2020/10/29
はじめに

ハロウィンが近づいてきました。
2018年の渋谷のハロウィンでの逮捕者は13人、
2019年は9人。
2019年のハロウィン明けの情報番組では

1億円かけて4人しか減らなかったのか
なんて言ってましたが、何もしなかったら13人を上回っていたに違いありません。
同じ理由で、何もしなかったら2020年も逮捕者は増えていたに違いない…
そう思ってました、去年(2019年)の今頃は。
でも今年(2020年)は逮捕者、いないかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の影響で、今年のハロウィンは「仮装より仮想」なのだそうです。
インターネットの中のバーチャル渋谷でハロウィンフェスがあり、集まる人が多いみたいです。
ただ、もへちゃんは不安を少し感じます。
仮想世界にたくさんの人が集まるようになると、リアルの世界での混乱はない代わりに、匿名性の影に隠れていろんな混乱があるのではないでしょうか?
そんなことを意識していたわけないのですが、ハロウィン騒動からインターネット世界の問題に切り込んだ2018年11月1日発行の「◯◯◯中学校3学年だよりミニ No.103」を紹介します。
ハロウィン
朝食を摂りながらテレビを見ていると、渋谷のハロウィンのニュースが流れていました。
10月31日のハロウィンを前にした週末、東京・渋谷に集まった群衆が一部暴徒化し、逮捕者が出る事態に発展した。
インターネット上には、イタズラでは済まされない愚行が次々と投稿され、「今後の規制につながりかねない」と危惧する声が溢れ返った。
渋谷での喧騒はこれまでにも、ゴミの不法投棄などが問題視され、相次ぐ違法行為やマナーの低下に地域住民から批判の声が上がっていた。
過去には「DJポリス」の活躍も話題になったが、今年は渋谷区が周辺店舗に瓶入りの酒類販売を自粛するよう要請するなど、事前対策を講じてハロウィン直前の土曜日を迎えたが、効果はまったくなかったようだ。
日付をまたいだ28日午前1時頃、センター街で立ち往生した軽トラックを群衆が力づくで横転させる事件が発生。
直前から半裸の男性が荷台に飛び乗るなど“やりたい放題”で、動画が拡散されると「渋ハロ終わってるな」「完全に群集心理の暴走。止めようものなら命にかかわりそう」「どこの国の騒乱だよと思ったら日本ってマジか」「終末映画とかのパニックに陥った群衆シーンかと思った」などとあきれ返る声が続出している。
Business journal「渋谷ハロウィン、暴徒化で犯罪多発」より引用

ハロウィンとは
元々のハロウィンは、仮装した子どもが家々をまわり
”Trick or Treat?”(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)
と言い、言われた方は
”Happy Halloween”
とこたえてお菓子をあげるものらしいです。

渋谷のハロウィン騒動を見て
それなのになぁ…
とても残念なニュースです。
このニュースを見ながら、

なんだかインターネットの中での差別書き込みと似てるなぁ
と私は感じました。
インターネットはとても便利です。調べたいこともすぐに調べられるし、遠く離れた人ともつながれます。
以前、千葉の先生と共同で本を書いた時も、週に1回「Skype」でテレビ電話をしながら、時にはそのテレビ電話会議の中に編集者さんも入って、作り上げていきました。

なんとすごい時代なんだろう
とつくづく思いました。
けれど一方でインターネットの世界には「匿名性」をいいことに、人を傷つける書き込みが大量にあります。
ふだんは人の目を気にして口に出さないような言葉を、平気で書き込み、それに呼応するかのように、別の人がさらに悪意むき出しの書き込みをしています。
渋谷のハロウィンでは、
○楽しいから人がたくさん集まる
○いろんな人と出会える
という良さの反面
●仮装しているから自分が誰だかわからないと思って、人に迷惑をかけるのが平気になる
●迷惑かけることを面白がる集団があちこちに出現する
という現象が起きています。
私はこの「良さと悪さ」がインターネットの世界とよく似ていると感じたわけです。
「匿名だから」、「仮装しているから」と、人を傷つけたりやりたい放題することは、「良さ」そのものを手放す結果になっていきます。
これは何もインターネットの世界だけでなく、現実にも起こっています。
大濠花火大会(福岡県)中止の理由
次の文は、大濠花火大会中止の理由を書いた西日本新聞の記事の一部です。
規制に反して入場しようとする方、出入り口以外から会場に侵入を試み、負傷して病院に搬送された方もいました。
園児や児童が大切に育てていたヒマワリ花壇が観覧者に踏み荒らされるという痛恨の出来事は、会場の収容人員をはるかに超える観覧希望者が殺到している現状の一端だったとも言えます。
西日本新聞ニュース「西日本大濠花火大会」終了のごあいさつより引用

花火大会を運営する人たちは、それまでにも交通渋滞解消にとりくんだり、安全のためにたくさんの警備員を置いたり…と問題を解決するためにたくさんの工夫を続けていました。
けれど園児たちが大事に育てたヒマワリを踏み荒らした人がいた…このことが大濠花火大会を中止に追い込んだ決定的な出来事でした。
インターネットの世界でも、現実の世界でも
インターネットの世界でも、現実の世界でも、自分たちの幸せを作っていくためには人権感覚豊かであらねばならないのです。
自分だけが気持ちよければ、人を傷つけてもいいと勘違いしている限り、日本の社会は幸せになれません。
「自分もよし、他人もよし」…私の座右の銘の一つです。
おわりに

社会現象が変えられるかもしれない
2014年、内閣府が調査した
「今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの」
には「社会現象が変えられるかもしれない」という調査項目があり、次の図のような結果が出ました。

この調査結果から、内閣府は

社会問題への関与や自身の社会参加について,日本の若者の意識は諸外国と比べて,相対的に低い
と分析しました。
社会規範( 社会生活を営む上で守らなければならない規律)
一方で社会規範について調べた結果は


諸外国の若者と同程度かそれ以上に,規範意識を持っている
と分析しました。
「『常識』や『規律』を守るものが評価され、決められた枠組みからはみ出す子は評価されない」教育
これらは、
「『常識』や『規則』を守るものが評価され、決められた枠組みからはみ出す子は評価されない」教育
の結果が数値となって表れたのだと思います。
決められた規則を、思考停止状態で受け入れ続けた結果が、

社会現象を変えられない
とあきらめる若者を作っているんじゃないかなって思います。
こんなことを書くと「荒れてもいいのか」と聞いてくる人がいるかもしれませんが、もへちゃんは教育現場の「荒れ」は望んでいません。
けれど、「規則をよりよいものにしていく」行為、例えばフランスのイエローベスト運動や、香港の民主化デモを「暴動」だとは思っていません。(どうもマスコミはそういうイメージを植え付けたかったみたいですが)


規則をよりよいものにしていく⇒学校では生徒会
例えば「規則をよりよいものにしていく行為」=「生徒総会等で、校則を考える」が学校ではどんどんできなくなっている感があります。

いや、「できなくなっている」のではなく「話し合いでよりよいものを考える場」という発想そのものが無くなっている
と言うべきかな。
「職員会議は決定機関ではなく、伝達機関だ」と言われて久しく、若い先生方は、会議で意見を交わし合い、よりよいものを作っていく経験を知りません。
そして生徒会を指導するのは、そんな若い先生方です。
悪循環です(T_T)
あっ、もへちゃんは決して若い先生方を非難してるわけではありません。
歴史は繰り返す
けれど、この悪循環の行く先は「権力を持った一握りのエリートと物言わぬ民衆」だと思っています。
さらにその先にはトランプさんの「アメリカ第一主義」のように
「八紘一宇」というスローガンを掲げ、日本こそアジア諸国を指導する国だから、従わない国は力づくで従わせる…
そんなことあり得ないと思いますか?
- アメリカがあんな国(アメリカ ファースト)になるってもへちゃんは思ってませんでした
- 中国が1989年に天安門で、民衆に向けて発砲するなんて思ってませんでした
- 台湾に対して中国があんなに露骨に圧力をかけるなんて思ってませんでした
日本は決してそうならないと言えるでしょうか?
歴史は繰り返すという言葉があります。
しかも、次代を担う若者の意識は、内閣府が調査したとおりです。
歴史から学ぶ
フランス革命やアメリカ独立戦争、イギリス名誉革命…
自分の国を本気で大切に思い、よりよいものを求めて行動した結果、人類は「民主主義」を手に入れました。
歴史を学べば、そのことが鮮やかにわかります。
時代に逆行するかのような中国、アメリカが、今後の未来の幸せを作っていくとは思えません。
よりよい社会、よりよい世界を目指すために、日本は学校教育に変革を求めることが大事だってもへちゃんは思います。
そしたら、目の前の子どもたちが大人になる頃には、大濠花火大会も再開するかもしれないな~(^^)
あっ、ネットの世界での花火大会ではなく、リアルの世界で!です。
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