2020/06/10
はじめに
進路について子どもたちに考えさせる…それが進路学習です。
教科の勉強も大事ですが、将来何になりたいかを漠然とではなく、しっかりイメージして、そのために今何をなすべきかを考えさせる学習です。
- 楽しそうだからYouTuberになりたい
- アニメが好きだから声優になりたい…
小学生なら、漠然と夢を語るだけでOKです。
でも中学では、そうはいきません。
高校入試という人生の分かれ道までタイムリミットがあるのですから。
確か、松阪選手の名言で
夢って言葉、好きじゃないです。
色んなことは夢じゃなくて、目標ですから。
松阪選手の名言
ってあったように思います。
もへちゃんが勤めてる地域の中学校では、例年なら中3生の6月に進路学習会を行います。
6月は、いよいよ「夢」を夢見る時代から目覚めさせ、「現実の世界で自分はどんな職業に就こうか」と考えさせる大切な時期なのです。
でも多くの中学校では、新型コロナウイルス感染症の影響で、中止や縮小が余儀なくされているのではないでしょうか?
だから、せめて通信で進路の情報を伝えませんか?
そう考え、今週は進路特集をお送りしています。
前回の「高校のアクティブ・ラーニングの授業と大学入試激変の関係」を受けて、今回は「就職試験で必要とされる人」について書いた「〇〇〇中学校3学年だよりミニ No.33」(2018年6月1日発行)を紹介します。
アクティブ・ラーニング②
前号からの続きです。
就職試験で必要とされる人
近い将来の日本では、「就職で必要とされる人」が今までとは変わります。
財界・産業界が
学校で先生から一方的に教わるような、そういう学び方しか知らない人間は採用したくない
と言い出したのです。
今までだったら「鳴くよ(794)ウグイス、平安京」と言った知識だけ詰め込んできた人たちが受験では有利でした。
しかし、これからは違ってきます。
いや、正確にはこの前の3月(2018年3月)に行われた高校入試からもう変わりはじめました。
2018年度の福岡県高校入試で見られた変化
例えば、一昨年まで何十年間もテスト時間は45分間でしたが、50分間に変わりました。
数学で言えば、20年ほど続いていた「方程式の文章問題」が無くなりました。
過去問でとことん「対策授業」をしていた私はびっくりしました。
代わりに「度数分布表から特徴を読みとり、比較・説明する問題」が新たに増えました。
また、いつもでている関数の問題は、「計算して答えを出す」のではなく、「答えの出し方を言葉で説明する」問題になっていました。
しかし、これは特殊なことではありません。
ハーバード大学の試験を解いてみよう
このような傾向(暗記ではなく、説明できる力を求める)は、他の国ではかなり一般的です。
例えばこんな問題、解けますか?
日本の歴史の転換点ともいえる、
1600年(関ヶ原の戦い)、
1868年(明治維新)、
1945年(日本の敗戦)
あなたはこの中で、どの年が最も重要だと考えますか。
日本の政治、社会、文化の変革に与えた影響という視点からその理由を述べてください。
歴史がある程度、得意な人なら年号までは知らなくても、「関ヶ原の戦い」「明治維新」「日本の敗戦」については知っていると思います。
ちなみに私は「関ヶ原の戦い」ならマンガ「花の慶次」、「明治維新」なら「るろうに剣心」の愛読者なので、かなり詳しくわかります(笑)。
「日本の敗戦」についても、長年、中学生とともに平和劇にとりくんできたからこちらもよくわかります。
「知識」だけじゃ足りない
この問題を解くためには、まず「知識」が必要です。
この力は今までの受験勉強で大事にしてきた「暗記力」です。
けれど、一つひとつの知識だけではもう足りないのです。
それを組み合わせて、自分なりの意見にできる「説明力」を今後、求められるのです。
おわりに
コミュニケーション能力
「人に説明できる力」…文科省が次の世代に求めるコミュニケーション能力です。
英語に力を入れ始めたのは、外国の方とのコミュニケーション能力のための基礎だからです。
もっとも英語に関しては、やがてスマホが通訳してくれる時代が来るともへちゃんは思っています(^^)
ただし、そんな時代が来ても、日本語での「説明力」が不十分だとアウトですね(>_<)
『学び合い』
授業中に、まだ理解できてないクラスメイトに説明して、わかってもらう…そんな『学び合い』の考え方による授業は、日々の授業の中でコミュニケーション能力を養うすぐれた教育実践だと、もへちゃんは思っています(^^)/
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