2020/09/11
はじめに

もへちゃんは人権教育にも関わっていたので、21世紀になる2001年を待ち望んでいました。
「21世紀は人権の世紀」になると聞いていたからです。
しかし2001年9月11日に、その願いはガラガラと音を立てて崩れていきました。
そうです「9.11アメリカ同時多発テロ」が起こったのです。
そしてこの事件は、もへちゃんを含む大人は鮮明におぼえていても、子どもたちにとっては「生まれる前のこと」なのです。
今日は9月11日。
ならば、やはり子どもたちに同時多発テロのことを伝えたい日です。
では「◯◯◯中学校3学年だよりミニ No.75」(2018年9月11日発行)を紹介します。
人権の世紀
21世紀は人権の世紀
あなたたちが生まれるずっと前、1994年12月に国連総会で
「1995年~2004年までの10年間」を「人権教育のための国連10年」とする
ってことが決議されました。
もちろん日本政府も、人権豊かな社会を求めて行動を起こしました。
そのための国のとりくみの元として、地域改善対策協議会意見具申という政治の世界の文章があります。
難しいと思いますが、大事なことが書かれていますので、がんばって読んでみてください。
「今世紀(20世紀)、人類は、二度にわたる世界大戦の惨禍を経験し、平和が如何にかけがえのないものであるかを学んだ。
※惨禍…天災・人災などによる、むごたらしくいたましい災難
しかし、世界の人々の平和への願いにもかかわらず、冷戦構造の崩壊後も、依然として各地で地域紛争が多発し、多くの犠牲者を出している。
※冷戦構造…第二次世界大戦後の世界を二つに分けた「アメリカを中心とする国々」と「ソ連(現在のロシア)を中心とする国々」の対立構造
※崩壊…くずれこわれること
※地域紛争…今、この時も、世界のどこかで「紛争」という名の戦争があっている。戦後73年間戦争をしなかったのは国連加盟193カ国のうち8カ国しかない。日本はその1つ紛争の背景は一概には言えないが、人種、民族間の対立や偏見、そして差別の存在が大きな原因の一つであると思われる。
※一概…一般的にこうした中で、人類は、『平和のないところに人権は存在し得ない』、『人権のないところに平和は存在し得ない』という大きな教訓を得た。
今や、人権の尊重が平和の基礎であるということが世界の共通認識になりつつある。
このような意味において、21世紀は『人権の世紀』と呼ぶことができよう。
我が国は、国際社会の一員として、国際人権規約をはじめとする人権に関する多くの条約に加入している。
懸案となっていた『あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約』(人種差別撤廃条約)にも加入した。
※懸案…問題とされながらまだ解決がつかない問題
※撤廃…今まで行われて来た制度・法などを取りやめること世界の平和を願う我が国が、世界各国との連携・協力の下に、全ての人の人権が尊重され、あらゆる差別の解消を目指す国際社会の重要な一員として、その役割を積極的に果たしていくことは、『人権の世紀』である21世紀に向けた我が国の枢要な責務というべきである。」
地域改善対策協議会意見具申
※枢要…物事を動かす中心になる一番大切な所、かなめ
※責務…責任と義務
意味、だいたいわかりましたか?
私が好きな部分は
人類は、『平和のないところに人権は存在し得ない』、『人権のないところに平和は存在し得ない』という大きな教訓を得た。
というところです。

戦争は最大の差別である
と言う言葉を私はよく使いますが、日本政府の中にも同じ考えの人がいるんだと、この文章を読むとホッとします。
このように、戦争だらけだった20世紀に対して、21世紀は「人権の世紀」になるはずでした。
2001年9月11日
ところが、21世紀になったばっかりの2001年の今日9月11日、世界的な「人権の世紀」ムードを吹き飛ばしてしまう事件が起こりました。
「9.11アメリカ同時多発テロ」です。
飛行機が乗っ取られ、乗客もろとも超高層ビルに突っ込みました。
私はこの日の朝、起きて、テレビのスイッチを入れて、映ったニュースにびっくりしました。

映画じゃないのかと疑いましたが、本当の出来事でした。
たくさんの人が亡くなりました。
全世界にも、もちろん衝撃が走りました。
その後、アメリカ合衆国と有志連合の国々は、報復としてアフガニスタン紛争・イラク戦争を行いました。
暴力が暴力を生んだのです。
戦争・紛争がさらに戦争・紛争を生んだのです。
実は、アメリカ同時多発テロの原因も人種、民族間の対立や偏見、そして差別の存在だと分析する人もいます。
「戦争は最大の差別」なのです。
地域改善対策協議会意見具申の中でも「地域紛争」について書いてましたが、今、この時も、世界のどこかで「紛争」という名の戦争があっています。

今!
そう、この学年だよりミニをあなたが読んでいる今、現在もです。
第2次世界大戦・太平洋戦争後、戦争をしなかった国は、たった8カ国
戦後73年間戦争をしなかったのは、国連加盟193カ国のうち8カ国しかありません。
アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ブータン、 日本の8カ国です。
アジアには、日本とブータンしかありませんでした。
ちなみにブータンは、国民の幸福度が世界一高い国だそうです。
テレビや新聞で『幸せの国』と表されたりもしました。
うらやましいです。

差別とかもないんだろうな~
日本が1945年以来、戦争をしない理由
日本が戦争をしなかった最大の理由は、73年前に終わった太平洋戦争での悲しみ、苦しみがあまりに大きかったからです。
8月には戦争に関するドキュメンタリー番組がたくさんありました。
そのほとんどに

戦争なんて絶対に嫌だ
という爺ちゃん、婆ちゃんたちが出て、涙ながらに訴えていました。
みんなは「勉強まつり」で見られなかったのかなぁ。
ならば、学年だよりミニでこれからも少しずつ紹介していきますね。
おわりに

この(2020年)夏も、戦争に関するドキュメンタリーやドラマ、映画をたくさん録画しました。
クローズアップ現代+「戦後75年 戦争を語り継ぐ 吉永小百合の思い」
その1つに
「戦後75年 戦争を語り継ぐ 吉永小百合の思い」(NHK クローズアップ現代+)
というのがありました。
その中で、吉永さんが

平和って、私も最初は
「願えば平和は来るものだ」
と思ってたんですけど、やっぱりつくらなきゃ。
と言われました。
もへちゃんは大きく頷きました。
映画「あゝひめゆりの塔」
また、今年の夏、録画した「あゝひめゆりの塔」を見ていたら、吉永さんが主人公でした。
2016年にとりくんだ平和劇に対して、色紙をいただいたもへちゃんは、吉永さんのファンです。
しかし、恥ずかしながら、もへちゃんは「あゝひめゆりの塔」の主演が吉永さんってことを知りませんでした。
この映画が公開された1968年、もへちゃんは5歳だから仕方ないかな(^^;)
知る→感じる→行動する
こんなころから、今現在に至るまで、反戦平和を訴え続けられた吉永さんは、クローズアップ現代+で

(平和は)みんなでつくらなきゃいけないことだし、なんらかの形で子どもたちと同じ場所に行って、
「こういうことがあったんですよ」
っていう話をして、みんなで考えようといった活動をしていきたいと思います。
と言われました。
まさに「知る→感じる→行動する」を身をもって示されているなぁと感じました。
見習わなくっちゃ!
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