2020/11/09
はじめに

もへちゃんが中3生の担任をしている年のこの時期(11月頃)は、「1日6時間勉強・6時間睡眠」を求めてました。
中1生や中2生にこの話をするとたいてい

絶対無理ぃぃ
と言うのですが、そんな子たちの多くも中3生になり、受験が近づくにつれて1日6時間勉強するようになっていきました。
今回は、そんな子が書いてきた4行日記の1文を使って書いた通信「3年7組学級記録 No.81」(2010年11月11日発行)を紹介します。
実力を引き出すサイクル
記録100
最近、おかしくなってきたのかわかりませんが、勉強するのがちょっと楽しくなってきました。
わかりませんが、難しい問題が解ける快感!?みたいのがあります。
◯◯さんの生活ノートより
脳内物質ドーパミン
◯◯さんが感じたこの楽しさは、僕も経験がある。
いや、僕だけじゃなく、過去のもへちゃん組だった人の中にもいたし、僕自身の学生時代の友人にも

難問が解けたら気持ちいいっちゃんねぇ
と言ってる人が何人もいた。
- あ~ね
- わかった!
- よっしゃあ、あってた!
その時の言葉は人それぞれ。

けれど、脳の中で起こってることはみんな同じなんだ。
「あ~ね」と思った瞬間、脳を活性化させる脳内ホルモンが大量に分泌され、強い幸福感や快感を感じる。
小さな子どもを観察してみると、このことはよくわかる。
小さな子どもが言葉をおぼえる時
子どもは言葉をおぼえようとするとき、

おぼえなさい
と怒られるから、頑張るわけではない。
テストや入試があるから、頑張るわけではない。

ママ
と言えた赤ちゃんに

お~よしよし
「ママ」って言えたね~
と褒めると、赤ちゃんはにっこり微笑む。
そしてまたどんどん言葉をおぼえようとする。
小さな子どもにとって、言葉を喋られることは喜びなんだ。
君たちも、記憶に残っていないくらい幼い頃「できることの喜び」を毎日のように味わいながら、言葉を学んだ。
その心地よさが、さらに言葉をおぼえる原動力になったから、日本語を自由自在にあつかえるようになったんだ。
「わかること」「できること」は、人間にとって本来心地いいことなんだ。
サイクル発動の条件
けれど15年の人生を歩んできた君たちは、「ママ」と言えても快感を得ることはできない。
難しいこと、未経験なことを苦労して成し遂げた時、脳内ホルモンが分泌され、強い幸福感が生じる。
そして、この幸福感はクセになり、また味わいたいと、さらに頑張り始める。
言葉をおぼえた人なら誰もが、そのサイクルを脳の中に持っている。
このサイクルの効果は絶大だ。
未発達の脳の小さな子どもでさえ、難解な日本語を使いこなすまで持って行けるのだから(英語の勉強で苦労している人なら、そのすごさがさらにわかるかな?)。
ただし、このサイクルを発動させるための重要な点は、まず自分が苦労し、頑張って、そして成し遂げなきゃならないってこと。
- 人から「させられてる」人
- 「楽をしようとする」人
- 「頑張ってない」人
は、いつまで待っても、この実力を引き出すサイクルは動き出さないだろう。
一旦、動き始めた人は、グイグイ実力を引き出せるようになる。
◯◯さんに続け。
おわりに

小学校時代のつまずきや、中1、中2時代のつまずき以降、「学ぶ」ことが苦痛になっている子どもがいます。
高校時代のもへちゃんもそうでした。
その後、つまずいた所から時間をかけて(1日17時間勉強)取り戻す経験(大学受験)をしました。
おかげで、つまずいて「学ぶ」ことが苦痛になっている子どもに、取り戻し方を具体的に話せます(^^)/
今、勉強が苦痛な子どもが、それを乗り越えることができたら、その子が親となったとき、わが子に乗り越え方をアドバイスできるに違いありません。
親になったときに初めて「子どもの頃、頑張った甲斐があった」と思う…そんな頑張りも素敵だと思います。
もへちゃん組の卒業生の人で、このブログを読んでるあなた、あなたはそんな1人ですよね(^o^)
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