2021/06/01
はじめに

もへちゃんが学級通信に載せた子どもからの記事の多くは、生活ノート(連絡帳みたいなノート)の4行日記に書いてくる文章、もしくは班ノートに書いてくる文章でした。
生活ノートの4行日記は文字数が限られますが、班ノートは自由に書けます。
最高13ページ書いてきた猛者もいました。
あっ、つい「猛者」と書きましたが、13ページ書いてきたのは女生徒でした(^^)
そんな「班ノート」にとりくみ始めたのはいつだったでしょうか…

忘れちゃいました(>_<)
今回、紹介する通信の頃(先生になって2年目)は、まだ班ノートのとりくみは始めてませんでした。
だから、たった4行では足りない場合、子どもたちはノートを破ったものや便せんに文章を書いてきてました。
では、生活ノートの4行ではとてもたりなかった子どもの記事で構成された通信「◯◯フリーウェイ No.23」(1986年5月28日発行)を紹介します。
心のオアシス part2(表)
中間考査に向けてがんばっていることと思います。
ほんの3分間、フリーウェイを読む間、心を休めよう。
作家はすべて2の1の人です。
- 季節感あり
- 小説あり
- 詩あり
の23号です。
記録53
今日は、久しぶりに徒歩通学のことを書きます。

沿道の景色は「カラフル」から「緑一色」になり、落ち着いてきました。
家の近くでは、中学校に続く道の工事をしています。
早くその道を通りたいな。
(あと1年くらい待とう)
記録54
ゴードンさんとぼく
1.ヨーロッパへ出発
ぼくは青山タケル。
旅行が大好きだ。
特に海外に行くのが。
え、何歳かって?
それは想像にまかせることにしよう。
ある日、友達の杉本ケンジと一緒にデパートに行った。
“3000円以上お買い上げの方は、くじ引き券をあげます”と張り紙がしてあったので、ぼくとケンジは適当に何か買って、くじ引き券をもらった。
30分くらいまってくじを引いた。
「え。」
僕は、自分の目が一瞬どうかなったかと思った。
な、なんと、特賞のヨーロッパ旅行が当たったんだ!
まわりの人もびっくりしてか、ざわつき始めた。
ヨーロッパ旅行なんて初めてだ。
だから、心がウキウキした。
もう、うれしくって、うれしくって!
たまらないよ、これは!
僕は、海外で行ったことのあるところは、韓国と中国だけなんだから。
旅行は6泊7日。
ペアだけど、ぼくにはつきあってくれる女の子なんていないから、ケンジと行くことに決めた。
「ササ、すっげぇ!」
ケンジはこう言ってばかりだ。
ケンジは、ぼくのことを“ササ”と呼ぶ。
なんでだか知らないが、多分、“タケル”の“タケ”から“ササ”を連想したのだろう。
それにケンジは“アオヤマ”の“ア”も、“タケル”の“タ”も言わない。
必ず“ササ”と呼ぶ。
多分、ぼくの名前を忘れているんだな、ケンジは。
もっとも、ぼくは気にしないが…
☆
1週間後に出発だ。
その1週間、ぼくはウキウキしてたまらなかった。
はやく1日がおわってほしくて、時計を何度もみた。
カレンダーもしょっ中、みていた。
荷物をまとめる時でも、入れては出し、入れては出し
カメラ、お金、着替え、地図、ガイドブック、etc

忘れものはないか…などと何回も見直した。
そして、前日。
ぼくは明日、船で夜景が見られるかもしれないと思って、7時ごろ寝た。
目が覚めた。
なんか、あんまり寝てないような気がした。
それでもぼくは、荷物をもって、戸締まりをして、家を出た。
とうとう出発なんだ!!
つづく
おわりに

1986年当時は、手書きの通信でした。
今回、紹介した分でB4の用紙がちょうど埋まりました。
実は、この通信はB4 両面印刷だったので、これで半分ってことになります。
続きは次回、紹介します。
さて、「ゴードンさんとぼく」の記事は、もちろん生活ノートの4行日記にはおさまりません。
便せんに書いて、生活ノートに貼り付けてました。
その子の生活ノートは、1年間で厚さが3cm、いや5cmくらいになってました。
きっとそのノートは、その子の宝物になっていると思います。
けれど…
今年、その子への年賀状が戻ってきてしまいました。

どうしたんだろう?
お~い、ざとさ~ん
元気にやってるか~
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