2021/02/16
はじめに
もへちゃんの住む福岡では、中3生のこの時期(2月中旬)は私立高校の入試が終わり、来たるべき公立高校入試に向けてラストスパートの時期です。
と言っても、昔と比べて公立高校を受検する子の数は、減っています。
私立高校の専願受験で合格した子や、特待生として合格した子など、その年その年によって人数は変わりますが、全体の1/3ほどの子が進路が決定し、受験勉強から解放されます。
そこで不安になるのが、授業中のモチベーション(目的意識)です。
しかし、『学び合い』の考え方で授業をすすめるようになってから、もへちゃんは、一切、不安を感じなくなりました。
そのことを書いた「◯◯◯中学校3学年だよりミニ No.152」(2019年1月31日発行)を紹介します。
みんなで進路をつかみとる
いよいよ明日は、福岡地区私立前期入試です。
◯中3年生241人のうち164人が受験します。
学年だよりミニで何度も使っている写真ですが、またこの場面がやってきます。
- 試験会場に入っていこうとしている人=今回受験する164人
- 見守る友だち=すでに進路を決めた77人
と言えますね。
前回、学年だよりミニでこの写真を使ったのは、専願受験の日(◯◯◯中学校3学年だよりミニ No.146)でした。
- 「今日、専願受験してる仲間になんて声をかけたか」
- 「今日、専願受験してる仲間をどう支えてきたか」
- 専願受験に行ってない人たちに「仲間をどう支えたか」を迫る
そんな内容でした。
ホッとしている人がどんな態度に出るかでクラスの授業の雰囲気が決まる
さて、最近通うようになった整骨院の先生と、教育について話すことがたまにあります。
若い先生なので、最近の高校受験のこともわかっているみたいで
もう高校、決まった生徒がいるんなら、そんな人は授業でどう過ごしているんですか?
と心配してくれました。
整骨院の先生は
もう合格している人は居眠りしたり、私語をしたりしているんじゃないんですか?
僕の時はそうだったですよ~(^^;)
と話してくれました。
私もこの一週間、数学の授業がどうなっていくか、気になっていました。
だって10日前は、ほぼ全員が「合格めざして頑張ろう」ととりくんでいましたが、今週からは違ったからです。
クラスの中には専願入試やパラマ入試で合格して、ホッとしている人がいました。
一方で、専願で厳しい結果が出た人もいれば、2月1日の私立前期入試でこそ頑張らなきゃならない人もいました。
だから
ホッとしている人がどんな態度に出るかで、クラスの授業の雰囲気が決まる
…そう思っていました。
『学び合い』の考え方…誰1人見捨てない!
で、整骨院の先生になんと私が答えたか?
うちの子たちは、受験が終わった人でも、誰1人見捨てまいと支え合えてますよ
と私は答えました。
「みんなが」
私の最近の授業のめあては
今日のめあて
みんなが基礎計算・証明・ねじれの位置の問題を全問正解する
です。
4月からずっと求め続けてきている「み・ん・な・が」の4文字。
「みんなが」の中には、「パラマ入試や専願入試、特色化選抜入試等で、すでに合格を勝ち取った人」も含まれています。
「みんなが」の意味をよくわかっていて、受験直前の今だからこそ「誰1人見捨てない」授業を、子どもたち自身が創りだしているんです!
ってことも伝えました。
つけ加えて
あの子たちが社会に出るころや大学入試のころは、試験制度が激変するんです。
「鳴くよ うぐいす 平安京」みたいな暗記だけでは試験を突破できなくなります。
もちろん暗記力を元にして点数をとれなければなりませんが、それと同じくらいの割合で「説明力・表現力」を求められるようになるんです。
だから、もう高校合格を手にした人も、その先の大学入試や就職試験を意識したら、説明力をとことん鍛えておく必要があるんです。
と話しました。
説明力・表現力を鍛えるには、数学がぴったり!?
ここでちょっと「数学」についてコマーシャル
数学で「わかってない人」を見つけたら大チャンスなんです!
答えがはっきりしていて、解き方もわかっているようなことを説明するだけの数学。
自分自身の『表現力』を鍛えるにはぴったり。
過去問を解くのは、家や塾でもやれます。
けれど、表現力を鍛えるのは、1人では難しい。
学校の授業でなら、わかっていない仲間に
どうやったら、この人をわからせることができるだろうか?
と試行錯誤することで、あなたの説明力・表現力を確実に高めます。
数学で「今日のめあて」を達成するのは、奇跡なんです
さて、この一週間の授業で、クラス全員がめあてを達成する奇跡を何度も起こしたクラスもあります。
「数学」でですよ!
分数の足し算が苦手な人もいれば、高校レベルの問題を解ける人もいる…そんな1人ひとりの差が大きな教科で!!
だから私は、あなたたちを誇りに思います。
専願入試が終わった直後の授業で、過去最高の学び合う授業がやれていることを(^o^)
自分は終わったけど、まだみんなが終わっていないから頑張るんだと踏ん張っている人たちがいることを(^o^)
写真の「後ろで見送っている人たち」77人が、明日受験する164人を見守っています。
体調を整え、明日はベストを尽くしてきてください(^^)
おわりに
以前、子どもの進路先を占いで決めようとしている患者さんに対して、行きつけの整骨院の先生が何と答えたかについて書いた通信を紹介しました ↓
この時の整骨院の先生と、今回紹介した通信内の先生は別人です。
整骨院の先生からインスパイアされることが何度もあるもへちゃんですが、それほどしょっちゅう整骨院に通ってるってことですね(^^;)
誰1人見捨てない→誰も置き去りにしない
もへちゃんは、『学び合い』の考え方を子どもたちや同僚の先生方に伝える際
誰1人見捨てないことは、自分の「得」にもなるんだよ
ってことを話してきました。
今回紹介した「説明力・表現力を鍛えるには、数学がぴったり」の話も、授業中に子どもたちにしょっちゅうしてきました。
ところが、以前、『学び合い』の考え方で校内研究をしていた頃、同僚の先生から
「誰1人見捨てない」って表現、何とかなりませんかねぇ(>_<)
「見捨てる」って言葉、使いたくないなぁ…
と言われたことがあります。
その時は、思いつかなかったのですが…。
最近、話題に上るようになった「SDGs(持続可能な開発目標)」の基本理念に「誰も置き去りにしない(no one will be left behind)」というのがあります。
「誰も置き去りにしない」…これ、いいと思いませんか?
SDGsとは
SDGs(持続可能な開発目標)は、国連で推し進められているとりくみで、17の国際目標と169のターゲットがあります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
以前、文科省が「アクティブ・ラーニング」を打ち出した時、西川純先生(『学び合い』提唱者、上越教育大 教職大学院 教授)に
西川先生!
先生は、文科省に影響を及ぼすような力があるんですか?
文科省が言い出した「アクティブ・ラーニング(後の「主体的・対話的で深い学び)」って、『学び合い』そのものじゃないですか?
と質問したことがあります。
あはは(^^)
そんな力は、無いですよ。
『学び合い』の考え方が正しいから、求めるものもおのずから同じになるのではないでしょうか(^^)
と言われました。
あの時の西川先生の言葉を思い出しながら、『学び合い』の考え方と、SDGsの基本理念が似通っていることに納得したもへちゃんでした(^^)
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