2021/01/14
はじめに

前回のブログで
もへちゃん自身は音楽には疎いのですが、合唱指導は得意です(^^)
「中3生が、5年後の成人式で思い出すと素敵な学年通信」より引用
と書きました。
そこで今回は、季節外れではありますが、もへちゃんの合唱指導について書いた「3年1組学級記録 No. 37」を紹介します。
ちなみに、今回紹介する通信は、合唱コンクール前日に発行した通信です。
いわゆる「最後の一押し」ですね(^^)
100% ✕ 33人
記録68
合唱コンクールまであと1日。
男子の声が小さく、「これで本番、大丈夫かな?」と思っていたけど、昨日の放課後の練習ではちがった。
今までで一番の歌だったと思う。
まだ完璧ではないが、だんだん声が出てきているような気がする。
このままいけば、金を獲るのも夢ではない…と言うより、絶対金を獲れる。
残り少ないが、最後まで、全力で練習するしかない。
班ノートより引用
記録69
男子の声いい!
4回目のアカペラと、3回目の普通の所、合わせたら最高ッ!
女も男も声が出てて、すごくうれしかった。
班ノートより引用
記録70
今日の練習は、第2音楽室でありました。
今日はいつも以上に良かったです。
あとは本番で、緊張しすぎないといいけど…。
班ノートより引用
ステージの上に立つ。
ライトのまぶしさに顔が照らされ、光の熱さにカーッとなって、頭の中が真っ白になる。

教室と違い、声が反響せず広がっていくステージ。
自分がどれくらいの声を出せているのか、
練習の時ぐらい出せているのかが、わからなくなる。
頼りになるのは、ふだんの練習の時に感じてる身体の感覚。
- 腹筋への力の入れ具合い
- 背筋への力の入れ具合い
- のどのひきつり具合い
- はき出しきった肺の感覚
- …
隣の人の声を待って歌うのは、出だしに力が無くなる。
本人たちはわからないと思っているけれど、聞いている側にはよくわかる。
ステージの上では、自分がどれくらい声を出せているのかがわからない。
だから、歌の出だしを成功させるには、自分の身体の感覚をたよりに、いつもと同じように力強く声を出すしかない。
そうして一人ひとりが、孤独の中で闘わなければならない。
孤独?
でも本当は、孤独な闘いなんかじゃない。
3の1の33人が、この広大な宇宙の広がりの中の、地球という星の、日本という国の、◯◯市文化センターのステージの上で、「最高の歌を歌おう」と心を1つにしているのだから。
100% ✕ 33人
◯◯さんの失敗のおかげで、

100% ✕ 33人=3300%を求めるのか
それとも

100% ✕ 32人+0%で行くか
を君たちに迫ることができた。
そして君たちは

100% ✕ 33人!
を選んだ。
誰か1人でも

50%でいい
と思えば、それは君たちが求めたものではない。
「100% ✕ 33人」で心を1つに。
いよいよ明日!!

おわりに

今回紹介した通信の途中で、話のスケールが急に大きくなる部分があります。
一人ひとりが、孤独の中で闘わなければならない。
でも本当は、孤独な闘いなんかじゃない。
3の1の33人が、この広大な宇宙の広がりの中の、地球という星の、日本という国の、◯◯市文化センターのステージの上で、「最高の歌を歌おう」と心を1つにしているのだから。
の部分です。

ふだんから、もへちゃんは話を大きくする癖がある?

た、確かに(笑)
でも、今回は違います!
ちゃんと理由があるんです(^^)
このクラスの子たちが選んだのが「20億光年の孤独」という曲だったからです。
20億光年の孤独
作詞 谷川俊太郎、作曲 山本純ノ介
人類は小さな球の上で
眠り起き そして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
(中略)
万有引力とはひき合う孤独の力である
(後略)
歌詞全文と合唱動画は「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」へ
合唱コンクール直前にする指導
合唱コンクール直前に、もへちゃんがする指導とは、一言で言ってしまえば

仲間を信じて声を出せ
です。
この年は、その言葉をストレートに出すのではなく、子どもたちが何度も何度も歌ってきた歌詞に重ねて伝えました。
だからスケールが大きな話になったのです(^^)
涵養
他の年では、学級目標に重ねて伝えたこともあります。
子どもたちの心に、ジワ~っとしみこむように話したいからです。

仲間を信じて声を出せ

そんなことなら、私も言ってる。
このブログを読んでくださっている方のうち、担任をしてる先生は、がっかりしちゃったかな?
でも、当たり前のことだからと言って、子どもたちが

本当やなぁ。
としみじみ思ってくれなければ、「伝わっていない」と同じって、もへちゃんは思います。
クラス40人のうち6~7人が勢いよく「は~い」と言って、残りの33~34人が無反応ってこともよくありそうです。
もへちゃんは、そんなの嫌なんです。
クラス40人いたら40人みんなが「本当やなぁ」としみじみ思ってもらいたいのです。
この「ジワ~っと染みこむ」ように伝えることを、「涵養する」と言います。

人権啓発の際に、学ばせてもらった大切な言葉です。
次回予告
それともう一つ、
◯◯さんの失敗のおかげで、「100% ✕ 33人=3300%を求めるのか」、それとも「100% ✕ 32人+0%で行くか」を君たちに迫ることができた。
の部分の「◯◯さんの失敗って何?」と思われましたか?
それについては次回、合唱コンクール後に出した通信を紹介します。
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