2020/09/25
はじめに
今回、紹介する「白いページ」の作曲者は、小椋佳さんです。
もへちゃんが中学生の頃に流行った「さらば青春」を歌っていたのが小椋佳さんでした。
見るがいい、黒い犬が♪
獲物さがして、駆けてゆく♪
という歌詞が妙に頭に残っているのはなぜでしょうか?
しかも、もへちゃんの記憶では、NHKの「みんなのうた」で流れていたような…
まぁ「パプリカ」も「みんなのうた」で流れていたから、歌謡曲っぽい歌もありなのでしょう。
では、歌詞解説シリーズ第8弾、合唱曲「白いページ」について書いた通信「3年7組学級記録 No.71」(2010年10月13日発行)を紹介します。
白いページ
「白いページ」は、2003年のNHK全国学校音楽コンクール・中学校混声合唱の部の課題曲だった。
歌詞は、名古屋に住んでいる竹内香織さんが作った詩をもとに、作曲家の小椋佳さんが補作した。
ある雑誌のインタビューで、小椋佳さんは次のように話している。
小椋さん、作曲した際の苦労話などはありますか?
そんな苦労はなかったですけど、公募した詩の審査もさせていただいたのですが、何千と寄せられた詩の中から「1つだけの作品を選ぶ」ということが大変でしたね。
「白いページ」は僕をはじめ、審査員全員が気に入りました。
元の詩はとても長いんです。
コンクールの曲は、時間に制約があるので、作者の思いを壊さないように、しかも伝えるべきところはきちっと伝わるように編み直すのには気を配りましたね。
音域が広いので、歌う人はちょっと大変かなと思いました。
サビの部分
「明日には大人になってしまう~」
というあたりは、生徒が喜々として歌ってますね。
中学生の皆さんには、そうした思いってあるでしょうからね。
「大人にはなりたくない」的なこと。
いつの時代でも同じだけれど、そんな世界を活かしつつ、だけどそれがネガティブな人生観だけで終わってしまったら意味が無い。
ポジティブな思いにギアチェンジするような、そういう歌にしたいとは思いました。
応募詩「白いページ」
これが「白いページ」の応募した元の詩だ。
「白いページ」 竹内 香織
まっ白なページを開く
一粒の種を描こう
陽を浴びてぴょこんと新芽
顔を出したよ
ポロポロと涙の雨が降ったって
どんどん伸びるつぼみをつけて
めぐりくる風 飛ぶ鳥よ
つぼみはゆるみ開いてゆくよ
花が咲いたよ私の花が
明日は大人になってしまうから
今日の僕らを大切にする
今日の僕らを忘れない
まっ白なページを開く
長い長い川を描こう
陽を浴びてキラキラ川面(かわも)
光っているよ
ポロポロと涙の雨が降ったって
海に向かって流れてゆくよ
めぐりくる風 飛ぶ鳥よ
銀色の魚泳いでゆくよ
くねくね続く私の川が
明日は大人になってしまうから
今日の僕らを大切にする
今日の僕らを忘れない
まっ白なページがあるさ
僕たちの未来描こう
それぞれの空、海、雲を
書いてみようよ
ポロポロと涙の雨ににじんでも
次のページに虹があるはず
めぐりくる風 飛ぶ鳥よ
これは私の花の色だよ
これは僕の川の色だよ
明日は大人になってしまうから
今日の私を大切にする
今日の私を忘れない
応募詩「白いページ」から①
「一粒の種」は、学級記録に描き続けてきた(気がついてた?)君たちの過ごす3の7のことかもしれない。
応募詩「白いページ」から②
「長い川」は、部活動や受験勉強など、努力を必要とする日々のことかもしれない。
応募詩「白いページ」から③
「僕たちの未来」は、卒業後の君たちの姿かもしれない。
「白いページ」とは
すなわち、「白いページ」とは、君たち自身のことなんだ。
合唱コンクールまであと2日。
歌詞全文や合唱動画は「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」へ
おわりに
インタビューの中で小椋佳さんも言われてましたが、歌詞「白いページ」は、応募詩「白いページ」を短くしています。
合唱曲として歌うために、しかたないことですが…
みなさんは歌詞「白いページ」と、応募詩「白いページ」のどちらが好きですか?
もへちゃんは、応募詩「白いページ」の方が好きです。
- 歌詞…「今日の自分を大切にしよう」
- 応募詩…「今日の私を大切にする」
歌詞の方は、大人が子どもに言い聞かせているような、先生が生徒に言い聞かせているような気がします。
- 歌詞…「今日の自分を大切にしよう」
- 応募詩…「今日の私を大切にする」
こちらも同じように感じちゃいます。
応募詩の方が、みずみずしい感性のほとばしりを感じます。
歌詞と応募詩を読み比べたら、みなさんはどう感じますか?
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