九州各地 記録的大雨…熊本大洋デパート火災から学ぶ「集団・徒党・群れ」

2020/07/07

はじめに

もへちゃん
もへちゃん

 今日は七夕ですが、降り続いた雨は止むどころか、さらに降り続くみたいです。

 ニュースでは、「数十年に1度」とか「経験したことがない」大雨と言う表現で表されています。

 しかし、この表現は、もへちゃんが住む福岡では、連続4年使われています。

 確実に地球温暖化の影響だと思います。

 さて、例年であれば学校では年2回の防災訓練が行われます。

 新型コロナウイルス禍の今年はどうなるのでしょうか?

 各学校の校長先生の判断でしょうが、体育会(運動会のこと)も中止になったくらいですから、防災訓練も中止かな?

 避難訓練することで「密」になるのは怖いけど…

 でも、命に関わることだからなぁ…

 今回は、防災訓練したことを振り返りながら、集団の質を考えさせたいと思って書いた「◯◯◯中学校1学年だよりミニ No.39」(2019年7月5日発行)を紹介します。

防災訓練

 7月1日に防災訓練がありました。

 去年(2018年)の7月第1週は、1週間のうち水曜は台風、金曜は大雨警報で休校でした。

金曜の夜、避難所で一晩過ごした

という生徒もいました。

 今年は、◯◯◯中校区はなにごともなかったですが、鹿児島や熊本、宮﨑は豪雨で大きな被害が出ています。

消防士さんから「火事の現場に入っていくのは怖い」

 防災訓練では消防士の方が3人来られて、「服に火が付いたら」とか「火に囲まれてしまったら」という質問に対して、的確なアドバイスをくれました。

 私が印象に残ったのは、消防士さんからの

 火事の現場に入っていくのは怖い。

 入るときは必ず仲間と肩を組んで入る。

 1人では入らない

という話です。

 その「火事の現場に入る」って話で、以前とりくんだ授業を思い出しました

1973年 熊本 大洋デパート火災に見る「集団」と「群れ」

 1973年熊本の大洋デパートで火災が起こりました。

 平日の午後1時過ぎで、お客さんはあまり多くない時間だったにもかかわらず、お客さん、従業員など合わせて死者103名、行方不明1名、重軽傷者124名という、デパート火災としては日本最悪の被害が出た火災です。

この火災を元にした授業

 以前、この事件を元に、次のような装置(美術で使う木製パネルを改造しました)を作って授業をしたことがあります。

 ◯ はピンポン球、 は壁です。

 … はピンポン球をせき止めているついたてです。

 ピンポン球が人間を表し、壁と壁のすき間が非常口という設定です。

ついたてを一気に取ると

 この装置を斜めに置き、ついたてを一気に取ってしまうとどうなるか、わかりますか?

 非常口に人が殺到し、転倒し、折り重なり、そのため後ろの人が避難できなくなる悲劇が再現されます。

 「意思を持たないピンポン球」=「ゆずりあわず、我先に逃げることだけしか考えられなくなっている人間」です。

 授業ではこのような状態を「群れ」と名付けました。

 大洋デパートの火災の現場では、まさに人は「群れ」の状態だったと考えられています。

ついたてを斜めにしてやると

 実験はさらに続きます。

 今度はついたてを一気に取ってしまうのではなく、斜めにしてやるとピンポン球は1つずつ転がり始め非常口から下に降りることができました。

 この状態…助かる意思を持って、最適な方法をみんなが守り実行する状態を「集団」と名付けました。

 ちなみに集団には「助かる方法を指し示し、全体を引っ張るリーダー」が必要です

2011.3.11 東日本大震災での「釜石の奇跡」に見る「集団」と「群れ」

2011年3月11日、東日本大震災が起こりました。

 強い揺れだけでなく、場所によっては高さ10m以上、最も高いところでは40.1mにも上る巨大な津波が発生し、被害を大きくしました。

 この震災による死者・行方不明者は1万8430人、建築物の全壊・半壊は合わせて40万4890戸。

 震災発生直後、避難者は40万人以上…大災害でした。

 一方、地震に襲われた岩手県釜石市では、小中学生の生存率が99.8%。

 この生存率の高さから「釜石の奇跡」とも言われていますが、実は奇跡ではなく、中学生がリーダーシップをとって、小学生やお年寄りを避難させたことが知られています。

釜石の奇跡

 東日本大震災直後、校内放送は壊れていたそうです。

 先生方はパニックだったことでしょう。

 だって子どもたちに指示できないのですから。

 けれど、中学生たちは校内放送での指示を待つことなく、自分で判断し校庭を駆け抜け、指定されていた避難所まで移動したそうです。

 途中途中で「津波が来るぞ」と叫びながら。

 日頃から一緒に避難する訓練をしていた隣の小学校の子どもたちも後に続きました。

 避難場所まで行くと、裏の崖が崩れそうになっていたので、男子生徒がさらに高台へ移ることを提案し、みんな避難することにしました。

 その途中、幼稚園から逃げてきた幼児たちと一緒になりました。

 ある子は小学生の手を引き、ある子は幼児が乗るベビーカーを押して走りました。

 高台に登り終わり、来た道を振り向くと、津波によって空にはもうもうと土煙が立ってたそうです。

 間もなく、最初避難していた場所が波にさらわれました。

群れ< 集団

 これらは釜石で取り組まれてきた「防災教育」の結果です。

 釜石で行われた「防災教育」では、どこに避難するか、どこを通るか…だけでなく「自分で判断し、自分で行動できる」ことを重要視したそうです。

 何も思考せずただ周りに合わせて動く「群れ」ではなく、

助かる意思を持って、最適な方法をみんなが守り実行する「集団」を求めた結果こそが「釜石の奇跡」だったのです。

 「助かる方法を指し示し、全体を引っ張るリーダー」として中学生が行動した結果です。

おわりに

もへちゃん
もへちゃん

 人の集まりの質を表す言葉としての「集団」「徒党」「群れ」を説明しようとして書き始めた通信でしたが、文字数の関係で「徒党」については書けませんでした。

 熊本の大洋デパートを元にした授業では、ちゃんと「徒党」についても定義していたのですが…

 他の年の通信には書いたことがあるので、次回こそは「徒党」についても紹介しますねm(_ _)m

クラスが「集団」「徒党」「群れ」のどれか?

 クラスが「集団」なのか、「徒党」なのか、「群れ」なのか…

 とても大事なことだと思います。

 防災教育とは違い、その選択に命がかかるわけではありませんが…。

 一生で一番思い出深いクラスになるか、一番思い出したくないクラスになるか…それくらいの違いは生じるでしょう。

 目指せ「集団」!

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