2022/11/21
はじめに

11月も後半に入りました。
文化祭や合唱コンクールも終わり、中3生はいよいよ受験に集中するシーズンに突入です。
そんな時期に中3生の子たちに書いた学級通信「中央フリーウェイ No.72」(1987年11月21日発行)を紹介します。
忘却を克服するには
記録254
チャレンジテストは、英語がよかった感じだ。
「自信」は、実力を発揮するための1つの鍵だ。
君たちは、事前にやるだけやったら、
- 合唱でも
- 劇でも
やる前から「自信」があったじゃないか!
合唱コンクールで、最初「優良賞」と発表された際にがっかりしたのは、裏を返せば「自信」が君らの心にあったからだ。

「自信」を自らの心の中に養おう!
忘却曲線
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今日はチャレンジテストがあった。
全然違うところを勉強してたので、苦しかった。
「違うところをしたので苦しかった」…気持ちはわかるのだが…

今回のチャレンジテストは、第4回・第5回チャレンジテストの復習だったはず…
入試にしろ、就職試験にしろ、3年間の学習の範囲から出るわけだから、テスト範囲としてはかなり広い(>_<)
なので、受験勉強ではかたっぱしから憶えることになるわけだが、ただただド根性で暗記してないだろうか?
「忘れない」ということを意識してるだろうか?
次の図は「忘却曲線」と言われるグラフ。

記憶した直後に、急激に「忘却」が生じる。
その後、なだらかな下降線を描く。

しかし、あきらめるにはまだ早い。
忘れにくくする方法は、ある!
どうすれば忘れにくくなるかと言うと…
その1
興味があることは忘れにくい。
その2
憶える時に「憶えよう」とやる気があり、ただ暗記するのではなく、理解しながら繰り返し憶える。
歴史などなら、年号だけでなく、その事柄に関する出来事を確認しながら憶えると効果的!
その3
憶えたら、3日後くらいにもう一度憶えなおす。
さらに、ことあるごとに繰り返し憶える。
「暗記カード」などは、その3を応用しているわけだ。
記録256
今日はチャレンジテストがあった。
今度は期末テストをがんばろうと思う。
期末テストは12月3日~5日。
すでに2週間を切ってしまった。

テスト前にがんばるから意味があるんだ!
チャレンジテストが終わった後に、居残りさせられて提出分のマイペース(問題集)を仕上げた人は、要注意(>_<)

どうせやるなら、テスト前!
最善を尽くそう!!
居心地のいいクラスづくり
記録257
11月19日の放課後のことであります。
だいたい、うちのクラスの人たちが掃除しなければならないところを、4組の男の人がせっせこ、やってくれてました。
男の人が几帳面にやっているのを見て、ちょっぴり感動しました。
気がついた人もいたかもしれない。
手洗い場に誰が捨てたのか、玉ねぎ(給食の中身)があり、おかげで水の流れが思わしくなかった。
残念なことに、それに気づき実行に移したのは、5組の仲間の誰でもなかった。
やっぱり、生活の場であるクラスは
- ムードがいい方が絶対いいし、
- ゴミとか無い方がいいし、
- 給食台はきれいな方がいい
ちょっとした心がけで、みんなが気持ちのいい思いができる。
新しい班になったからといって、勉強のことばっかりになっていないだろうか?
いろんなことで居心地のいいクラス作りに、各班が参加すること。

そのことは必ず、実力up面にも影響を与えるから!
おわりに

エビングハウスの忘却曲線
通信内で紹介した「忘却曲線」とは、Wikipediaによると
忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)は、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線。
特に心理学者のヘルマン・エビングハウスによるものが有名である。
Wikipediaより引用
とあります。
カナダのウォータールー大学は、忘却曲線の研究をさらに進め、記憶量と復習のタイミングについて

- 講義内容を復習しない場合、30日後にはほとんどの知識を忘れる
- 講義から24時間以内に10分の復習をすると、記憶が100%(講義直後の状態)に戻る
- 講義から1週間後に2回目の復習をすると、5分で記憶を取り戻せる
- 講義から1ヶ月後に3回目の復習をすると、2~4分で記憶を取り戻せる
という結論を得ました。
つまり、暗記のタイミングは「24時間以内」「1週間後」「1ヶ月後」が望ましいということが、この研究でわかったわけです。
「学問に王道なし」と言うけれど
「学問に王道なし」と言いますが、カナダのウォータールー大学の研究のように「能率のいい勉強法」は存在します。
「暗記カード」vs「見て、読んで、書く暗記」
例えば、暗記カードをじっと見て憶える場合は、「視覚」のみの刺激です。
しかし、声に出しながら紙に書いて憶える場合は、「視覚」「聴覚」「触覚(手の動き)」「口の動き・のどの震え」等、刺激が多方面に渡ります。
「見て、読みながら、書く」という暗記法は昔ながらの方法ですが、実は「能率のいい勉強法」だったのです。
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