2020/10/09
はじめに
初代もへちゃん組の子たちが中3のとき、もへちゃん組をかわいがってくださっていた◯◯先生が性教育の授業をしてくれました。
◯◯先生は理科の先生でした。
赤ちゃんが生まれるドキュメンタリー番組を見せてもらった子たちは、目がキラキラ輝いてました。
そこで2代目もへちゃん組(中1)には、もへちゃん自身が性教育にチャレンジしました。
そこで今回は、もへちゃんがどんな性教育をしたいかについて書いた学級通信「スバル No.105」(1989年1月25日発行)を紹介します。
思春期へのメッセージ①(1989年版)
もへちゃんがしたい授業
性教育0時間目(準備の時間)の後の感想文の中で感じたことを書こう。
授業がまずかったため、ああいう授業になってしまった。
僕の言いたいことはうまく伝わってないな~と思われる。
初めての授業なのでいろいろな意見があったけど、今後、この授業を通して言いたいこと、感じて欲しいことをはっきりさせときます。
①
君らは思春期(11~17歳)という時代に入り、身体が大人になりつつある。
そういう変化がいろいろなところに出ている。
そのことの意味をはっきりさせたいのだ。
成長の素晴らしい「現れ」を、
- 変な喜び方で口に出したり
- 逆に「まだ知らなくていい」と逃げたり
- いかにもいやらしいかのように話している
そういうことをみんなで話し合いたい。
②
①にも関係あるけれど、思春期に入ったみんなは「性」「セックス」「愛」ということに興味を持っている。
あるいは「性」に関する言葉をわざと言ったり、黒板に書いたりして、人の反応を楽しんでいる。
また、本の中の女性のはだかを見て「いやらしい」と言いながら見たがってる人もいる。
僕は、みんなの疑問を出し合って、本当の気持ちも出し合って、性のことや、それにかかわる『いのちの不思議さ』の授業をしたいのです。
これが僕のやりたい授業なのです。
性のことや人間のことをみんなと学んでいきたいのです。
だから授業の名を「性教育」から「思春期へのメッセージ」と変えて、これからやっていこうと考えています。
「関係ない」「はずかしい」を吹き飛ばす授業
もう1つ感じたことは、「まじめ」で「かたい」表情で授業に参加してる人がいること。
「私には(僕には)関係ないもん」ってね。
僕は、本当のことを話し合いたいのです。
僕は、ごまかさず本当のことを話します。
コソコソと陰でいやらしく言われていることを堂々と学びたいのです。
それが本当に「いやらしいか」を考えたいのです。
こんな授業で意見を言うってことは、友だちや僕を信用してないとなかなかできないものです。
みんなの感想の中で、自分の本当の気持ちや身体のことなどを包み隠さず書いているのを読むと
僕を信じてくれてるな~
とうれしく思いました。
記録277
今日はお母さんの妹の結婚式だった。
よく遊びに来てくれて、とても優しいお姉ちゃんだったのに、結婚したら東京に行くので、ちょっとさみしい。
でも幸せになってくれたらいいです。
とてもきれいでした。
このことも話したいことの1つです。
記録278
私は、幼児音楽祭を見に行って、大きくなったら優しい保母さんになりたいと思いました。
それから、「私の歴史」をお母さんから聞いて、いっぱい泣きました。
でもとてもうれしかった。
お母さんを「信じない」と思ったことがものすごく恥ずかしくなった。
君の歴史
12歳 | |
11歳 | |
10歳 | |
9歳 | |
8歳 | |
7歳 | |
6歳 | |
5歳 | |
4歳 | |
3歳 | |
2歳 | |
1歳 | |
0歳 | |
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おわりに
「0時間目の授業」でもへちゃんが何をしたか、わかりますか?
無記名で「性に関して知りたいこと」のアンケートをとったのです。
ニヤニヤしてる男子が
「先生、本当に何でも教えてくれると?」と聞いてきても
おお、全部教えちゃる
と答えたので、出るわ出るわ(^^;)
でも、実はこういう状態になることを予想してました。
確信犯です(笑)
子どもの心を鷲掴みにして「思春期へのメッセージ」の授業がスタートするのです。
さて、性に関して子どもたちをとりまく状況は、2代目もへちゃん組の子たちに授業した1989年に比べると、格段に進歩?しています。
当時だったら情報を得るために一手間かかっていたのが、インターネットを使うとすぐに手に入ります。
そのほとんどが、興味をひくように味付けした偏った情報です。
ネット空間では、変な大人の誘いも、子どもたちのすぐそばにあります。
思春期ですから、性に対する興味があるのは当然なのですが、ちまたにあふれる「『裏』の性情報」だけ学んで大人になっていくのは我慢がなりません。
もへちゃんの「思春期へのメッセージ」は「身体の変化」だけに終わらず、最終的には「脳(心)」について学ぶことで「愛」に至るのです。
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