2020.04.10
はじめに
3月2日から始まった臨時休校。
5月6日まで再延長した地域では、66日にもおよぶ長期休暇です。
そろそろ公立学校でもオンライン授業がスタートするのかな?
このブログは「ホッとしてもらう」のが目的ですので、ここで数学のオンライン授業はしません。
ご安心を(^^)
数学の授業というよりは、数学ネタの面白話なら時々混ぜたいと思っています。
そう思って書いたのが、前回の通信でした。
「臨時休校の長い休みを『精神と時の部屋』みたいにしちゃおう」シリーズ第29弾では、前回の裏話を書こうと思います。
プチ・精神と時の部屋 No.29「小梅湯作りの裏話」
前回、直径16mmの「ゆず茶になるのど飴(以下「ゆず飴」と書きます)」の作り方を応用して、直径14mmの「小梅」で小梅湯を作りました。
ゆず飴の袋には「3~4個を100mlの熱湯に溶かし…」と書いてました。
そこで「相似な図形の体積比は、相似比の3乗」という性質を用いて、小梅の場合は「4.47813411個…すなわち4~5個を100mlの熱湯に溶かせばいい」という結論を得ました。
小梅湯・裏話「17個もカップに入らん(^^;)」
ブログでは、すんなり成功したかのように書いていますが、実は一度計算を間違えました。
小梅の直径を9mmと勘違いしていたのです。
それで計算してみると
相似比は
ゆず飴:小梅=16:9
体積比はその3乗だから
16の3乗:9の3乗
すなわち
ゆず飴の体積:小梅の体積=4096:729
一度作って美味しかったゆず茶には3個入れたから、
4096×3=12288
「100mlのお湯に、ゆず飴の成分12288が必要」と言えます。
そこで成分729の小梅が何個必要か計算すると
12288÷729=16.8559671
「約17個の小梅が必要」
という結論に至ったのです。
しかし、もへちゃんは「この結論って変だぞ」とすぐに思いました。
だって用意してたカップに17個の小梅が入りそうになかったからです。
そこで、計算を見直してたら…
な~んだ、小梅の直径9mmと思ってたけど、本当は14mmじゃん!
計算し直した結果「4.47813411個…すなわち4~5個」となったわけです。
あ~すっきりした(^o^)
私の場合は計算まちがいでした。
では、次の例は何が原因なのでしょうか?
例1「マッチが巨大化して、セブンと同じ身長になったら体重は何t?」
私が子どもの頃、白黒のテレビで見ていたウルトラセブン。
セブンの身長は40m、体重は35000tだそうです。
ソフトバンクホークスの松田選手(以下「マッチ」と書きます)が巨大化して、セブンと同じ身長になったとしたら、体重はどれくらいになるのでしょうか?
ちなみにマッチは180cm、85kgだそうです。
計算してみましょう(^^)/
相似比(長さの比)は
セブン:マッチ=40:1.8
相似比を簡単な整数の比になおすと200:9になります。
体積比はその3乗ですから
200の3乗:9の3乗
すなわちセブンの体重:マッチの体重=800万:729
となります。
これを応用すると、マッチが身長40mに巨大化した場合の体重を次の式で求めることができます。
800万:729=χ:85
この式を解く方法は、中1の方程式の勉強で出てきますが、ここでは省略します。
χを求めると932784.636
小数点以下を四捨五入切り捨てると932785kg
わかりにくいのでt(トン)で表し直すと932.785t
小数点以下を四捨五入すると933t
「マッチが40mに巨大化した場合の体重は933t」
えーうそぉ😵
あなたは何が変か、気づきましたか?
セブンの身長40m、体重35000t
巨大化したマッチの身長40m、体重933t
計算は間違ってないはずです。
ならば、セブン、重すぎ(>_<)
体重が2桁も違うなんて!
例2「マッチが巨大化して、コンバトラーVと同じ身長になったら…」
私が中学生の頃あっていた巨大ロボアニメ「コンバトラーV」
主題歌の中に
「身長57m、体重550t ♪」
とあったのをなぜか40年以上経った今でも覚えています(笑)
計算のしかたは、ウルトラセブンの時と同様なので省略して、結果だけ書きます。
コンバトラーVの身長57m、体重550t
巨大化したマッチの身長57m、体重2703t
コ、コンバトラーVは、軽すぎる(>_<)
巨大化マッチの約5分の1です。
コンバトラーVが人間サイズだったら、体重は約16kg
どんだけスカスカなんだ?!
数学を使いこなすと
いかがでしたか?
「相似な図形の体積比は、相似比の3乗」
という性質を使いこなすと、ウルトラセブンやコンバトラーVの設定のおかしさが見えてきます。
おわりに
ウルトラセブンやコンバトラーVに比べて、前回のブログのあとがきで紹介したガリヴァー旅行記の設定の正確さには恐れ入ります。
ガリヴァー旅行記は、今から300年ほど前に出版された小説なのに。
一度、もへちゃん組の子(中3生でした)の1人から
「先生のおすすめの1冊を貸してください」
と言われたことがあります。
本好きの子でした。
私は熟考した結果「ガリヴァー旅行記」を貸しました。
ガリヴァー旅行記は、「小人国(リリパット)」と「巨人国(ブロブディンナグ)」が有名ですが、それ以外に「ラピュタ」にも行ってます。
でも私がガリヴァー旅行記を選んだのは、最後に訪れた「馬の国(フウイヌム)」を読んで欲しかったからです。
この国の話は、人間社会を強烈に批判する風刺小説です。
一読の価値ありです(^^)/
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