2020/10/14
はじめに
もへちゃん流性教育「思春期へのメッセージ」の1時間目の授業は
- 自分史発表(5分~10分)
- お腹の中でも生きている(3分)
- どこから生まれるのか(5分)
- お腹の中の赤ちゃん(15分)
- 出産(17分)
という流れでした。
5番の「出産」については、動画「山本かよの妊娠・出産日記」の他に、学級通信でも用意してましたが、動画だけで十分でした(>_<)
けれどもったいないので、「学級記録 No.42」(1996年9月25日発行)を紹介します。
誕生の詩(うた)
あるお母さん先生の話
しぜんに赤ちゃんがでるわけじゃない。
赤ちゃん自身が外へでようと必死の闘いをするわけです。
頭で、まず子宮の出口をおし開いて、少しずつ少しずつ身体を回転して頭をだし、身体をすこしねじって肩をだす。
せまい、きゅうくつな道をとおってでてくるのだから、たいへんな闘いです。
それは赤ちゃんだけではできない。
お母さんがせいいっぱい助けるのです。
ふだん指1本か2本の広さのところが、こんな頭がとおるくらい大きくなるのだから、たいへんに痛い。
それをがまんして、うんと力を入れて、なんとか大きくしてあげる闘いをするのです。
それはもう痛くて、病院できいていると、すごいうなるような声がきこえたり、悲鳴をあげる人もいるくらい。
身体中がまっぷたつに切られたか、というような痛みです。
でも、どんなお母さんも、どんなに苦しくても、完全に生まれるまで、これ以上の力は出ない、というぐらいの力でがんばるのです。
これを“生みの苦しみ”という。
よく聞くことばでしょう。
いのちを生み出すには、どうしてもさけてとおれない苦しみがあるのね。
それは、いよいよ赤ちゃんがでるというときだけでなく、これからでるぞーという合図があってから、30分おきとか15分おきとかに陣痛という痛みが始まります。
それがだんだん間隔がちぢまって、5分おき、3分おきになってきたら、もうじき生まれるのね。
だから、痛いのは、人によるけど、平均14~15時間。
先生は、いちばん上の子のときは60時間もかかってね、苦しかった。
でも、その苦しみをのりこえて赤ちゃんが生まれたときの感激は、ことばでいえない喜びよ。
みんな、そうやってお母さんのおなかから生まれたの。
生まれたとき、お母さんはどんなにうれしかったことでしょう。
でもね、女の子が心配するといけないから、一言つけくわえておくと、しぜんに生む方法で、あまり痛くない方法も研究されているから、こわがらなくても大丈夫ですよ。
いのちと性を学びあう(奥地圭子、太郎次郎社刊)より引用
わが誕生
お父さんが言っていた
男の方がいいぞ
たくましい
元気で明るい男の子の方がいいな
1人めも男
2人めも男がいいな
お母さんが言っていた
こんどは男の子よりも
女の子がいいな
1人めは男の子
だから2人めは女の子がいいな
神様どうか
女の子にしてください
(中略)
いよいよ生まれるとき
お父さんは 待合室
お母さんは うむ
お兄ちゃんは ぱっと生まれた
でも こんどは
1時間たつのに
ぼくはいっこうに生まれない
そのころ
ぼくはぼくで必死にがんばっていた
小さくてせまいところから
大きくて 広い
新しいところに出たかった
この人は なにをやっているのか
早く出せ
と思っている
2時間たっても まだまだ
ーもしかしたら死ぬぞ…という声をかすかに聞いた ぼく
ドキッとした
死んでたまるか
ぜったいに
第2の世界に出てやる
ぼくのために
この人まで死なせたくはないぞ
生きのびてやる
でも
へそのおが
体や首に1回転半
だからものすごく動き回って苦労したのだ
危機一髪
半分死んでいたのだ
でも
ようやく気をとりもどした
やった
広い世界だぞ
生んだ人はよく見えないが
気持ちのいい空気がつたわってくる
手も足も
自由に動かせる 広い世界
広い世界だ
出たんだ
あのせまい中から
うれしいなあ
またかすかに大人たちの声がきこえてくる
ーこの子は
あと半分くらい
へそのおがまきついていたら死んでいたんだよ
生命力の強い子だよ
たくましく育てよ
中島小学校 5年5組の詩集『わが誕生』大野隆行の作品…現代教育実践文庫 「性」と「生」の授業(太郎次郎社刊)より引用
おわりに
導入時は
性に関する質問、何でも答えちゃる
と始めた授業「思春期へのメッセージ」
1時間目から「人間のかけがえのないいのち」について、感性を揺さぶる展開で子どもたちを圧倒です(^^)
ちまたにはびこる「性の裏情報」に負けないために、さらに
- 男と女ゆえの悩み、喜び
- 人間としての生き方
について感性を揺さぶり続けます!
乞うご期待(^^)/
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