臨時休校中の学級通信…ナチス・ドイツを知るために「アンネの日記」

2020.03.24

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 「精神と時の部屋」とは、マンガ「ドラゴンボール」(鳥山明著 集英社刊)に出てくる1日で、1年の修行ができる夢の修行場です。

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精神と時の部屋 ドラゴンボール 鳥山明著 集英社刊

 臨時休校で降って湧いた約5週間の長い休みを「精神と時の部屋」と見立てると、ふだんだったら学校があるから少しずつしかできないことを、一気に進めることができます。

 そこで、子どもたちの5週間の「修行」を応援すべく、通信を書いています。

 さて、私が住んでいる地域では、今日(2020年3月24日)は修了式のはずでした。

 予定では明日から春休みでした。

 しかし、明日からの日々も臨時休校措置の延長みたいなものだし、今までとほとんど変わらない日々が続くことになります。

 なので「臨時休校の長い休みを『精神と時の部屋』みたいにしちゃおう」シリーズは、始業式までは続けようと思っています(始業式はあるのかな?)

 第16弾は、私への頼まれ事を解決するために調べた「アンネの日記」について書いてみます。

プチ・精神と時の部屋No.16「アンネの日記」

プチ・精神と時の部屋No.13で

もへちゃん
もへちゃん

ちょっと頼まれごとをして、今日はそれを解決するためにスター・ウォーズのことを詳しく調べていました

と書きました。

 調べてみると、スター・ウォーズの帝国軍やファーストオーダー軍には、ナチス・ドイツ的な要素がたくさん盛り込まれていました。

 ところで、ナチス・ドイツのことをみなさんはどれくらい知っているでしょうか?

 「知らない」、もしくは「名前なら知ってる」という中学生にわかりやすく伝えるためにはどうしたらいいでしょうか?

 今時の中学生は「アンネの日記」を読んだこと、あるのかな?

アンネの日記とは

 主人公のアンネ・フランクは13歳の女の子。

 そして13歳の誕生日にプレゼントされた日記帳に、日々の出来事や本音を書き始めます。

 あっ、これはフィクション(作り話)ではなく、本当にアンネ・フランクが書いた日記なのです。

 彼女が日記を書いた時代は、第2次世界大戦中です。

 ユダヤ人だったアンネの一家は、ナチス・ドイツから迫害を受け、オランダで隠れ家に身を隠す生活を始めます。

 アンネは、そこでも日記を書き続けました。

  • 自由に生きられないつらさ
  • 戦争が早く終わって、以前のような日々を取り戻したいという渇望
  • 普通の女の子として感じたこと、恋の悩み
  • 他の家族とともに8人で隠れ住む中で生じる人間関係

等々

 けれど、2年ほど過ごした隠れ家生活は、ナチスのSD(親衛隊情報部)により暴かれ、ヴェステルボルク収容所に連行され、その1ヶ月後にアウシュビッツ=ビルケナウ収容所へ連れて行かれました。

アウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所 Wikipediaより引用

 アウシュビッツ=ビルケナウ収容所は、ナチス・ドイツが作った6つの絶滅収容所のうちの1つです。

絶滅って?

 ヨーロッパでは昔からユダヤ人に対しての差別がありました。

 第2次世界大戦前、ドイツのナチ党(元々はちゃんとした政党でした)のリーダー、ヒットラーは、その差別心を利用し、ユダヤ人をドイツ民衆にとっての敵とすることにしました。

 民衆を戦争へ駆り立てる心理作戦の1つです。

 敵を明確にすることでドイツ国民を1つにしようとしたのです。

ヒットラー Wikipediaより引用

 最初は「ユダヤ人の追放」だったのが、「強制収容所への隔離」と代わり、そしてついには「処理」に変わりました。

「処理」を辞書で引くと、「ものごとをさばいて始末する」とあります。

 まさにナチス・ドイツはユダヤ人を絶滅させようとしたのです。

 そして作られたのが絶滅収容所です。

アンネは収容所へ

 アンネたち、捕まったユダヤ人たちは、密閉された貨物用の列車にぎゅうぎゅう詰めにして、収容所に送られました。

 他の列車が行き過ぎるのを何日も待たなければならなくても、食べ物や水などは一切与えられませんでした。

 密閉された貨物用の列車の中で、夏のすさまじい暑さや冬の氷点下に耐えるしかありませんでした。

 バケツ以外には、トイレもありませんでした。

 食べ物も水もない中、多くの移送者は収容所に着くまでに命を落としました。


 列車が停まると、棍棒で追い立てられ、大きな倉庫の前に並ばされます。

 倉庫には「衣服」や「貴重品」と書かれていました。

 全員、裸にされ、靴も脱がされ、髪を切られます。

 ナチス・ドイツは、ユダヤ人から奪った髪の毛で、絨毯を作ったり、ドイツ市民や軍人の防寒着を作ったりしました。

 持ってきた荷物もすべて奪います。

 めがね、靴、カバン、結婚指輪、くつ…

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奪われためがね、ヴィクトール・フランクル『夜と霧』(みすず書房)より

奪われるのは品物だけでなく生命も

 奪われるのは品物だけではありません。

 貨車で連れてこられ、裸にされ、髪を切られた人々に対して、看守が「お前は右へいけ、お前がは左へ」と、2つのグループに選別します。

 労働力になる者とならない者を分けるのです。

 赤ちゃんや子ども、妊婦、老人、「しょうがい」者、病人は、もちろん労働力にならないグループです。

 労働力にならないグループは、広い廊下を追い立てられます。

 その先にはドアに「浴場・殺菌室」と書かれた部屋があり、石けんを渡され「殺菌効果のために深く息を吸え」と言われます。

 何をされるかわからないけれど、不安な気持ちの集団を安心させるためです。

 鉄の扉を閉め、カギをかけられます。

 出てくるのは冷たい水ではなく、毒ガスです。

 ガス室に入れらせて扉にカギをかけられて、数分以内に全員が酸素欠乏で亡くなりました。

死体から金歯をとる

 死体を隣の部屋に引きずって行き、金歯、義足などを剥ぎ取ります。

 この作業を行うのは、収容所に入れられてる人、すなわちユダヤ人です。

 アンネが移送された時は1019人のうち、549人がガス室に送られました。

アンネは?

 アンネは「労働力のあるグループ」に選ばれました。

 しかし、ガス室に行かなくてすんだ人にも、

飢えによる「」、

病気による「」、

過酷な労働による「」、

口封じのための「」、

見せしめのための「」など、

ありとあらゆる「死」が収容所の生活の中で用意されていました。

 ドイツ軍の戦略の一環で、アンネはベルゲン・ベルゼン収容所に移され、そこでチフスという病気にかかり亡くなりました。

 隠れ家に住んでいた8人のうち、ただ1人生き残ったアンネの父オットー・フランクが、戦後に娘アンネの日記を出版しました。

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

ホロコースト

 この大量虐殺を「ホロコースト」と言います。

 ホロコーストの結果、ユダヤ人は510万人が犠牲になりました。

 そのうち子どもが100万から200万人と言われています。

 またジプシーと呼ばれていたロマ族の人や、ナチス・ドイツに従わない人、同性愛者などが合わせて50万人が犠牲になりました。

 私への頼まれごとというのは、劇のシナリオ作成だったのですが、1人の死を10秒で語ったとして510万人分だと、かかる時間は5100万秒です。

 5100万秒÷60秒÷60分÷24時間=590日かかります。

 20分の劇ではとても語れません。

 それほどたくさんの人をナチス・ドイツは虐殺しました。

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