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「伝説の生徒会」シリーズ⑯(最終回) 卒業式での答辞

2022/02/10

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 もへちゃんが勝手に呼んでいる「伝説の生徒会」。

 「伝説の生徒会」執行部の子たちの卒業式での、生徒会長の答辞が深いんです(^^)

1995年度卒業式での、Sさんの答辞

3年間をふりかえると

 「卒業」という言葉を胸に、この3年間をふりかえると、いろんなことがシャボン玉のように、後から後から思い出されます。

 『相手のことを知る。そして…』が生徒会テーマの時に、私たちは入学してきました。

 私や私の友だちは、このテーマが好きでした。

  • まず相手のことを知ろう
  • そして、何か行動しよう

という内容が好きでした。

 このテーマは、私に「相手のことを知る大切さ」を教えてくれたのです。

 それから、生徒会執行部に入った私は、生徒会活動を通してさまざまなことを学びました。

  • あいさつ運動を始めて、あいさつする人が増えたこと
  • 災害に遭った鹿児島や阪神の人たちの力になろうと、みんなからたくさんの、あたたかい募金が集まったこと
  • 平和劇で「戦争は最大の差別」ということを訴えていく中、みんなが真剣に平和について考えたこと
  • また、人権クラブの活動で盲学校の文化祭に行き、「いろんな人を知ることの大切さ」に気づきました。その人と接し、知ることで、初めてわかることがありました。私ははじめ「目が見えない人は、暗い性格なんじゃないか?」「日常生活も、私たちとは違うんじゃないか?」と思っていました。でも、話したり文化祭の展示物を見たりすることによって、その考えは変わりました。全然暗くなくて、とても明るかったのです。目が見えないという点以外、私たちと少しも違わないのです。私は、「目の見えない人たちのことを知らないのに、勝手に決めつけていた自分自身」を見つめ直しました。これからは、もっと多くの人が人権クラブに参加して、人権について考え、人を大切にできるようになってほしいと願っています。

一番心に残っているのは「仲間」

 私自身の3年間で、一番心に残っているのは、友だちのことです。

 1年生の頃の私は、自分の本当の気持ちを言うのが怖かったです。

 なぜなら、本当のことを人に言うと誤解されたり、嫌われたりするんじゃないかと思っていたからです。

 でも、友だちと一緒に過ごしたり、生徒会役員になって活動していくうちに、「本当の気持ちを伝えることは、本当の仲間をつくる第1歩だ」ということを知りました。

 そのことを知る前までの私には、表面だけの友だちしかいなかったのです。

 けれども今は、本当の気持ちを言える友だち、本当に信頼できる友だちがいます。

 本当のことを伝えて傷つけ合うこともあるけれど、ありのままの自分をわかってもらえます。

 そんな中で「本当の仲間」というのを感じることができるのです。

 他にも、仲間は私を支えてくれました。

  • 部活に行くのが遅れて、私1人で先生と練習することになったとき、すでに部活を終わらせてきついはずの仲間が一緒に練習をしてくれたこと
  • 練習の途中で呼吸困難を起こして倒れそうになったとき、すぐに駆けつけてくれたこと

 仲間の暖かさ、優しさを、目のあたりが熱くなるくらいに強く感じました。

 私は、そのたびに力をもらって、自分に克つことができました。

 だから、一番大事なのは仲間です。

 そして、その仲間のおかげで強くなれた自分です。

CK中学校を誇りに思って卒業したい

 私は入学したとき、こう思っていました。

 CK中学校を、誇りに思って卒業したい。

 そして、その思いは実現しました。

 今、すごく胸が熱いです。

 先生方、先生としての義務だけじゃなく、私たちに優しく厳しく心で接してくれたことを、嬉しく思います。

 3年間ありがとうございました。

 在校生の皆さん、ぜひ続けていってほしい生徒会活動があります。

 それは「あいさつ運動」と「お菓子・ガムをなくす運動」、そして私たちが作り上げた「生徒会活動の4本目の柱である『人権活動』」です。

 皆さんなら続けていけると信じています。

 それから、自分のすぐそばにいる人を大切にしてください。

 そして私にもできたように、本音を言える本当の仲間を、クラス・学年・学校でつくってください。

 きついことから逃げないで、自分にできることをがんばってみてください。

 それが自分の財産になると思います。

 私は、本当の友だちと、部活をがんばったことが財産です。

イラストACからのイラスト

おわりに 

もへちゃん
もへちゃん

 「伝説の生徒会」の生徒会長 Sさんは、始業式、終業式、行事等での「生徒会長のあいさつ」にいろんな詩を引用して、素晴らしい「あいさつ」をしてました。

 卒業式の答辞では、今回紹介した言葉の後、詩「生きる」を引用しました。

聴くこと 見ること 感じること 違いをこえてつながること

 生徒会合宿で7時間話し合って、それでもたりなくて、学校に戻って生徒会テーマを創ったって話は、以前このブログで書きました。

 さて、生徒会テーマを考えるためには

  1. 学校の現状を出し合う
  2. 現状を踏まえた上で、理想の学校を考える
  3. 議論を元に生徒会テーマの言葉を考える

という段階をふまえる必要があると、もへちゃんは思っています。

 

 1つひとつを丁寧に積み上げ、いよいよ3段階目の「テーマの言葉づくり」にとりかかった「伝説の生徒会」の子たちにもへちゃんが話したのは

もへちゃん
もへちゃん
  1. みんなが考えた「理想の学校」をテーマの言葉にしてもいい
  2. 「理想の学校」に至るまでの「段階」をテーマにしてもいい
もへちゃん
もへちゃん

 2年前の生徒会テーマ「相手のことを知る。そして…」は(2)の方やね。

 それと、テーマは、わかりやすくておぼえやすいものであるべき。

 「CK中の生徒会テーマは?」と在校生に尋ねた時、

 「え~と何だったっけ?」

ってテーマはダメ(>_<)

ってことだけでした。

 それから数時間、「ああでもない、こうでもない」と悩んだ子たち。

 そこへ、もう1人の生徒会指導担当のT先生が、

 これってよくない?

と谷川俊太郎さんの詩「生きる」を紹介したのです。

詩「生きる」 谷川俊太郎

生きる

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること

 

あなたと手をつなぐこと

 

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

 

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

 

生きているということ
いま生きているということ

 

いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ

 

いまいまがすぎてゆくこと

 

生きているということ
いま生きてるということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ

 

人は愛するということ

 

あなたの手のぬくみ
いのちということ

生きる 谷川俊太郎 詩、岡本よしろう 絵(日本傑作絵本シリーズ 福音館書店)より引用

 だから、生徒会テーマが

聴くこと 見ること 感じること

違いをこえてつながること

になったのです。

 このことを知っているもへちゃんやT先生、そして執行部だった子たちは、卒業式の答辞の最後での詩「生きる」の引用を聞きながら

もへちゃん
もへちゃん

 ここでくるとは…(T_T)

と強く心が揺さぶられました。

 もへちゃんも涙が出ました。

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