2021/08/18
はじめに

お盆が過ぎました。
先生方は2学期(前期後半)の準備をし始める時期ではないでしょうか?
そこで、夏休み直後の通信シリーズ「あ~夏休み、ちょいと終わらないで」をお送りしています。
前回は、先生2年目(1986年)のもへちゃんが書いた「内容の無い通信」を紹介しました。
文章力のなかったもへちゃんでしたが、子どもの力を借りた通信でした(^^;)
シリーズ3回目の今回は、2006年のもへちゃんの夏休み明けの通信を紹介します。
この年は先生22年目だったので、そこそこ文章力があったはずですが、思い切ってもへちゃんの文章はたった4行しかありませんでした。
どんな内容だったかというと…
「学級記録 No.41」(2006年9月1日発行)を紹介します。
夏休み
夏のせみ

せみが鳴けば、夏が来る。
強い陽射しに負けないで、
短い命を、
一生けん命、夏を呼ぶ。
もしも、せみが鳴かなけりゃ、
暑いだけで夏じゃない。
夏になる…。
木と言う木から、せみの声がふりそそぐ。
青い海を輝かせ、
まぶしい太陽きわだてる。
虫かごもって、歩いてた、
あの日のころを思い出す…
そして、すぐに夏は去る。
せみと共に夏は去る。
空が真っ赤にそまる時、
いつの間にか声消える。
カラス鳴く、
夕方の空を、カラス鳴く。
せみ達が、遠い所へ行った時、
木の葉がちり、
また冬が来る。
そして、もう 会えることは、ないだろう。
次の夏が来る日まで…。
夏休み
何もできない夏休み
楽しいだけの夏休み
風のようにすぎる夏休み
何かがかけてた夏休み
幾度も泳いだ夏休み
思い出残った夏休み
心残しに夏休み
友達作ろう夏休み
いろいろあった夏休み
そして終わった夏休み
僕のせいなの?夏休み
夏の恋しい夏休み
楽しかった夏休み
明日で終わる夏休み
今までありがと夏休み
涙のこぼれる今、
夏休み
とうとい夏
終わりの終わりの夏だった。
スケートボードに乗りながら、
夕やけ小道を、すべってた。
とうとい感じの夕やけ雲も、
近所の子らの、『火の用心』のよびかけも、
今となっては、寂しくやさしいものだった。
また、空を見た。
そんで山を見た。
ローラーの音はふと止まる。
オレンジと ほんのり赤いこの空に、
カラスが五わほど飛び回る。
へんな気持ちに、
たえられず
そのままそっと海を見た。
一わの鳥が、寂しそうに、
岩の上で、
一声鳴いた。
そしてかすかでかすかな波の声…。
そのまま僕は思った。
また来年…。

夏の終わり

どっぷり暗い夕方の空に、
ちょっぴり赤い夕日がしずみかけ、
海はなごやかに
ちらちら光り、
あの時、泳いだあの海の
あの時、飛び込む、たくましき岩々に、
海鳥一わ寂しくとまる。
後ろの山では、
カラス達が、たがいに鳴き合い、
せみの声はいつか消え、
夏の終わりをつげていた。
…みんなで作った粘土。
きれ端が、いつの間にか、ゆかに落ち、
夕日が当たって、
長くとうとい影を作ってた…。
今日で夏も終わるのかぁ~っ。
ため息だけが続きに続く…。
たくさん聞いたあの唄と、
たくさん遊んだ友の声、
そしてかれ葉の音だけが、
耳になんなく聞こえるようで…
楽しくすごしたこの夏も
闇と共に幕閉じる。
また1シーズンが終わろうとしています。
ちょっぴり寂しい。
そこで、夏休みについての詩や思い出を募集します。
生活ノートへ、班ノートへ
おわりに

出典、わからず
紹介した詩を検索してみましたが、ヒットしませんでした。
もへちゃんが保管してる通信の原稿には出典を書いてなかったので、何からとった詩なのか…

忘れちゃいました…(^^;)
次回予告
今回紹介した通信でのもへちゃんの文章は、本当に4行しか書いてないでしょ(>_<)
実は、次の通信で、もへちゃん自身の夏の経験をたっぷり書きました(^^)
そこで次回のブログでは、2006年のもへちゃん自身の夏休みの経験を書いた通信「学級記録 No.42」を紹介いたしますm(_ _)m
ゆとりどころかさらにすし詰めになった「ゆとり教育」
もしあなたが大人なら、夏休みは8月31日までだったでしょう。
しかし、つい最近までもへちゃんが勤務していた地域の小中学生は違います。
来週(2021/08/18現在)には、2学期(または前期後半)がスタートします。
たぶん日本全国も同様ではないでしょうか?
ちなみに、夏休みが短くなったのは、新型コロナウイルス感染症のためではありません。
新型コロナが流行る前から、「授業時間確保」のための手段の1つとして、夏休みを短縮する学校がちらほら出始めていました。
2002年度から始まった「ゆとり教育」で週5日制になり、その結果として授業時間が減りました。

諸外国からの「日本人は働き過ぎだ」という圧力に負けて、週5日制にしただけなんですけどね…
週5日制になり、授業時間は確実に減りましたが、教科で教える内容はほとんど減りませんでした。

授業時間が減ったのに、教える内容が減らなかったらどうなると思いますか?

え~と…
すし詰め?


正解です。
お寿司を折箱に詰めるみたいに、授業をすきまなく入れて、なんとか教科書を終わらせるようになっちゃいました(>_<)
例えば、
- 始業式の日にも教科授業
- 中間テストは1日(5時間で5教科のテスト)、期末テストは2日間(1日目5教科、2日目4教科)、もしくはテストの日の午後に教科授業
- 運動会の練習は1週間
- 展示物作成に時間がかかる文化祭はやめて、合唱コンクールのみに移行
- …

中間テスト・期末テストの日程削減は、学力の厳しい子どもたちにとって負担以外の何者でもありません。
その後文科省は、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)という国際調査の結果、日本の子どもたちの成績がふるわなかったため、「ゆとり教育」をやめました。
やめたけれど、「すし詰め」状態はそのまま、いやさらに加速しています。
全国学力テストの点数を公開し、県単位で、もしくは市単位で競争させることで点数を上げさせようとしています。
その結果、「全国学力テストの予想問題を解かせる授業」を時間割の中に入れ、ますます教科書の内容の勉強時間が減っています。

まさに「角を矯めて牛を殺す」
まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」
新型コロナの流行で、話題に上らなくなりましたが…。
アフターコロナでは、また問題になってくるでしょう(T_T)
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