2021/09/09
はじめに
前回紹介した通信を、帰りの会で読んだのが1996年2月6日。
読んだ後、子どもたちに「自分の意思で◯◯します」という文章を書いてもらいました。
次の日(2月7日)の帰りの会で、前日に書いてもらった「自分の意思言葉」の全員分を通信に載せました。
当時、中学2年生だった子たちは、今では「我が子の保護者」になっています。
口うるさくしつけたりしてるのかな~。
今現在、怒りんぼ ? のお母さん・お父さんが、中学時代、どんな「自分の意思で◯◯します」を書いたのか?
「学級記録 No.50」(1996年2月7日発行)を紹介します。
自分の意思で◯◯します②
INさん
私は今日、20分寝坊したので、明日からはちゃんと7:00に起きます。
OKさん
今日の朝、チャイムの鳴る数秒前に来たので、明日は1分前くらいに来ようと思います。
NGくん
僕は、授業寸前なのに授業の用意ができてなかったことがあったので、用意をしようと思います。
HRくん
僕は今日、遅く起きて友だちを待たせたから、明日は早く起きようと思います。
OKくん
体調が悪かったので、早く治す。
KZくん
僕は、TKくんを注意しているつもりでも、なぜかよけい悪くさせているような気がする。
たぶん、言葉遣いがわるいからだと思うので、自分の意思で言葉遣いをよくします。
SBさん
授業中に班の人ばかり注意しているが、自分はちゃんとできてないと思う。
だから『授業中は静かにする』です。
TKくん
注意されても、何回もされて「やっと聞く」だったから、1回言われたら聞くようにしようと思います。
ICさん
帰りの会の時「早く座って」と言ったけど、ほとんどの人が無視してあちこちでしゃべっていた。
だから明日は、きちんと座って、できてない人に注意したいと思う。
OKくん
僕は先日、勉強をがんばりました。
今日もがんばります。
TWくん
数学のワークを今日してないといけないのに、しませんでした。
だから、今日は少しします。
NKさん
今日、あまり勉強に集中していなかったので、明日こそは集中する。
HSくん
近頃チャイムが鳴っても席に着いてないことがあるので、チャイム席を守る。
OKくん
体育のマラソンで歩いてしまった。
これからは、全部走るようにがんばる。
SKさん
隣の人とかと喋ってしまったので、明日こそは授業に集中する。
TNさん
朝、遅刻をして、社会の時間はチャイム席が守れなかった。
だから、チャイム席を守る。
FKくん
サッカーの時、守りにあまりつかなかったのにシュートを外したので、シュートを決める。
HSくん
体育の時間、先生から「ボール遊びをやめなさい」と言われてもやめなかったので、注意をよく聞くようにする。
OOくん
僕は、ずっと休んで勉強がわからないので、家で勉強する。
あと、学校で友だちに聞く。
ONさん
私は、そうじをまじめにできなかったから、明日からはきちんとする。
MTくん
字が汚かったので、字をきれいに書く。
YMさん
私語が多いので、少し静かにする。
UCさん
私は今日、理科の時間、お昼寝をしてしまったから、明日は自分の意思で授業中、集中する。
EJくん
僕は昨日、部活に行ってないので、今日こそは行きます!!
HRくん
今日、ごはんを残してしまった。
明日は残さず食べる。
YHさん
今日、チャイム席を守れなかった。
明日こそはチャイム席を守る。
これが昨日の帰りの会で、1人ひとりが自分の意思で考えた「決意」だ。
今日の帰りの会で、これを出した理由…それは「さぁ、今日1日どうだったか反省しよう…」
いえいえ、そんなことではないんだ。
じゃあ何だろう?
・
・
・
それは、学級記録No.51で種明かししよう。
おわりに
それは、学級記録No.51で種明かししよう
こんな通信を配った後、「今日1日どうだったか反省しよう」は、よくありがちな展開です。
いや、たったそれだけなら、わざわざ全員分の「自分の意思言葉」を通信に書く必要はないか…
書くのってそれなりに大変だし(^^;)
ではどんな狙いがあったのでしょう?
実は、この通信を配ってみんなで読んだ後すぐに、次の学級記録No.51を配りました。
学級記録No.51には、その答えが書いてあるのですが…
次回のお楽しみといたしますm(_ _)m
『学び合い』で解決できることがたくさん
子どもたちが書いた「自分の意思言葉」には、授業に関しての内容がかなりありました。
- 授業に集中する
- 私語をしない
- 注意されないようにする
- お昼寝をしてしまった
- チャイム席(チャイム時に席に着く)を守る
けれど、子どもの意識を変えようと、小学校時代から手を変え品を変え、担任の先生たちがとりくんできたはずです。
もへちゃんは中学校の先生でしたが、中学の先生より小学校の先生の方が、そのとりくみは手厚く丁寧のはずです。
そんな先生たちも含めて、中2までの8年間かかっても変わらなかった子どもを「自分の意思言葉」で変えようとしたわけですが…。
この頃のもへちゃんは、まだ『学び合い』の考え方に出会ってなかったので、子どもの意識を変えることでなんとかできるって思ってたんですね~。
『学び合い』の考え方で解説
子どもを変えるのではなく、授業の方を変える方が確実だと、『学び合い』の考え方の授業を知った今は思います。
『学び合い』の考え方で、上の1~5を考えると
- 授業のめあてを具体的に提示し(例えば「クラス全員が、連立方程式の代入法の解き方を理解し、教科書p◯◯の問1~4を解けるようになる」)、全員がめあて達成しなかった場合、次回達成するにはどう行動すればいいかを、授業終了時に考えさせる
- 「全員めあて達成」のために、私語している友だちを見捨てた自分をどう思うのかを、授業終了時に考えさせる
- 「全員めあて達成」のために、教え合うためにはどんどんしゃべらなくっちゃ!「全員めあて達成」のために、席にじっと座ってたら、教室の隅でわからなくって固まってる友だちに気づかないから、どんどんたち歩かなくっちゃ!!
- 勉強がわからなくって居眠りしてる友だちがいたら、周りの子に「友だちを見捨てるなよ」。勉強がよくわかる子が問題を早く解いて居眠りしてたら、周りの子に「この子の力も借りなきゃ、全員めあて達成しない。なぜそのことを眠ってる子に話さないんだ」
- 「全員めあて達成」のためには、1分でも無駄にできないってことは、クラス全員身に染みてるよね
教科の授業だけではない『学び合い』の考え方・効果
さらに『学び合い』の考え方の授業で、みんなで高まりあう経験をした子どもたちは、授業だけでなく「清掃」のことや「行事」等でも、みんなで高まり合いたくなります。
ついでに言えば、『学び合い』の考え方の授業は、もへちゃんが担当していた数学だけで成立するわけではありません。
もへちゃんが研究主任をした際は、全教科で『学び合い』の考え方の授業を研究しました。
さらに、『学び合い』の考え方の授業をしていた近隣の小学校の授業を参観した際は、小学校1年生でも自由に立ち歩きながら、誰1人見捨てまいと教え合えてました。
だから、なぜ日本中の先生たちが『学び合い』の考え方で授業しないんだろう?
って本気で思います。
コマーシャル
共著ですが、もへちゃんも執筆者の1人の『学び合い』の本があります。
中学数学の本ですが、『学び合い』の考え方についてもかなりのページを割いてます。
もしよろしければ、読んで見ませんか?
ちなみに、Amazonプライム会員だと毎月一冊だけ電子書籍が無料で読めます。
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