はじめに

前回解説した「#(ハッシュタグ)検察庁法改正案に抗議します」は、今朝(2020年5月13日)1000万ツイートを超えたそうです。
そりゃあそうです。
自分たちに都合のいい人を検事総長にするために、その人の定年の年の誕生日直前に法を変えて、定年の年齢を伸ばそうとしてるのですから。
あまりに見え見えすぎて、多くの人が腹を立てているのです。
しかも、新型コロナウイルスで、政府自身が緊急事態宣言を出しているこの時期に!
しかし、それでも今週末には国会を通す予定だとニュースでは報道されています。
「なぜこんなに政府は強気なのか」について、中学生にわかるように解説してみたいと思います。
これって立派な選挙教育かも(^^)
プチ・精神と時の部屋 No.48「『#検察庁法改正案に抗議します』の次にすべきこと」
リーダーの判断…失敗したアメリカと成功したドイツ
アメリカは、新型コロナウイルスの患者数が約134万人、死者数は約8万人、ともに世界で一番多くなりました。
トランプ大統領は、3月の時点で
「うつりやすいウイルスだが、我々は素晴らしく制御できている」
と会見で話したりして、楽観的に新型コロナウイルスを捉えていました。
一方、ドイツは患者数約17万人、死者数8000人弱。
患者数こそヨーロッパの他国と変わりませんが、死者数は桁違いの少なさです。
ドイツのメルケル首相は3月18日にテレビを使って
「事態は深刻です。皆様も事態の深刻さ、重大性を受け止めてください。東西ドイツの統一以来、いえ、第二次世界大戦以来、我々の一致団結した連帯行動が必要とされる、これほど重要な試練に我が国が直面したことはありませんでした。」
と強い警告を出しました。
トランプ大統領が責任逃れをするわけ
はっきり言って、トランプ大統領は、新型コロナウイルスの初期対応で失敗しました。
しかし失敗を認めるのではなく、WHO(World Health Organization 世界保健機関)のせいにして、「WHOへの拠出金を打ち切る」と言ったり、「中国が初期に情報を正しく出さなかったからだ」と批判したりしています。
そうです。責任逃れですね。
しかし、なぜ恥も外聞もなく、こうも責任逃れをするのでしょうか?
それは今年(2020年)11月に大統領選挙があるからです。
新型コロナウイルスの対応ミスを認めるわけにはいきません。
支持率が下がるからです。
政治家にとって支持率は超大事!
あのトランプさんでさえ意識する支持率。
失策を他の理由にすり替えてでも、支持率は下げたくない。
選挙のある年だからこそ…でしょうが(^^;)
日本の与党は?
「与党」というのは、選挙で一番勝って、政権(政府)を構成している党です。
現在は自民党と公明党です。
検察庁法改正法案を出しているのはもちろん与党です。
「これまでも、そしてこれからも不都合な事件を起こすかもしれないから、自分のいうことを聞く人を検事総長にしちゃえ!」
という、見え見えの検察庁法改正法案。
1000万人以上の人が抗議するほどの「検察庁法改正案」。
トランプさんでさえ、失策を認めることは支持率が下がるから嫌なのに、日本の与党は、支持率が下がりそうな「検察庁法改正法案」を無理矢理通そうとしているのはなぜでしょうか?
支持率は下がらないと思っている?
もりかけ問題の後にあった総選挙で自民党は大勝ちしました。
もりかけ問題とは
- 森友問題…森友学園が小学校を作ろうとして、国有地である土地を違法に安く購入した問題。9億5600万円→1億3400万円になった。安部総理婦人の昭恵さんが名誉校長をしていたり、寄付をあつめる時に「安倍晋三記念小学校」としていた。この事件で「忖度(そんたく)」と言う言葉が流行った。
- 加計学園問題…長い間、獣医学部の新設を認めなかったのに、安部総理の長年の友人である加計さんが理事長を務める岡山理科大による新設を認めた。
です。
死者さえ出したこれらの問題の後の選挙で勝ってしまったため、「検察庁法改正案」くらいで支持率は下がらないと思っていると予想されます。
選挙で負けるわけないと思っていそうです。
例えるなら、暗記パンでいい点とれたのび太くんが、次のテストでも暗記パンを使う…みたいなものです。
のび太くんだけの問題ならそれでもいいのですが、国の将来を左右するようなことで、どんどん変な方向に行くのはとても危険です。

選挙教育
ドラえもんの話だったらオチがあります。
暗記パンに頼ったのび太くんは、朝、おなかをこわして、暗記した内容をすべてトイレに流してしまいました。
そんなにうまくいかないんだよってメッセージが伝わってきます。
伝家の宝刀
「これからも自分たちが罪にとわれないために、いいなりになる人を検事総長に据えられるよう、検察庁法を改正しちゃおう」
みたいな、ありえない図々しさが平気になってしまった与党には、
「そんなにうまくいかないんだよ」
「国民をバカにしたらだめですよ」
というメッセージを伝える必要があります。
困ったことにTwitterで「#検察庁法改正法案に抗議します」と1000万人以上が抗議しても、与党は「これくらい大丈夫さ」と思っているようです。
ここは伝家の宝刀、トランプさんでも意識する「選挙の支持率」を抜くしかありません。
次の選挙で
次の選挙で「検察庁法改正法案に賛成した党には投票しない」を実行したらいいわけです。
「いい加減なことをしたら、選挙で落ちちゃう」と思ってもらうことが大事なのです。
「民主主義の主人公は『民衆』」だってことを思い出してもらわなければなりません。
トランプさんがいい例ですね(^^)
もしあなたが中学生ならばまだ選挙権がありませんが、今(2020年)では18歳から選挙権があります。
15歳の中3生にとっては3年後の話です。
「選挙にいかない」は、大まちがい
あっ、大事なことを書きますね。
「検察庁法改正法案に賛成した党には投票しない」から「選挙に行かない」というのは、まちがいです。
選挙に行かない人が多くなると、与党の2つの党にとってはとても有利に働きます。
今まで、もりかけ問題をはじめ様々な問題を起こしてきた自民党が、選挙で勝てた原因の1つが「投票率の低さ」だからです。
おわりに

「#検察庁法改正法案に抗議します」が1000万ツイート以上になっても、与党は今週末に採択する気らしいとニュースで言ってました。
びっくりしました。
与党はどうしちゃったのでしょうか?
トランプさんでさえ、支持率を意識するというのに…。
これってちょっと危険な感じがします。
ブレーキの壊れた自転車で坂道を下ってるような感じです。
日本は80年ほど前に大失敗してるのになぁ…
そこで、この通信をTwitterで紹介したら
「#検察庁法改正法案をすすめる与党には投票しない」をつけようと思います
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