2022/02/07
はじめに
もへちゃんが勝手に呼んでいる「伝説の生徒会」。
11月…生徒会としての1年間の活動が終わり、次世代に受け継いでもらう時期(生徒会改選)がやってきました。
立候補する後輩には、本気で「学校をよりよくしたい」と思ってもらいたい…
そう考えた生徒会役員たちは「生徒会スライド上映会」にとりくみました。
1年間の生徒会活動
- 募金活動
- ほうげんぎょう・部活対抗駅伝大会
- 対面式
- 体育祭
- 平和劇
- 人権クラブ
- 文化祭
- 日常の挨拶運動
- …
を、スライド・音楽・語りでふりかえった「生徒会スライド上映会」。
その最後に、全校生徒に語りかけた言葉を紹介します。
生徒会スライド上映会 しめくくりの言葉
しかし、このような行事は、他の学校の生徒会でもとりくまれていると思います。
CK中生徒会が、他の学校と比べて違うところは2つあります。
テーマに託した想い
1つは、生徒会合宿での「テーマ決め」です。
今年のテーマ
聴くこと 見ること 感じること
違いをこえてつながること
ができるまでには、長い道のりがありました。
学校の現状を本音で語る
まず、学級、学年、部活動などの中で
- くやしいこと
- 嫌なこと
- 何とかしたいこと
について出し合いました。
初めは執行部9人の中でも遠慮がちだったんですが、だんだんと自分の本音も出せるようになり、学級や学年の中で気になる人の名前まで具体的に挙げながら、学校の現状について話し合いました。
結論から言えば、良くなったと言われているCK中ですが、まだまだたくさんの問題点がありました。
- 避けられている人がいる
- 上級生と下級生の間に力関係がある
など。
中には
- 昼休みがつらい
という人がいることもわかってきました。
現状を踏まえた上で「理想の学校とは?」
こんな現状を踏まえて、私たちの求める「理想の学校」とは何かについて話し合いをしました。
まとめれば、
- 仲間としてつながっていけること
- 自他を大切にできること
- 正しいことが「正しい」と言えること
という意見に集約されていきました。
14時間余りの議論がありました。
- 相手の声に耳を傾けること
- 相手の心の声を聞き逃さないこと
- 今ある状況をしっかりと見据えていくこと
- そして何かを感じたら、繋がろうと努力すること
こんな願いをテーマに託しました。
4つめの柱「人権活動」
そしてもう1つは、今までの生徒会の3本柱
- 代議員会
- 生活委員会
- 部活動
に加えて、4つめの柱である「人権活動」を打ち立てたことです。
具体的には、生徒会役員で平和劇にとりくんだり、解放子ども会の人たちと一緒に人権クラブを作って人権展などの活動をしました。
世界の子どもたちの死ぬ確率を減らすための署名活動では、300人を目標に署名集めをしました。
また、盲学校(視覚特別支援学校の1995年当時の名称)の文化祭に、人権クラブとして25人の人たちが参加し、劇や展示物を見学しました。
理想の学校
私たちCK中生徒会は、世界一の学校をめざしています。
私たちの考える「世界一の学校」とは、みんなが楽しい学校です。
「みんなが楽しい」とは、部活動も充実していて、授業もよくわかり、1人も楽しくない人がいないということです。
私たちは「みんなが楽しい」ことを前提としていて、成績や外見・運動能力に関係なく助け合え、1人はみんなのために、みんなは1人のために行動ができ、互いの可能性を伸ばせるような学校をめざしています。
つまり
世界で1番差別がなくてみんなが平等で、人権を尊重していく学校です。
おわりに
生徒会テーマ
1990年代、日本の至る所で学校が「荒れ」ていました。
もへちゃんが勤務していた学校も、その1つと言えました。
対処療法的なとりくみで、先生たちは疲れ果てていました。
そこで、生徒会の子どもたちとともに学校を変えることにとりくみました。
1994年12月~1995年11月の生徒会役員たちを「伝説の生徒会」と呼んでいますが、その前もその後の生徒会役員たちにも、もへちゃんは関わらせてもらいました。
その子たちも、生徒会合宿で生徒会テーマをつくり、1年間とりくみました。
- 92~93…「相手のことを知る。そして…」
- 93~94…「生活を高め合う勇気と行動、そして仲間」
- 94~95…「聴くこと 見ること 感じること 違いをこえてつながること」
- 95~96…「話してみよう 信じてみよう 語ってみよう」
きれいごと
生徒会選挙を勝ち抜いてきた生徒会役員たちです。
学力も高い子が何人もいます。
だから、3~4時間もあれば、いい言葉をくみあわせて「生徒会テーマ」を作ることができます。
しかし、そうやってできる「生徒会テーマ」は、いわゆる「きれいごと」です。
もへちゃんは「きれいごと」の生徒会テーマなんて、欲しくはありませんでした。
だから、とことん話し合えるスケジュールを立てました。
よくある生徒会合宿のスケジュール
少年自然の家等で行った1泊2日の生徒会合宿では、他校の生徒会役員も合宿に来ていました。
その学校は
- 1日目の15時~17時…お互いをよく知るためのレクリエーション
- 1日目の19時~21時…「生徒会とは」の講義
- 2日目の9時~12時…「生徒会の年間計画づくり」
というスケジュールでした。
もへちゃんが立てたスケジュール
一方、もへちゃんが立てたスケジュールは
- 1日目の15時~17時…学校の現状を出し合う
- 1日目の19時~21時…現状を踏まえた上で、理想の学校を考える
- (1日目の21時~…差し入れのお菓子やジュースで「懇親会」)
- 2日目の9時~12時…議論を元に生徒会テーマの言葉を考える
の7時間集中論議でした。
ちなみに、今回紹介した「生徒会スライド上映会 しめくくりの言葉 」には、94~95生徒会役員たちは「14時間以上論議した」と書いてます。
伝説の生徒会の彼女ら・彼らは、「学校の現状を出し合う」だけで4時間以上費やしました。
「理想の学校」を考える時間は3時間では足りませんでした。
1泊2日の「7時間」では、全く足りなかったのです。
94~95生徒会役員だけでなく、92~96のどの年の執行部たちも、合宿の7時間論議だけでは足りず、学校に戻ってさらに論議をしました。
「お互いを知り合う為のレク」なんてする余裕、一切ありません!
レクなんてことして、時間を埋めている学校の生徒会指導の先生って、子どもたちが本音で話し始めたときの「力」を知らないんだろうなぁ(>_<)
さて、14時間、本音をぶつけ合って作った生徒会テーマは、一見すると「きれいごと」と変わりありません。
けれど、学校を引っ張っていくリーダーたちの心の持ちようは、天と地ほどの差があるともへちゃんは思っています。
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