
とあります。
「融解した炉心」…原発事故の中でも最悪な「メルトダウン」です。

当然、東京電力 福島第1原子力発電所の事故は、国際原子力事故評価尺度(INES)で最も深刻な事故に当たる「レベル7」です。
「1986年のチェルノブイリ原発事故に並んだ」と当時、報道されました。
ドイツのメルケル政権は、東電 福島第1原子力発電所の事故を受け、原発の早期廃止の検討にいち早く着手しました。
日本は
国土交通省は

南海トラフ地震については、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率が70~80%
と発表しています。
被害想定範囲には
- 中部電力 浜岡原発
- 四国電力 伊方原発
- 九州電力川内原発
があります。
なのに、日本政府と電力会社は
- 原子炉40年ルールなし崩し
- :原発再稼働
- 原発輸出
廃止どころか、推進する気満々です。
さて、数は多くない(はず)ですが、「日本の核武装」を主張する政治家がいます。
その方が所属する政党は、原発推進派です。
ここに何らかの関係があるのではないかと、もへちゃんは疑っています。
さらに、国土交通省の被害予想に「火力発電所」は想定されているのに、原発の被害予想は書かれてません。

「わざと」に違いない!
ともへちゃんは感じます。
「東京電力 福島第1原子力発電所の事故」と書く理由
福島原発は、東京電力の発電所です。
首都圏へ電力を送っています。
過疎の地に原発を誘致することで、雇用を生み出し、本来過疎の地であった自治体の財政は潤沢な原発マネーで潤います。
いいことずくめのはずでした。
でも、事故が起こってしまった…
地震のせい?
もへちゃんはそうは思いません。
東京電力は、福島第1原子力発電所に最大10.2mの津波が来て、押し寄せる水の高さが15.7mになる可能性があることを2008年に社内で試算していたにも関わらず、手立てを打たなかったからです。
福島に住んでいる人に責任があるのではなく、東京電力に責任がある…だからあえて「東京電力 福島第1原子力発電所」と書く理由です。
復興特別税
もへちゃんは、東日本大震災からの復興施策のための「復興特別税」を、今でもちゃんと払っています。
いや、もへちゃんだけでなく、所得のある人全員が払っている税金です。
地震という災害で困っている人がいるのだから、当然だと思います。
しかし、東京電力 福島第1原子力発電所の事故は、東京電力に責任があるのだから、東京電力の経営陣が資産の全てを売り払ってでも賠償すべきだと思います。
「◯」「✕」「△」
1996年当時、
今回のことをきっかけに、地球上に住んでいる人類は、原子力利用について考えなければならないのだろう…
初めから「反対!、何が何でも反対!」という意見は、エネルギー危機について見ないふりしてるような気がするし
逆に「賛成!私の家のそばでもいいから作って!!」という意見は、今回の事故で、気軽に言えないだろうし…
今は「◯」でも「✕」でもなく、「△」でじっくり考えるべきだ。
と、玉虫色の書き方をしました。
あれから35年経ち、その間じっくり考えた今は、原子力発電に対して明確に「✕」を主張します!
技術の進歩の結果、「あと25年」と言われていた石油は、その25年が過ぎた今、25年以上の可採年数があります。
技術を集結し、太陽光や風力等、再生可能エネルギーを実用化する方に「◯」を出します。
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