2021/12/03
はじめに

もへちゃんの勤務する地域では、中学3年生は11月末~12月初旬の三者面談で受験校を決めます。
その後、願書を書きます。
願書に不備があったら、訂正印を押して書き直しという作業が待ってます。
ハンコを使う頻度が高いのがこの時期です。
もちろん、中3のこの時期だけでなく、テストが終わって結果を書いた成績カードに「見ました」という意味でハンコを押してもらうし、通知表も同様です。
脱ハンコという動きもありますが、完全になくなるのはかなり先のようです(^^;)
さて、長く先生をしていると、成績カード等を保護者には見せずにこっそりハンコを押して、大人っぽい字で「見ました」なんて書いてくる子もいます。
気持ちはわからなくないのですが…(^^;)
「ハンコをこっそり押す」という行為は、ハンコ社会の日本で、とても危険な行為だともへちゃんは思っています。
そこで2020年1月にこんな通信を書いてみました。
お金の話…ハンコを軽々しく押してない?
願書を書く際にハンコを押しますね。
成績カードや通知表にも「見ました」という意味でハンコを押してもらっています。
まさか、成績がよくないときに、保護者に見せずにこっそりハンコを押したりしてませんか(^^;)
日本は「ハンコ社会」です。
大事なときに「私が確かにこの書類を書きました」とか「書かれてる内容に納得しています」と言う証拠としてハンコを押します。
お金に関係するときもハンコを押します。
- 高校進学で奨学金の手続きの時
- 将来、大学進学の際に奨学金の手続きをする時
- 就職する時
- 車を買ったり、家を買う際にローンを組む時
このような書類には自分のハンコ以外に、「保証人」からもハンコをもらうことになります。
保証人とは
「保証人」とは
この人は誠実な人だから、お金を貸しても大丈夫です
と保証することです。
「保証人」には、保護者や親戚の人になってもらうことが多いと思います。
「保証人」より責任が重い「連帯保証人」
よく似た言葉に「連帯保証人」というのがあります。
この人は誠実な人だから、お金を貸しても大丈夫です。
万が一、この人がお金を返せなくなったら、私が返します
という意味です。
もへちゃん組の卒業生の1人で、ご近所さんから「保証人になって」と言われて、書類に名前を書き、ハンコを押した人がいました。
元々優しい子だったし、ご近所さんとの仲を大切にしたかったから、断ることができなかったそうです。
ある日、身に覚えのない借金の返済を請求されました。
ご近所さんがお金を借りていて、それを返さなかったからです。
「なんで私が」と反論したところ取り立てに来た業者に

あなたは、連帯 保証人ですよね
と返されました。
「保証人」と思って書類に記名してハンコを押してたのに、実は「連帯保証人」だったわけです。

いや、「保証人」と「連帯保証人」の違いを知らなかったという方が正しいかな。
その子はすぐに「保証人になって」と頼んできたご近所さんのところに行きました。
留守でした。
携帯電話にも出ませんでした。
行方不明でした。
「◯◯◯万円払え」と催促されましたが、そんなお金ありません。

あなただったらどうしますか?
ねほりんぱほりん 【元ヤミ金】SNSで気軽に借金 その先に待つ地獄を暴露!
さて、1月15日、NHKの「ねほりんぱほりん」という30分の番組を見ました。
人形が、この社会の中にある様々な出来事にスポットライトを当て、関係ある人にインタビューするっていうトークバラエティです。

この日のテーマは
【元ヤミ金】SNSで気軽に借金 その先に待つ地獄を暴露!
でした。
ヤミ金とは
「ヤミ金」というのは闇営業の金融業…すなわち「非合法の金貸し」ということです。
銀行とかローン会社とかでお金を借りる場合は、法で決められたルールにのっとって利子や返却が行われます。
しかし、銀行やローン会社で、すでにお金を借りていたりすると、新たに貸してもらえないことがあります。
そんなときについ利用してしまって、借金地獄にはまっていくのが「ヤミ金」です。
元もへちゃん組のあの子に「金を返せ」と迫ったのもヤミ金だったのかもしれません。
ヤミ金でお金を借りると
ねほりんぱほりんでは、元ヤミ金業者と名乗る人からいろんなことを聞いていました。

10万円借りると、1週間後に元金10万円と利子3万円、合わせて13万円返させる。
このことを「しゅうさん」(一週間で3割)という。

一週間後に3割の利子を返せなかったら、次の日から6割に増やす契約。
すなわち
- 10万円借りて8日後返すべき金額は16万円
- 次の週は16万円+新たな利子(16万の6割…9万6000円)=25万6000円
- さらに次の週は25万6000円+新たな利子(25万6千の6割…15万3600円)=40万9600円
こんな感じで計算すると、10万円を1ヶ月借りると、返す際は約66万円
ヤミ金業者によるお金の取り立て方
ねほりんぱほりんでは、ヤミ金のお金の取り立てについても、インタビューしてました。

一番大切なものを利用する。
「旦那さん、銀行員やったけ?勤め先、行こか?」とか
「子ども、何々小学校やろ?顔もわかってるで」みたいなことを言って、
精神的に追い込んで、とりあえず利息だけでも払ってもらう。

小学校1年生の女の子がいたから、いい見せしめだと思って、
買ったばかりの勉強机を『これもらっていくね?』っていうことで、3000円で売った。
「どうして?どうして?」と泣いていた子どもに
「恨むならお父さんを恨めよ」と言った。
また、最近はインターネットで検索したらお金を貸してくれる「ソフトヤミ金」というのがあるそうです。
もちろん「ソフト」と言ってるだけで、中身は「ヤミ金」そのものです。
元もへちゃん組の子へのアドバイス内容
ソフトヤミ金にネットを通して借金を申し込むと、一番最初にLINEで

弁護士や司法書士に連絡したら住所公開します。
と注意書き(というより「脅し」ですね)が来たそうです。

ということは、逆に考えると
「ヤミ金」業者にとっては、弁護士や司法書士に相談されると困るってこと
です!
もへちゃん組の卒業生が「連帯保証人」になってしまって、取り立てで困ったとき、私がアドバイスしたのもまさにそれでした。

市役所とか商工会とかに相談に行きなさい。

1人で抱え込んだらダメ。

ダンナさんにも打ち明けて一緒に考えてもらおう、元々君がした借金じゃないんだから。
ねほりんぱほりんでは、ヤミ金にハマりやすい人とは

内気で生真面目な人。
困っても、自分で何とかしようって思って、深みにハマっていく。
と言ってました。

それにプラスして「ハンコをこっそり押すことに慣れてる」人も、ヤバいんじゃないかな(>_<)
と私は思います。
おわりに

どうぞご自由に(^^)
この通信を書いた2020年1月は、もへちゃんは病休中でした。
なので、この通信が発行されることはありませんでした。
まぁ、休んでなくても、2020年は中1生の副任だったので、この通信の発行はなかったと思います。
ってことで、未発行の通信ですので、「これいいな」と思った先生方、どうぞ都合よく書き直して発行してください(笑)
また、今日(2021/12/03)、ある学校の先生から
「数学ネタ?⑧「偏見」「思い込み」を超えるためには論理的思考!」の救急車のクイズを使用させていただきたいのですがよろしいでしょうか?
と言うメッセージを、お問い合わせフォームからいただきました。
この方は、校内の人権だよりを書かれているそうです。
もへちゃんは
◯◯さんの都合のいいように、編集・書き換え等、がんばってください。
と返事をしました。
通信等のネタとして、本ブログをつかっていただくのは大歓迎です(^^)
わざわざ許諾をとる必要もありません(^^)
でも、メッセージをいただけるのは、すっごく嬉しいです(^o^)
若い先生への啓発
さて、この手の通信は、子どもへの啓発だけでなく、読んでくれる保護者の啓発にもなると思います。
学年だよりだったら、学年の先生方への啓発にもなり得ます。
以前は、

先生だったら、マンガ「ナニワ金融道」を1度くらい読んでおこう!
なんて若い先生に話してましたが、今なら

「ねほりんぱほりん 元ヤミ金」を見よう。
かな~。
ちなみに、「ねほりんぱほりん 元ヤミ金」は、見た後に「録画しとけばよかったぁぁぁ」と思ったので、残念ながら録画していません。
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