2020.03.23
はじめに

新型コロナウイルスによる臨時休校がスタートして今日で22日目です。
地域によっては、臨時休校解除になったところもあるみたいですが、私の住む地域は未だに休校で、このまま春休みに突入します。
さて、ブログ「もへちゃん先生の学級通信」は、私の過去の学級通信や学年通信を紹介するつもりで開設したブログですが、臨時休校中は、「お休みしてる子へ通信を書くとしたらこんなの書くかなぁ」みたいな通信を書くことにしました。
その通信の名前を、マンガ「ドラゴンボール」に出てきた「精神と時の部屋(1日で1年分の修行ができる部屋)」にあやかって「プチ・精神と時の部屋」としています。

本日の、臨時休校の長い休みを「精神と時の部屋」みたいにしちゃおう 第15弾は、大安や仏滅について考えてみたいと思います。
プチ「精神と時の部屋」 No.15 六曜って信じてる?
六曜って知ってる?
今日、病院で診察してもらってる時に、机の上のカレンダーに六曜が載っているのに気づきました。

あなたは六曜って知ってますか?
ちなみに今日3月23日は「赤口(しゃっく)」です。
中学生くらいならあまり気にしたことはないかもしれません。
画像のカレンダーには曜日のほかに、
大安(たいあん)、赤口、先勝(せんしょう)、友引(ともびき)、先負(せんぶ)、仏滅(ぶつめつ)
というのが書き込まれています。これが六曜です。
「結婚式は大安がいい」「お葬式は友引を避けた方がいい」とおうちの人が言ったことはありませんか?
六曜の歴史
この六曜は明治時代以前の暦(こよみ)が元らしいです。
明治以前ということは江戸時代とか安土桃山時代とか室町時代とかです。
当時はもっと複雑な暦…天文学をもとにした二八宿とか、北斗七星の動きをもとにした一二直とかの方が古くから使われていました。
明治6(1873)年に
「迷信・占い・狐(きつね)憑(つ)きなど、近代化を妨げになる迷信の類いは禁じる。厳重に取り締まる」
という指示が明治政府から出され、月火水木金土日の暦以外は禁じられました。
しかし、それまでの暦に慣れていた人たちに対して、こっそり六曜の暦を作って売ってもうけていた闇の売人(笑)がいたわけです。
では、なぜ六曜を選んだのか
事実は知らないので、推理ですが、六曜の決め方がかなり簡単だからと思います(笑)
暦の専門家ではない、闇の売人でも作れるほどに。
そして、それでも買う人がいたのだと思います。
六曜の決め方
では六曜の仕組みを説明します。
- 1月1日…先勝
- 2月1日…友引
- 3月1日…先負
- 4月1日…仏滅
- 5月1日…大安
- 6月1日…赤口
- 7月1日…先勝
- 8月1日…友引
- 9月1日…先負
- 10月1日…仏滅
- 11月1日…大安
- 12月1日…赤口
上記のように、各月の1日がすでに決まっています(勝→友→負→仏→大→赤の繰り返しですね)
そして
1月2日は友引
1月3日は先負
…
こちらも繰り返しです。
月火水木金土日の七曜とほとんど変わりがありません。
気がついた人、いるかな?
「それだと、一番最初のカレンダーの画像の3月1日が先負になってない」じゃないか!?
そのことに気づいた人、すご~い。コナンくんみたいです(^^)
「旧暦の3月1日」は、新暦だと3月24日です。
カレンダーの3月24日は…
ねっ、先負でしょ(^^)
六曜を信じてる人って…
あなたは
「結婚式は、将来が輝くように金曜がいい」
「お葬式は、暗いイメージにならないよう木曜や土曜日を避けた方がいい」
と言う人がいたらどう思いますか。
「大安」や「仏滅」もその程度のものです。
しかし残念ながら、大人の中には、この六曜の迷信を信じている人がかなりいます。
別に、「自分の子どもの結婚式の日取り」とか、「自分の家族のお葬式の日取り」を決めるのに、迷信に左右されるくらいならいいのですが…。
ちなみに「仏滅」は元々「物滅」と書いていたそうです。
一旦物が滅び、そこから新たに物が始まる…すなわち「大安」より、物事を始めるのには、良いと言われてたとか。
「仏」は明治時代の暦業者の当て字だそうです(>_<)
あなたは、刷り込まれてませんか?
私たちの社会の中には、
「昔から行われてきたことだから」
「みんなもそう言ってるから」
ということで、変えられなかったり、何も知らない純粋な子どもに間違った知識を刷り込んだりしていることがあります。
多くの人が「おかしい」と疑問を持っていて、「改めなければならない」と思われているのに…。
「差別」がそうです。
2018年の大相撲であった差別
2018年、京都で行われた大相撲春巡業で、あいさつ中に市長さんが突然倒れました。
市長を助けるために数人が土俵に駆け上がり、心臓マッサージをしました。
その中に女の人(後に看護師さんとわかりました)がいました。
すると日本相撲協会が

今すぐに降りなさい
と大きなボリュームでアナウンスを流したのです。
さらに、市長さんが運び出され、女性らも土俵から下りた後に、土俵には大量の塩がまかれたそうです。

相撲は神事であり、土俵は神聖だから、穢れている女性は土俵に上がってはいけない
というのが、とっさにアナウンスした人の考えですね。
もちろん大問題になりました。女性差別です。
あきれた話です。
人の命よりも、差別の方を優先したのです。
あー、なんか思い出したら腹立ってきました😤
女性差別だけでなく、様々な差別を残してきた日本社会の土台に「偏見」や「迷信」があるのです。
このような土台を変えていくために、次の時代を生きるあなたたちには、日常の意識や生活を見直してほしいです。
- 迷信や偏見にしばられてほしくありません。
- 科学的、合理的なものの見方や考え方を身につけてほしいです。
- 「みんなが言っているから私も信じようかな」と思ってしまう前に、自分自身で事実を確かめる習慣を身につけてほしいです。
おわりに

私の住む福岡では、「博多山笠」という祭りがあります。

昔は「不浄の者入るべからず」(=女人禁制)と書いた立て札を、山笠を組み立てている場所に立てていましたが、女性差別ということで、2003年からこの立て札を全廃しました。
「以前からの習慣だから」と思考停止するのではなく、「偏見だった」と反省するこの姿勢、いいと思いませんか(^^)
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