2021/01/27
はじめに
今年も、森永製菓の「inゼリー」のコマーシャルが流れ始めました。
「inゼリー」は毎年、受験時期になると、印象的なコマーシャルを流します。
今年のは…
新型コロナウイルス感染症の影響からか、「個のがんばり」に焦点をあてています。
映像作家の方も苦労したんだろうなぁ(^^;)
今までは「受験だって団体戦だ」というキャッチフレーズでコマーシャルを作ってました。
もへちゃんは『学び合い』の考え方で授業してますので、「受験だって団体戦だ」はとてもしっくりくるのです。
そこで、以前のウィダーinゼリー時代(2018年3月までは、米国ウイダー社の「ウイダー」ブランドを使用してたんだそうです)のコマーシャルをネタにした「◯◯◯中学校3学年だよりミニ No.119」(2018年11月27日発行)を紹介します。
受験だって団体戦だ
昨年の今頃、「受験だって団体戦だ」というコマーシャルがあってました。
ウィダーinゼリーのコマーシャルです(笑)。
普段コマーシャルって15秒だけど、私が見たこのコマーシャルは30秒くらいあったので印象に残りました。
さて、私はこの「受験は団体戦」という言葉を、自分自身の経験から
本当やなぁ
と実感しています。
「受験は団体戦だ」を伝えられなかったもへちゃん
もうかなり前、中3の担任をしていたころの話です。
そのとき勤務していた学校はあまり落ち着いていませんでした。
日本の至るところで中学校が荒れていましたから、そういう時代だったというべきでしょうか。
となりのクラスのAさんもその一人でした。
まじめになんかやってられるか
と授業中は私語をしたり、立ち歩いたり…。
当然、一人でそんなことはできません。
相手が必要です。
だから彼は友だちにも
おまえ、なんで真面目にしよるとか。
かっこわる
と話し、日々をおもしろ楽しく送りました。
勉強なんて、めんどくさいことやってられるか
という言葉や、やりたい放題に過ごすAさんの姿は、受験勉強から逃げたいまわりの生徒にとても魅力的でした。
そして、授業も受験勉強もいいかげんにする生徒がだんだん多くなっていきました。
でもAさんは、学校から帰ると塾に急行していました。
そして放課後から夜にかけて長時間、勉強にとりくんでいました(当時は塾に行ってる生徒はそんなに多くなかったのです)。
担任の先生や、私も含めたいろんな先生が彼に話し込みましたが、
となりの席のやつも受験ではライバルなんだから、蹴落として何が悪い。
油断して勉強しないやつが悪いんだ
と聞こうとしませんでした。
そのまま受験の日が来て、卒業式、そして合格発表。
Aさんは…不合格でした。
もちろんまわりの多くの子たちも。
彼が志望した高校は大学進学率の高い、いわゆる「難しい高校」でした。
そこに合格したい他の中学校の人たちは、夜はもちろんとことん勉強していたし、授業中も、昼休みもとことん勉強して受験に臨んでいました。
授業中、友だちを油断させるために勉強をしないふりをしていたAさんは、他の中学校の人に比べると毎日6時間、損をしていたわけです。
さらに、勉強しないふりをしていたAさん自身が、勉強しない周りの人たちを見ながら
俺はいっぱいしてるから大丈夫だ
と油断したのです。
ライバルとは蹴落とす相手ではなく、互いに高め合う相手だ
ということを、当時の私はAさんにわからせることができませんでした。
受験だって団体戦だ
昨年の今頃に見たコマーシャルは次のような言葉でしめくくられていました。
受験は孤独な戦いなんかじゃない。
苦しいとき支えあって、うれしいとき分かちあって、
一緒に闘う冬がはじまる。
受験だって、団体戦だ。
ウィダーinゼリーのコマーシャル・あらすじ
「受験は個人戦だ」なんて本当だろうか?
違う!
私たちは変わらない
孤独な戦いなんかじゃない
苦しい時、支えあい
嬉しいとき、分かち合い
受験は団体戦だ
おわりに
詳しくは「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」へ
「ウィダーinゼリーのコマーシャルのあらすじ」のもっと詳しいのは
「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」にあります。
どうぞチェックしてみてくださいm(_ _)m
文科省が求める「思考力・判断力・表現力」と「コミュニケーション能力」
文科省が「思考力・判断力・表現力」の育成を前面に打ち出してきました。
と同時に「コミュニケーション能力」の育成も重要視しています。
文科省が、それらをいう以前から私は『学び合い』の考え方で「思考」や「判断」や「表現」をとことん授業中に反映させてきました。
もへちゃんの授業では、どんどん立ち歩いて、どんどん教え合うことを推奨していますので、いろんな場所でコミュニケーションの輪が生まれます。
よく「教え合い」の授業では「学力の高い子の力を伸ばそうとしていない」と言う方がいらっしゃいます。
もへちゃんの授業では、学力の高い子は、学力の厳しい子に説明する場合、難しい言葉で説明してもわかってもらえないので、相手の理解している程度を類推して、その子に合うレベルの内容や言葉に自らの理解を変換して話しています。
とことん表現力を鍛えさせてもらっているわけです。
文科省が「思考力・判断力・表現力」を言い出す以前と以後
以前、福岡県の指導主事(先生を指導する人)は
学力保障とは、能力別分割授業です
と断言されていましたので、もへちゃんのやり方はお気に召さず、たくさんの批判をいただきました。
だってもへちゃんの授業では、学力が低い子も高い子も、いろんな子がたくさんいた方がいいのですから。
その後、文科省が「アクティブ・ラーニング」や「主体的、対話的で深い学び」と言い出すと、指導主事たちは、手のひらを返して、ラーニングピラミッドの図を用いて、
他人に教える行為は、学習定着率が高まる
と言い出しました。
今では文科省も認める「受験は団体戦だ」
どうぞ、あなたが学校の先生でしたら、クラスの子どもに、堂々と胸を張って語りましょう。
あなたが小中高生の保護者であるなら、我が子に、堂々と胸を張って語りましょう。
人をどんどん助けよう。
人とどんどんつながろう。
いずれその力は、あなた自身の得になるから
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