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合唱曲「名づけられた葉」…歌詞に込められた思い⑫

2020/10/01

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 合唱曲「名づけられた葉」は、中2の9月の南九州への修学旅行で、知覧特攻記念館を訪れる際に歌わせたいと音楽の先生から提案された歌です。

 もへちゃんは、それまで聞いたことがありませんでした。

 子どもたちが音楽の授業で練習し、学年集会でも練習しているのを見聞きしながら、

「すてきな歌だなぁ」

と感じました。

 そこで、もへちゃんが担当した「学習係=しおり係」の子たちに

「特攻隊と合唱曲『名づけられた葉』がどうつながるのか」

を解説したのが、今回紹介する文章です。

 では、歌詞解説シリーズ第12弾、合唱曲「名づけられた葉」について書いたプリント「学習係・学習プリント」(2016年9月発行)を紹介します。

名づけられた葉

名づけられた葉

     作詞 新川和江、作曲 飯沼信義

ポプラの木にはポプラの葉

何千何万芽をふいて

緑の小さな緑の小さな

手をひろげ

一心にひらひらさせても

一つひとつの手のひらに

載せられる名はみな同じ

 

(後略…歌詞全文および合唱動画は「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」へ)

歌詞①

ポプラの木にはポプラの葉

何千何万芽をふいて

緑の小さな緑の小さな

手をひろげ

一心にひらひらさせても

一つひとつの手のひらに

載せられる名はみな同じ

名づけられた葉 作詞 新川和江、作曲 飯沼信義より

 この部分は純粋に「ポプラの葉」のことを表しています。

 すなわち、

 ポプラの葉とは

 「ポプラの葉」が何千枚も何万枚も芽をだし、葉になって、風などに揺れ動いても、

 呼ばれる名前は、どれも同じ「ポプラの葉」

ってことです。

ポプラの木 たうさんによる写真ACからの写真

歌詞②

わたしも一枚の葉にすぎないけれど

あつい血の樹液をもつ

にんげんの歴史の幹から分かれた

小枝に不安げにしがみついた

おさない葉っぱにすぎないけれど

わたしは呼ばれる

わたしは呼ばれる

わたしだけの名で朝に夕に

名づけられた葉 作詞 新川和江、作曲 飯沼信義より

 この部分は「歌詞①」での、「ポプラの葉」との対比になっています。

 「わたし」とは

 私も「1枚の葉っぱ」と同じく、たった1人の人間にすぎない。

 私の親、さらにそのまた親…

 ずっと続いている中で、私は存在していて…

 そんな1人でしかないけど、

 私は毎日、朝も夜も「名前」で呼ばれる。

歌詞③

だからわたし 考えなければならない

誰のまねでもない

葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を

せいいっぱい緑をかがやかせて

うつくしく散る法を

名づけられた葉なのだから

考えなければならない

どんなに風がつよくとも

名づけられた葉 作詞 新川和江、作曲 飯沼信義より

人間とはどうあるべき?

 だから私は1人の人間として、自分だけの生き方を考えなければならない!

 誰かの真似じゃなく、どう生きるかを自分で考え、ただボーッと生きるんじゃなく毎日毎日深く考え、精一杯自分の人生を輝かせなきゃならない。

 精一杯生きて、悔いなく死んでゆく生き方を考えなければならない。

 だって私は「◯◯◯」と名づけられた「私」なんだから。

 どんな困難に出会おうとも

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

 これだけでは、合唱曲「名づけられた葉」と特攻隊の方々とのつながりは、歌詞③の中にある「美しく散る」ってところって勘違いされそうです。

 長く反戦平和の劇にとりくんできたもへちゃんが、そんなわけありません!!

 では、この歌と特攻隊の方々とが、どうつながるのか?

 そのためには、学習係・学習プリントとともに配った寸劇+朗読劇「きけ 海神のこえ」のシナリオが必要なのです。

 そこでシナリオの一部を紹介します。

寸劇+朗読劇「きけ 海神わだつみのこえ」

 知覧町中郡なかごおりにあった鳥濱とめさんの富屋食堂は、軍の指定食堂になっていました。

 特攻隊員として知覧飛行場にきた隊員たちは、鳥濱とめさんのことをいつしか「お母さん」と呼ぶようになっていました。

 とめさんは、知覧特別攻撃隊という本の中で次のように語っています。

特攻の方々が征かれるときはにっこり笑って、嫌とも言わず、涙一つ落とされませんでした。

 さぞ肉親の方々にも会いたかっただろうに、日本を勝たせるために、早くかなければと、ただそればかりを言っていました。

知覧特別攻撃隊(村永薫編 ジャプラン刊)より引用

 けれど孫の義清さんにだけは本当のことを語っていました。

義清さん
義清さん

 なあおばっさん、

 おばっさんな、ないごて特攻隊の兵隊さん達が好っじゃっとな。

 立派やったでな?

(なぁ、ばあちゃん、ばあちゃんはなんで特攻隊の兵隊さんを好きだったと?立派だったからね?)

とめさん
とめさん

 立派じゃってん、

じゃなかしてん好っじゃったとお。

 もぞか衆じゃったでお。

(立派でも立派じゃなくても、好きだったよ。かわいか人たちだったからねぇ)

義清さん
義清さん

 ないが、立派じゃなかしてん好っじゃったろかい。

 行かんち言っせえ泣いたいせんじゃったで、好っじゃったろがな。

(なんが立派じゃなくても好きだったね。特攻には行かないって泣いたりせんかったから、好きだったんやろ)

とめさん
とめさん

みんな泣たたっで

(みんな泣いたよ)

義清さん
義清さん

本の事な

(本当ね)

とめさん
とめさん

 泣たとお、

 人ん衆いな見せんどんかい、涙も枯れ果てっせえ行ったとお

(泣いたよ。人には見せなかったけど、涙も涸れ果ててから行ったんよ)

義清さん
義清さん

じゃったとな

(そうだったんやね)

とめさん
とめさん

 じゃっで、ぐらしかったと。

 吾っ子も、誰が喜て行ったもんかい。

 もう、いけなこてぐらしかったか知れんど、そいではら、あたいが供養をしたとお

(だから可哀想だったと。誰が喜んで行くもんか。もうどれほど可哀想だったかしれない。だから私が供養しはじめたんよ)

知覧特別攻撃隊(村永薫編 ジャプラン刊)より引用

 まん中で子犬を抱いている荒木幸雄さんは17歳。

 真後ろにいて横を見てるのが高橋峯好さん、17歳。

 仔犬の頭をなでてるのが早川勉さん、18歳。

 反対側で荒木さんの肩に手を置いてるのが千田孝正さん、18歳

 特攻隊のほとんどは16歳から22~3歳の若者たちでした。

 知覧特攻平和会館に並ぶ写真の1人ひとりは若者です。

 

 私たちと3~4歳しか違わない人も、時代の要請に応え、身を捨てて国を守ろうとしました。

 しかし死を前にしてどれほど苦しみ、悩み、生きたい気持ちとたたかわなければならなかったか。

 

 自分がその立場だったらと考えてください。

 2時間後に死ぬとしたら…

 今、本気で考えてみてください。

 

 きっと、とめさんは特攻隊の方々の気持ちを知っていました。

 日本軍隊とその侵略戦争という流れに投げ込まれて、やりばのない苦しみで傷ついている若い魂。

 失われたそれまでの幸せな日々をあきらめるしかなかった魂。

 それが知覧特攻平和会館に並んでいる写真なのです。

 

 このようにみにくい戦争というものが繰り返されてはならないのです。

 

 流された血は、再びそれが決して流されないようにすること以外によっては償われないのです。

 

 だから私たちは考えなければならないんです。

 

 平和な世界の作り方を!

 

 精一杯、一人ひとりが輝ける方法を!!

 

 特攻隊の方々の悲劇を決して繰り返さないと心を込めて歌います。

 

 みんなも歌いましょう。

(合唱担当、勢いよくその場に立つ。まわりの人にも「立ってよ」と誘う)

もへちゃん
もへちゃん

 上演した学年集会では、キャストだけでなく、学年全員で、「名づけられた葉」を歌いました。

ポプラの木にはポプラの葉
何千何万芽をふいて~♪

(中略)

だからわたし 考えなければならない
誰のまねでもない
葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を
せいいっぱい緑をかがやかせて
うつくしく散る法を
名づけられた葉なのだから
考えなければならない
どんなに風がつよくとも♪

 

 9月15日、修学旅行の3日目に私たちは知覧特攻平和会館に行きます。

 

 「特攻隊は日本の勝利のために凜々しく決然と命を捨てました。彼らの犠牲の上に今の日本の繁栄はあるのです。」…そんな薄っぺらい見方をしてもらいたくなくってこの劇を作りました。

 

 特攻隊の方々は泣き言も恨み言もいわず、時代の要請に応えて身を捨てて国を守ろうとしました。

 

 けれど死を前にして彼らがどれほど苦しみ、悩み、生きたい気持ちとたたかわなければならなかったか。

 

 彼らの心の中を考えると、こんなにも醜い戦争というものが二度とあってはならないのです。

 

 流された血は、再びそれが決して流されぬようにすること以外によっては償われないのです。

 

 平和な世界を作るために僕たちががんばり輝くことこそが、特攻隊の方々への供養になるのです。

 

 これで私たち◯◯◯◯中学校、修学旅行学習係による朗読劇「きけ、海神のこえ」を終わります。

 

 気をつけ、礼

CMです…電子書籍

 寸劇+朗読劇「きけ 海神のこえ」は、まだ電子書籍化してません。

 今日、久々にシナリオを読み直して、自分で書いたものですが、当時の子どもたちのがんばりを思い出して

もへちゃん
もへちゃん

いいなぁ

と再認識しました(笑)

 電子書籍化したらこのブログでお伝えしますね。

 ちなみに、現在、電子書籍化しているのは

  1. 朗読劇「1945」(身近な空襲…知覧特攻基地、頓田の森爆撃、ナガサキ原爆)
  2. 朗読劇「島唄」(沖縄戦)
  3. 寸劇+朗読劇「母と子の写真集」(戦前・戦時中の日本、ナガサキ・ヒロシマ原爆、戦後の世界の紛争)
  4. 朗読劇「◯◯◯◯」(教科書無償運動)

の4冊です。

 1冊250円ですが、Amazonプライム会員の方は、月1冊まで無料で読めるそうです。

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